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第4話 人為的躍動?

少し間隔があいてしまいました。

 ロックは一人街道を駆けていく。隣の町まではゆっくり歩いても半日ほど。身軽になったロックなら小一時間もあればたどり着けるだろう。

 大きなアップダウンもない平坦な林の中の林道を突き進んでいく。昨日のこのあたりの被害があった場所は、情報だとそろそろのはずなのだけれど……ロックはふと視界の端にそれを捉えた。

馬車だったものの残骸。それと、黒いローブを着た奴が何かを漁っている。

「おいっ。動くな!」

 ロックの声に、ローブを着た奴はびくりと体を震わせた。深くフードを被っているから、顔はよく見えないが、男だろう。辺りを見回し、かけてくるロックと目があった。

 ローブの人物は身を翻して逃げようとしたが、ダッシュをつけたロックの方が幾分早い。

 あっという間に間を詰め、ロックは抜いた剣を突き付けた。男は驚き、腰を抜かす。そのはずみでフードが開けた。初老の男性だった。

「ま、待ってくれ。儂は頼まれただけなんじゃ」

 男は慌てて弁明を始める。

「頼まれた? 誰に?」

 ロックは剣を突き付け、辺りを警戒しながら問いかける。辺りには他に気配はない。

「し、知らない。こういう黒いローブを着ていた男に頼まれただけだ」

「何を探している? 馬車の襲撃は……」

「知らない。聞かされていないんだ。ただ、この馬車にあるはずの荷物を持ってこいと」

「荷物?」

「これくらいの木箱に入ってると。中身はわからないが、あけずに持ってこいと言うのが依頼の内容だ」

 男はジェスチャーで箱の大きさを示す。それはちょうど片手に収まるような大きさだった。

 嘘をついている様子はないが、何か釈然としない。依頼主は何を探してるのだろうか。

「それで、その箱は?」

「いえ、まだ見つけて無くて……あ、もしかしてこれか?」

 男が視線を落とした先にそれらしき木箱があった。ロックは男よりも先にその木箱を拾った。

「まあ、言っていたことに嘘はなさそうだけれども、今回ギルドから捜査依頼が出てるからな。悪いが参考人として来てもらう」

 男は観念したように首をうなだれたのだった。


 ロックは男を参考人としてギルドに引き渡した。どうやら本当に事件のことは知らなかったようだが、近くの森で隠居していたようで。何かの魔導研究をやりながら生活していたらしかった。

 研究費や生活費は普段木こりとして薪や炭を作っては近くの町でお金に換えていたようだった。

 とはいえ、一人で作れる薪や炭の量にもたかがしれている。一昨日、納品に町を訪れたのだが、帰りが遅くなってしまい、町で一泊することになってしまった。その宿のパブで、黒いローブの男と出会ったというのだ。

 その男は例の木箱を探す依頼をし、前金で金貨二枚。成功報酬で金貨三枚を提示していたらしく、かなり驚きの破格の報酬だった。

 ギルド職員とも話したが、彼らは何を求めているのか、ロックには皆目見当もつかない。

木箱の中には大したものは入ってなかった。おそらくはこれがローブの男の目的の代物ではなさそうだ。

 とはいえ、いくつかの馬車襲撃事件は、黒ローブの男が何かを探している可能性が高くなった。が、それらはほかに街からも出ている冒険者たちの結果待ちという事になるだろう。

 今回の初老の男性には住まいの確認などを済ませた後に、ギルドが腕利きの冒険者をつけて、黒いローブの男を捜査することになりそうだが、そこはさすがにロックの管轄外となりそうだ。

 とりあえず、ロックの方はこれで依頼終了となり、午後からはロックの故郷、アクビアの町へ乗合馬車も出ることになったようで。

 ギルドもその便を手配してくれていたらしく、ロックはレイチェルと共にその便で帰郷することを決めた。

「悪いね。馬車まで取っててくれるとは思ってなかったよ」

「こちらこそ、ご無理言って申し訳ありませんでした。とりあえず今後の事もありますので、仮登録から本登録に移行させていただきます。後日最寄りのギルドからご自宅に正式なギルドカードが届くと思います」

「あ、そっか」

 ロックは頭を掻きながら少し困ったような表情を浮かべるが、

「まあ、乗り掛かった舟だ。仕方ないか。了解だよ」

 ロックはそういってレイチェルを迎えに行く。

思いのほか早い迎えにレイチェルは笑顔を見せた。出発する準備は整っており、ロックは自分の荷物をまとめると、レイチェルを連れて馬車の乗り場に向かうのだった。

ちなみに宿代もギルドが手配してくれていたのだった。

新型コロナの影響で最近はドタバタ。公私ともにいろんな影響が出ておりまして。

自分は元気なんですけどね。感染には気をつけなきゃだし。

更新が少し滞ることがあるかもですが、しっかり続きを書きますので、少しお時間をくださいませ。

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