ギルドにて
「すみませ~ん!解体のことでお聞きしたいんですけど……」
「おはようございます。どのような事でしょうか?」
「えっとね、解体してもらうの1日何体まで出しても大丈夫ですか?」
「そうですね、全体でですか?それともあなた一人でですか?」
「僕、たくさんお願いしたいんだけど、他の人に迷惑かからないような数を教えてください!」
「まぁ♪気を遣ってくれてありがとうございます。
そうねぇ……大型ばかりなら100体・中型なら150~200体・小型なら特殊なタイプじゃない限りはけっこういけますよ♪」
「じゃあ今日は、サイクロプス40とブルーオーク40とあとファングジープ40……っていけますか?
これは素材全部もらいたいんですけど……」
「はい、承りました。……あの……今王都内でも肉類が足り苦しいので、少し売っていただけると助かるのですが」
「う~ん、それは冒険者さん達に渡す分だからダメだけど、その解体分が終わった残りは全て買い取りしてもらう予定だったんだ。
それを先に渡します?
でもそれで解体するのが遅くなったら困るんだけど……」
「大丈夫です!出来るだけたくさんお願いしたいのでよろしくお願いします。
もちろん、解体分は最優先でやらせていただきます!」
「じゃあこれ、まとめてあるから先に必要な数を教えて♪その数から、40引いた数が最大ね♪
解体分と一緒に出すから!あっじゃあそれで解体費用を相殺してもらうことってできます?」
「………ちょっとギルド長に相談して来ますので少々お待ちいただけますか?」
「じゃあ、俺の方もギルド長に話があるからこいつと一緒にギルド長室に行って来ますので」
「あっ!ジョージさん。彼はチームメンバーだったのですか?
ではよろしくお願いします。今は部屋で書類整理をしていますので♪」
3F奥にあるギルド長室に向かう。
「ジョージさんってみんなに信頼されてるんですね、あっさりギルド長に会えるなんて」
「まぁそれなりの働きはしてるからね♪彼も俺の事を知ってるし」
「みんなはあまりジョージさんのこと知らないの?」
「城内の人たちとギルド長ぐらいかな?できるだけ顔を知られないようにしているよ。
ただの冒険者だと思われている方が色々都合がいいしね」
「ふ~ん、さくりゃくか?なんだ!」
「あははっ、策略家か。実際、勇者だって知られたからってこちらにはなんのメリットも無いし。寄ってくる人の大半は利用しようとする人さ。
『国のため民のため』って思ってる人は、きちんと順序だてて国王に通しているよ♪」
「なるほど~勇者様って強くて優しくてカッコいいけど、色々気苦労あるんだね、お疲れ様……」
「あははっ、俺ジェイドのそういうとこ、すんごい好きだなぁ♪癒される……」
ぽふぽふと頭を撫でながら笑う。
=ギルド長室=
「やぁおはようジョージ……とジェイド君だったかな?」
「おはようございます。はい、ジェイドです。よろしくお願いします」
「早速で悪い。あと1週間ほどで旅に出るんだが、その前にこれを解体・買い取りしてほしいんだ。ちょっと数が多くて申し訳ないんだが、あまり日を伸ばせない」
「こりゃまたスゴい数だな……毎日徹夜で解体作業だ(笑)
うん、解体するのは24種960体だな。多分1週間あれば充分だと思うが買い取りの方がスゴい数だなぁ……」
「僕の受取金からオークとかミノタウロを買いたいんだけど……どれぐらい買えるのかなぁ。
あっ!魔物の出し方ですが、一人前24種ずつで出した方がいいんですか1種40体ずつで出した方がいいんですか?」
「どちらでもいいけど、途切れないように多めに出してもらえると助かるよ」
「わかりました、ありがとうございます。査定額が出たらミノタウロとブルーオーク売ってくださいね♪」
1日に200体ずつの解体をしてもらい、5日目の夕方には40人分全ての振り分けが終わった。
もう解体作業の職員はゾンビのようだ。
「やぁジェイド君もお疲れ様でした。あとは全部買い取りだね。今までの解体で見せてもらったから、状態の良さはよくわかった。
で、買い取り金額を査定してみたから見てもらおうか。
ギルド長室まで来ておくれ」
「はい、わかりました。あの、僕自身が持っている分も明日までに解体のお願いできますか?ハニーベアとかウイングボアとかなんですけど」
「はははっ、あぁ大丈夫だよ。解体場に置いて来たら上がって来てな」
「はい、わかりました!」と元気よく解体場に走って行く。
「おいジョージ、その顔見てたら巷の噂が本当かと思ってしまうぞ(笑)」
「もうみんなにからかわれ過ぎてそれでもいいやって感じですよ(笑)」
解体を頼んでギルド長室に行くと計算表を見せられた。
「解体費用だが、大が200体/70銀貨・中が360体/45銀貨・小が400体/25銀貨……で、金貨402枚だな。
買い取りは、総額金貨20353枚と60銀貨。
差し引き金貨19951枚と60銀貨。
一人当たりが金貨498枚と79銀貨だ。
詳しい内容はそれぞれに明細書を入れておくから。それとジェイド、買い取り金額はミノタウロは720銀貨・ブルーオークは870銀貨だ」
「じゃあ、30匹ずつぐらいかぁ……
それでお願いしたいです、よろしくお願いします!」
「わかった。ではそれぞれの袋に入れておいたので確認して持って行ってくれ。ジェイド君の分は、この袋な」
「はい、ありがとうございます!ジョージさん今からトネリ村まで行きたいんですけど……」
「わかった。みんなも連れてって村長さんに会わせとくゎ。その方が村長さんも安心するだろう」
転移してジェイドの村(トネリ村)まで行くと、冒険者たちは皆ダンジョンから帰って来ていて、温かくジェイドを迎えた。
「あれ?ジェイド、もう追い出されたのか?」等とからかいだした。
「違うよ、もう!村長さんはもう家に帰った?」
「おや、ジェイドじゃないか。元気にしておったかの?皆さんに可愛がってもらっておるかの?」
「あっ!村長さん。アルさんミナさんも来て♪
この前の魔物の買い取り終わったよ!
一人当たり、魔物の素材が24種類と買い取り金額が、金貨498枚と79銀貨ずつ。
ベテランさんも初心者さんも同じ金額で分けたけど、良かったかなぁ?アルさん」
「なんともスゴい金額になったなぁ♪いいんじゃないか?ジェイドがよければ」
「それと村の分も分けてもらったんだ。これは村長さんに預かってもらって村のみんなのために使ってもらおうかと思って」
冒険者のみんなにも並んでもらって、袋を渡していく。
中にはギルド長が一人一人に明細書を入れてくれていたので、皆それを見て、「よく生きてたな、オレたち……」と、改めてこの前の出来事を振り返った。
「あっ!その袋、時間の経過はけっこう遅いけど、やっぱり徐々に悪くなるから、お肉とかはギルドカードの方に移し替えといてね♪」
「村長さん、ご無沙汰しております。王都でもジェイドは元気いっぱいで頑張ってくれてますよ♪
ここにいるのは、一緒にパーティーを組んでる仲間たちです。よろしくお願いいたします」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
「素敵な仲間に巡りあえて本当に良かったですわい。皆さまあの子をどうかよろしくお願いいたします」
「おいジェイド、10日ぶりだけどちっとも変わって無いな」
「あ………忙しくしてて忘れてだけど、お洋服買ってないや、まだ」
「……あはははははっ!」




