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国王・アレクセイ

『勇者』・アシナ=ジョージ

『シーフ』・アンリ

『賢者』・ミカ

『テイマー』・セシル

『バトルマスター』・ガイ

『荷物係』・ジェイド


その声に後押しされるように方々から非難の声が聞こえる。




どこで生まれた?

親の職業は?

どんな魔法が使える?

得意の戦法は?




答える度に起こる嘲笑に、しだいに俯くジェイド。





「こんな何の取り柄もない子どもを連れて行くぐらいなら、何故わたくしを連れて行って下さいませんの?勇者様!」




挙げ句そんな言葉を次々とぶつける貴族の娘たち。



その目には妬みも混じり、唯一の女性であるミカに対しても攻撃してきた。





「おい、アレクセイ。いつになったらこの見当違いの輩を止めるんだ?

たいした実力もないくせに他人の批判は一人前だな。

こんな小さな子どもにあれだけ罵倒できるような奴らだ、困窮する村での復興作業なんて出来ると思うか?

反対に村人たちを馬鹿にしてこきつかうのが見えてるぜ」



「「「勇者様……」」」




「フム……大臣、もういいか?

……ジェイド君や、すまなかったね。魔王の復活も間近ということでやらなければいけないことがたくさんあってね……

その為に君には辛い役目を負わせてしまった、本当に申し訳ない」


と深々と頭を下げる国王アレクセイ。



「アレクセイ、やめてあげて(笑)

そんな事されたらジェイドが困っちゃうだろ、そのうち気絶するぞ(笑)」



「はははっそうかそうか。ではこれより……

《チーム・アシナガ》メンバー

『勇者』・アシナ=ジョージ

『シーフ』・アンリ

『賢者』・ミカ

『テイマー』・セシル

『バトルマスター』・ガイ

『荷物係』・ジェイド

以上の6名に、魔王討伐を命ずる。

早々に各地を巡り魔物の脅威にさらされている人々の安心と生活を取り戻してほしい。

また、国として解決せねばならん事柄があれば速やかに連絡してほしい。

華々しい御触れは嫌だとのことだから、これをもって『出立の儀』とする。

どうかこの世界を、民を守ってほしい」



「「「「「「ははっ!」」」」」」





「そうだ、チーム・アシナガの面々はのちほど迎えをよこすから執務室まで来ておくれ。

それまでは部屋で寛いでおけ。執事長、部屋まで案内を頼む」






部屋に入るなり、壁に向かって三角座りをするジェイド。

そばに寄るだけでズブズブと底無し沼に沈められそうな雰囲気を醸し出すジェイドに、声をかけられず見つめていた仲間たちの横を通り、ジョージがぽふぽふと頭を叩きながら言った。



「悪かったね、ジェイド。

この……魔物が増え食糧もままならず未来に希望もないと喘ぐ国民から、自分が着飾る為豪華な食事をする為に自領の税金を際限なく上げるバカ貴族がいる。

無能なのか無関心なのか、民からの嘆願書を無視する貴族もいる。

そんな奴らの前に、9(にしてもちっこい)の君を披露したら、嫉妬や名声を欲した者や……いつも国王の前では取り繕ってた奴らが本性を顕すかも……と、国王と相談してやった。

国王は、多分ひどく罵倒されるだろうから予め君には伝えておいた方がいいんじゃないか?と言っていたんだが、あえて伝えなかった。

だってお前………」


ちろっと、涙目でジョージを見上げるジェイド。



「めっちゃ毒舌じゃん(笑)

前もって伝えてたらサ、国王の思惑を踏み越えてあのバカ貴族達の鼻をへし折ってしまうかもしれないって気がしたからサ、わざと伝えなかった」



と、胸を張るジョージに、涙もひき声をあげて笑った。




「みんな聞けよ、こいつさぁ~孤児院に物資だけ寄付して金を渡さなかった男爵に、『お金無いの?貧乏貴族なの?貧乏貴族なのに寄付してくれてありがとう!』とか、さらっと言うんだ。

男爵は顔真っ赤だし、神父さんらはポカーンだし……俺、噴き出さずに真面目な顔して話すのに、自分の太腿つねってたんだぜ!」



「「「「え~~チャレンジャー!」」」」





その後、執務室に案内してもらい国王と話をする。



「ジェイド君、さっきは悪かったね。どうしても必要なことだったとはいえ、君には辛い思いをさせた」


「いえ、いいんです。悪いのはジョージさんですから」



「そうだよジョージ!なんで前もって伝えてあげなかったんだ。可哀想じゃないか!」



「「「「ぷぷーー!」」」」


「ん?」




「いえ何でも。書類作成出来たんですね、いただいていきますね」


「あぁ、特に早急にお願いしたいのはこの星印の3件だ。1週間以内に旅立ってほしいんだが準備の方はどうだ?」


「あとは……王都内でダブって安値になってる食糧とかを目一杯買い込んだら大丈夫じゃないかな……」



「あぁっ!!」



「ん?どうしたジェイド」




「僕、この前村を襲った魔物たちを冒険者さんから預かってるんだった。

それを換金してもらってみんなに渡さなきゃ……」



「そうか、それはちょっと大変だな。全部換金するのか?冒険者によっては素材が欲しい人もいるからな。それぞれ一種類ずつは素材も渡して、あとは換金にしとけば?」


「うん、そうだね♪ちょっとややこしいけど頑張る!」



「とにかく、1日何体解体できるかギルド長にも相談しないとな」



「フム……どれぐらい持ってるんだい?」



「村を襲った魔物だけで、4103匹です、小さいのも含めて。

冒険者さんは38人だったけど、村の分を村長さんに任せて管理してもらって、全部で39等分にしてもいいかな?

ミナさんやアルさんはきっと怒らないと思うけど……」


「それ、ジェイドお前も数に入ってるの?」


「え?僕、特に何もしてないけど……」



「ナニ言っちゃってんの?君が一番やっつけてるんだよ!多分、半分以上はジェイドの防御結界にぶち当たって死んでるよ♪」



「なんとっ!」

「ぇ?」



「とにかく、ギルドに相談に行くからさ。アレクセイ、この前言ってた思い出の宝石箱ちょっと貸してくれない?」



「ウム、構わんが丁重にな!これ以上壊れたらご先祖さまに絞め殺される」



「わかったわかった。んじゃジェイド、これちょっと仕舞っといて」





城を出て貴族街を抜け、ギルドに向かって歩いている途中、ジョージに尋ねる。


「なんか国王様とジョージさん、仲良しですね。幼なじみみたいだけど、違うんですよね?」



「あぁ、俺がこの国に召喚されたのは14ヶ月ほど前だ。

あの国王は信頼できる善い人だよ。いつも自分を差し置いて国民の幸せを願っている。

はじめは、魔王やっつけちゃって♪とか言われてさ、イラッとしたんだけどね、お忍びで魔物の討伐してるところにバッタリ居合わせちまって……腰抜かすかと思ったよ(笑)

聞けば、三男坊だし継承順位も低いからって王室に内緒で冒険者登録して、こっそり城を抜け出しては魔物討伐に行ってたらしい。

なんか素性もバレてないのに、あっという間にAランクまで行ったらしいよ。

王様じゃなかったら一緒について行けたのに~~って地団駄踏んで、執事長に叱られてたよ(笑)」



「うわぁ~なんか想像できるところに残念感が漂う……」


「そら見ろ、毒舌じゃん!」







そして、今この時からギルド職員は地獄を見ることになる………(ナムナム)


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