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鉱山都市ハルコーネ

「さぁ準備も調ったな、行くか!」


「ああ、次は鉱山都市ハルコーネだ。ジェイド、此処に着いたらお前の装備を揃えようかと思う。楽しみにね♪」


「え?ホントに?やったぁ~!カッコいい革ヨロイ欲しい!」


「ふふっ、革ヨロイってところにジェイドの欲の無さが出てるわね♪」


「だって僕、まだ身体が……小さいから重いのは無理だもん……」


「大丈夫だって!オレたちの装備見てみ?誰もごっつい金属ヨロイなんて装備して無いだろ?ミカが言ったのは、素材のことだよ♪軽くても耐魔・耐物理に特化したモノもあるからさ♪騎士さん達とオレ達冒険者は戦闘スタイルが違うからね、おのずと装備も違ってくるんだよ」


「例えばチャウダーだってこんな弱そうに見えるけど、この子の毛は耐火性を帯びてるからね、山火事なんかで森リスの生存率が高いのはこの毛皮のおかげなんだよ。だから素材の持つ能力で軽くても良い防具もたくさんあるから、ジェイド君に合った防具を探そうね♪」


「キキッ♪」


「うん、ありがとうセシルさんチャウダー君、色んな防具見てみるね♪」


「防具もだが、何か武器も探した方がいいな。得意な得物は有るのか?」


「う~ん……僕、あんまり冒険者ごっことかしなかったから、得意なのってわからないや」



そんな話をしながらついに鉱山都市ハルコーネに着いた。

やはり、武器や防具で有名な街だけあってなかなかの行列だ。

冒険者風の者達だけでなく、商隊らしき馬車もたくさんならんでいる。

ジェイドは物珍しそうに馭者台の上に立ち上がり周りを見ていた。


「ふぁ~~!すごい行列だ!強そうな冒険者さんがいっぱい~♪」



長い長い行列にイライラうんざりしていた冒険者達もジェイドの叫び声を聞いて、笑いながら


「おぅ、ボウズ!強そうってオレのことか?」等と話しかける。



「うん、お兄さんものすごく強そう!カッコいい♪僕ね、この街でカッコいい防具買ってもらうんだよ~♪」と、にこにこ話すジェイドは、行列の待ち時間に飽いてきた人達から話しかけられ人気者だ。


「な?」とアンリがみんなに囁くと、みんなもうんうんと頷いた。



やっと順番が来て、皆ギルドカードを提示していく。


「ん?Fランク?」


「はい、先月パーティーに入れてもらってギルド登録したところなの。僕、荷物係♪」


「そ……そうなのか。荷物係は辛くないのか?大丈夫かい?」と、チラチラ他のメンバーの方を見ながら守衛が小声で尋ねたが、


「うん、とっても楽しいの♪僕、この街でカッコいい防具買ってもらうの♪楽しみ~~♪」と、わくわくしている様子を見て、守衛も安堵した様子。


ジェイド以外はみんなSランクとAランクのパーティーの為、そしてジェイドが幼い為、守衛は心配になって尋ねたようだ。


「どしたどしたジェイド、えらく時間かかってたじゃないか?」


「えっとね、僕がFランクだから荷物係は辛くないのかって心配してくれたの♪」


「「「「「あぁ!」」」」」



守衛がびっくりして振り返る。


「そういえばジェイドはギルド登録してからクエストやってなかったな。やってることはSランク以上なのに(笑)

スタンピード止めたり入手困難な薬草で人を救ったりしてるけど、よくよく考えたらギルド通した依頼と違ったもんな……」


(スタンピード……)守衛の耳はもはやダンボだ。


「よっしゃ!ジェイドは装備買ったらギルドで依頼受けて来い!」


「え?僕に出来る依頼って有るかな?」


「Fランクだから薬草採取とか何かのお手伝いとかだから大丈夫だよ。心細いなら、チャウダーを連れて行くかい?」


「お手伝いとか薬草取りならいつもやってたから大丈夫♪1人で頑張ってくる!」


「「「ランクアップ頑張って♪でも無理は禁物ね♪」」」


「よーし!頑張って薬草いっぱい取ってAランクになる!」


「「「「ぷぷー♪」」」」


「ん?」


「ボウズ、Aランクか。頑張れよ!この街だったら鉱石の採取もあるぞ!大人だけじゃなく、子供らも潜ってるから比較的安全な場所だ。コツさえ掴んだら薬草採取より儲かるからよ!」


「うふふ、坊や。鉱石で防具の強化も出来るから、ギルドの職員さんに色々質問したらいいわよ♪」


「そうなんだ♪お兄さんたちお姉さんたち、ありがとう!僕、頑張るね♪」



(((((可愛い♪)))))



