ジェイドの生い立ち
王都に戻りみんなでジェイドの為の洋服や日曜雑貨を買いに店を訪れる。
スカートを履かされたりピンクの服を着せられたりと色々弄られながらも、こんな楽しい時間は今までなかったな……と、幸せを噛みしめていた。
両親から、投げ捨てるように渡されたたった1枚の服を大事に着、村の人たちのお手伝いをして食料をもらった。
きちんと対価になるようお手伝いはしたが、渡してくれる村人たちの哀しげな顔が、いやでも自分の状況を示しているようで、ベッドに入って泣いたこともあった。
理由は分からずとも両親から愛されていないのだということは物心ついた頃には理解してしまって、そしてそれは自分がどう頑張っても変わることは無いんだ……という諦めの気持ちもあった。
村の人たちは、皆優しい。
冒険者の人たちは、楽しく心強い。
だから、悲観してグレる事もなく日々を過ごせていた。
心のうちに沈み込んでいくナニかが、ジェイドを覆い尽くすこともなかった。
元気に明るく日々を過ごしていたが、見上げた空を飛ぶ鳥たちをいつまでも眺めながら……
どこか遠くの何かに思いを馳せる……そんなジェイドを静かに見守る村人たちがいた。
優しく温かい人たちに囲まれながらも渇望……何かが違うんだ!と心の中で叫びながら暮らしていたある日、
ジョージと出会った。
神と見紛うようなその人は、「君が必要なんだ」と言ってくれた。
苦しむ人々を助けたいと言った。
びりびりと、かみなり様にうたれたように
心も身体も痺れて、でもはっきりと答えた。
「僕がお役に立つならご一緒させていただきます!」と。
一応黙って家を出るわけにもいかないので両親に告げたが、やはり罵倒された。
村長が杖を振り上げ顔を真っ赤にして両親を諌めてくれたが、やはり何も変わらない。
むしろこれでスッキリあと腐れなく縁を切れる。
そんなことを思う自分はおかしいのだろうか?心が醜いのだろうか?と悩んでしまったが、ミナさんやアルさんのおかげで気持ちも落ち着いた。
まだ見ぬ仲間のお兄さんたちや、ジョージさんの生まれ故郷の話のことなど、見たい聞きたい事で胸がいっぱいになって、早く早くと心が急いていた。
はじめての街で野菜やパンをたくさん仕入れ、孤児院の子達と楽しく遊んだあとに王都に着いて仲間の人たちを紹介してもらった。
最初はちょっと緊張したけど、みんな善い人!
ジョージさんとも普通に、本当に普通に、まるで幼なじみで組んだパーティーみたいに和気あいあいとしていてとても居心地がいい。
僕が必要だとジョージさんは言ってくれたけど、本当に役に立つんだろうか?と、少し心配な気持ちはあるけれど……
しっかり前を見て、自分のつとめをきっちりと果たそう!
嫌なおじさんたちとの話も終わり、預かっていた魔物の買い取りも終わり皆に渡せた。
あとは、自分の分の解体してもらったのを受け取ったら出発だね、わくわくする!
あ……国王様の預かりもの返さなきゃ。




