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選抜試験・面接

『それではこれから面接を始めます。呼ばれた方は、この部屋にお入り下さい。また、魔王さまのご質問に関しましては、一切口外することの無きようお願いいたします』


次々と名を呼ばれ、入室していく。

しかし、退室してくる者はいなかった。段々と不安になり、ざわつく面々。


『次、ミラージュさま』



こんこんとノックをし、入室する。


『ようこそ。あっ退室時はそっちの扉から出て行けよ。では始めるか』


『……あの、魔王さま、どなたも退室してくる者がおらず皆が少々不安に思っております故、退室時の扉は別にあると伝えても宜しゅうございますか?』


『あぁ!うっかりしてたな(笑) おぅ、いいぞ!伝えてやってくれ』


『では、失礼します』


と入室扉の方に行き、皆に詳細を伝える。



『御待たせいたしましたことをお詫び申し上げます。よろしくお願いいたします』



『うん、なかなか細かい気配りができるな。いやぁすまんすまん! うっかり忘れてたよ』


一転、獰猛な顔つきでにやっと笑い

『まぁ、罠や何かがあっても全て消し炭にするから特に気にしてなかったけどなっ』


と事も無げにいい放った。



『んじゃ、始めるぜぇ。……っと、魔国に一番必要なモノは?ってとこに教育と法律って書いてあるけど、どういうこと?』


『はい、今この国は、無法地帯でございます。チカラあるものが弱者を虐げ、それが罷り通っております。チカラの無い正義も問題ございますが、法を確立し然りとした秩序が必要だと思います。またそれを皆に周知しなぜそうで在るのかを知らしめるべきだと思っております』


『ん〜〜? ガツ〜んとヤれば皆言うこと聞くじゃん。何でそんな事するの?』


『その日の、魔王さまのご機嫌によって、懲罰が決められるのは如何なものでございましょうや?そのようなものに……左右されておりましたらきちんと国として成り立ちません』


『ふ〜ん、わかった。ところでヤヌスが持ってきて読めと言ったであろう書物があったな?お主が思う魔王とは誰ぞ?』


『……』


『ん?誰なんだ?』


『おそれ多くもお答え申し上げます。私は……書物の類いを読みましてからこう推察いたします。魔王さまは唯一ではなかろうかと……』


『どういうわけで?』


『歴代魔王様の偉業という書物には、第○○代魔王様のなされましたことは、コレコレで、こういう事をされました。と書いてございますが、その者共は皆、只の乱暴者でございます。故なく正義無く只ただ暴虐の限りを尽くしております。唯一、正義があるとされるのは《不干渉または沈黙の魔王》さま』


『お主、この国をどのようにしたい?』


『……家族が明るく笑いあえて未来に希望が持てるようにしとうごさいます』


『明るい家族?何で?』


『……私は、憧れておりました。まだまだ幼い頃、友達のうちでは笑いが絶えない、良い家族でした。そこでは子供達の個性を認めておりました。強いだとか魔法に秀でてるだとか関係無く、泣き虫であることすら、感情豊かだと、個性であると。厳しく冷たい我が家とは違い、いつもいつも幸せそうでした。理不尽な目に遭わずいつまでも幸せに暮らして行けば、その子もまた、幸せな家庭を持てると思いました』



その後もいくつかの質問にこたえ、退室した。


続々と面接にむかい、また恐る恐る質問しながら自分の希望を言う者もあれば、不遜な態度で選民思想を語る者もいた。弱者は須く虐げられるべき……という極端な者もいる。

もう、魔王辞めてぇ!というと俺なら適任だぜ!という者もいた。

なら、新魔王の選別にはどうしたらいい?とたずねてみた。


それにこたえる受験生に、興味深そうに、ふんふんと頷きながらメモしていく魔王。



やがて面接も終了した。


『くゎ〜〜!! 肩こったゎ〜

しっかし色んな考えのヤツがいるなぁ、うんうん』


『お疲れ様でございます、魔王さま。』


『う〜ん……

5人ほど、有能なヤツがいたんだけどなぁ。いや、ふたりはまだ素質がある……ってだけでこれから伸びるだろうよ。しかし、可能性はあるな、楽しみだっ!』




面接を終わり、少し緊張がとれた面々に魔王さまが宣う。


『お〜い、みんな! 次は実技テストだぜ!』


すると、一部の者達が顔を暗くする。


『一部から三部まであるからな、お前らよく見とけよ!』



一部の者は一人ずつ入室した。

『おい、お前。名前ノートだっけ?確か魔力が少ないから攻撃魔法は苦手だが、補助魔法は少し自信があると書いておったな?』


『は……はいっ!魔王さま。幼き頃より魔力も腕力も無く、無能扱いされておりましたが、魔力を身体中に行き渡らせ制御すれば少ない魔力でもって発動できることに気づきましてそれからは精一杯勉強いたしました。それでも中級魔法を複数使用しますと、魔力切れを起こしバカにされてきました。ならばと、補助魔法を勉強いたしましたが………そのようなモノは不要だと言われて……』とうつむいてしまった。


『ふ〜ん。んじゃいっぺんやってみ?先ずは素早さを上げてみろ』


『はい!失礼します。【クイック】』


『お〜〜!やるじゃねぇか!』


『あの……魔王さまは動かずとも体感出来てらっしゃるのですか?』


『あぁ、わかるぜ!しかしすごいな、ノート。普通は1,2〜3倍位だが、お前のは1,8倍位だ。よく頑張ったな!これからも精進しろよ。誰がなんと言おうとこれはお前の努力の賜物だ、誇れよ』


『あぁ、ありがとうございます!』


普段はバカにされ強者の兄弟からは、蔑まれていたノートは、涙を流した。


『ノート。誰かと自分を比べるなよ。比べるなら、昨日の自分とだ。そしてそれは他人であってもだ。AはBより強いとか、決して思ってはならん。比べるのなら昨日のAは、今日のAよりも努力していたぞと言ってやれ!』


『はい!ありがとうございます!これからも魔王さまに忠誠を!』




一部の者は、魔法に何らかの問題を抱えていた者達だった。


そして二部は概ね軍師に憧れを抱く者達である。


戦略的な試験で、敵味方の数、陣営等々から、自軍を勝利に導くべく奮闘するのである。




そして三部は自分が一番強いと豪語する者達だった。


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