「とりあえずギルドで貸してもらえる空き地ないか聞いてみてからジェイドの装備見に行くか。この辺りの魔物事情も見なくてはな」


まずは掲示板を見てみた。

やはり鍛冶屋関係が多い。工房の掃除や片付け、仕上がり品を届ける等。

常時依頼に鉱石採取もあり、なかなかの種類の依頼があった。

職員に空き地の有無を聞くと、

貸せる空き地は、大道芸などをする為の大広場辺りしか無いらしく、それ以外なら貸し出しではないがスラム街の近くに空き地は有るとのこと。こちらは安全を担保出来ないから……と言われたが、皆は特に気にする事もなくその場所を借りてパーティーハウスを出した。


一旦小休止ということで、みんな集まりミーティング。


「初めて持つ武器ってことで、まずはダガーあたりが無難なんじゃね?」


「そうだな、あとクロスボウもいいと思う。籠手と一体化しているタイプもあるし、動物系だといきなり近接では血がかかって怯んでしまう場合もあるからな」


うんうんと頷くジェイド。

考えてみたら今までは魔物の自爆、爆走して来て避けたら岩にぶち当たった・崖から落ちた……という戦法だ。

自身がとどめをさした訳ではない。


とにかく見て試着させてもらおう!ということで武器屋に向かう。

『両手剣で決めポーズ』をスマホで撮ってもらったり、巨大ハンマーに押し潰されたり、クロスボウのサイズ直しをしてもらう間にいろんな武器を手に取り、嬉しそうだ。


「煩くしてすみません、オヤジさん。なんせ初めて持つ武器なんではしゃいでしまって」


「いやいや、構わんよ。ワシらも初めての時はみ~んなそうじゃった、のう?」


「はい、確かに(笑)」



「ねぇ、おじいさん。この樽の中に入っている壊れた武器はどうしたの?こんなに壊れちゃうほど強い魔物が出てくるの?」


ちょっと眉毛の下がったジェイドを見て、

「それはの、冒険者が買い替える時に下取りした古い剣をの、スラムのガキ共に使わせてやったんじゃが元々がだいぶくたびれとったから、どうしてもスグに壊れてしまうんじゃ。弱いとはいえ、鉱山の中にも魔物は出るからのう、何も持たす行けば危ないしのう……」と答える。


「そうなんだ~。おじいさん、いい人なんだね♪この中のはもう使えないの?だったら欲しいんだけど、ダメ?」


「……ああ、どうせ廃棄だから別にいいが、そんなもん持って帰ってどうするんじゃ?」


「えへへ、ヒミツ♪他にも武器屋さんや防具屋さんで、おじいさんみたいないい人居ます?いたら『しょうかいじょう』書いてくださいな♪」


(((((またやる気だ!)))))


「ワハハ、紹介状か。スグに書いてやろう。手間が省けてみんな喜ぶわい。こんなんで良いのなら、廃棄場に行けばイヤになるほどあるぞ。門のところにある守衛室で訊いたら、OKくれると思うぞ」


「ホント~♪教えてくれてありがとう!

でも今まで色んな街に行ったけど、廃棄場なんてあったかなぁ?」


「よそに比べて、ここで買い替える人数が多いからじゃろ。それにこの街はたとえ10銅貨でも下取りっちゅうカタチにするが、よその街じゃ反対に処分代を取るところもあるしのう……」


クロスボウを装着してもらい、ダガーをベルトで腰につけてもらってスキップ状態のジェイド。


「おいおい、浮かれ過ぎだぜ大丈夫か?」


「そうよ、魔物も出るんだから……気配察知を怠っちゃダメよ?」


「はぁ~い♪今日は他にも回るところが出来たから、明日から依頼受けるね♪じゃあ僕は行くね。カッコいい装備ありがとう!」


すたたたた~と走り去るジェイドを見て、みんなは溜息。。。

「まぁ、ジェイドの好きなようにやらせるか……」



武器屋と防具屋をまわった後、門の前まで行き、

「守衛のおじさ~ん、ちょっと教えてください!あのね、武器屋のおじいさんに聞いたんだ、この街には廃棄場があるって♪

僕、欲しいものがあるんだけど廃棄場から勝手にもらっていいかしら?」


「それは構わないけど、仲間の人達に言われたのかい?」


「ううん、僕が欲しいの♪みんな呆れちゃって『好きにしなさい』っていうから、今日はギルド行くのやめて廃棄場見に行くの♪」


「あはは、そうかい。刃物がたくさんあるから気をつけるんだよ」


「は~い、ありがとう!じゃあ行ってきま~す♪」



鼻歌を歌いながらスキップするジェイドを見て、

「良かった。虐待されているのかと心配したけど、大丈夫そうだな」

と呟いた。









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