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テーマ5 おかしい3人

 

「ちょっとステータスボードでスキルの確認してくるから待っててよ」

「私も……」

「あっ、なら私も!」


 喫茶店で話をした後、さっそく冒険階層(アドベンチャーフロア)の攻略に行こうということになり、ギルドに移動した。

 冒険階層(アドベンチャーフロア)には、ギルドにある『転移陣』から行くことができる。

 3人でステータスを確認する。

 ステータスボードは、主にギルドに設置されている。

 たまに冒険階層(アドベンチャーフロア)の方でもみかけるようだ。

 ギルドにはステータスボードが20台くらいあり、どれも仕切り板があるので横から見ることはできない。後ろから覗き見ようとしても、そういった行為はご法度らしく、できないようになっている。

 本人が許可を出せば見ることができるみたいだが……。


 ステータスボードの上にダンジョンカードを置く場所があるので、そこにダンジョンカードを置く。

 すると、下にある四角い画面に、名前や年齢、所持金など個人情報が表示され、状態異常の確認や『スキル』や『ギフト』そして『称号』を見ることができる。


 名前:ラック 15歳 状態:なし

 所持金:75843G

 スキル:【6属性魔法LV1】【武器術LV1】【体術LV1】

 称号:【武器(ウェポン)マスター】【魔法(マジック)マスター】【器用者】

 ギフト:【幸運】


 よし……特におかしな所はないな。

 3日と2日前に受けた『武器講座』と『魔法講座』で、ちゃんと戦闘系と魔法系のスキルも取れていたみたいだ。


「すごいなぁ。あの講座。こんなにたくさんスキルを取れるなんて、今度別のスキル講座も受けてみよう」


 二人も確認し終わったようで、後ろの方で僕を待っていた。


「二人ともお待たせ」

「ん……何か、良い事あった?」

「ラック。締まりのない顔になってるよ」


 どうやら、僕の顔がニヤけていたようだ。そんなに?


「うん! 前よりスキルが増えてたんだ。ちょっと嬉しくてね」

「あー、わかる! スキルが増えると嬉しいよねー!」

「ん……同意」


 やっぱり、スキルが増えると嬉しいのは、みんな同じなんだなぁ。


「ねぇラック。あんた戦闘スタイルはどんなの? 私は武器が棒で、火を使うスタイルなんだけど……」

「私は、殴る蹴る。……あと【ギフト】」


 二人とも前衛タイプなのか……だったら、僕は後衛に回った方が良さそうだな。


「後衛にするよ。僕は魔法を使えるし、弓も使えるから」


 購買で弓と矢を購入したあと、転移陣に向かった。


冒険階層(アドベンチャーフロア)に行く人は、こちらの方にダンジョンカードを置いてください」


 転移陣前の受付でそう言われたので、ダンジョンカードを置く。

 これはスーパーで買い物をするときと同じだ。

 ダンジョンカードを置くところがあり、そこに置くとお金がすぐに引かれるという仕組みになっている魔道具だ。


「はい。ラックさん。セツナさん。ナリアさんですね。ラックさんが1階層なので、1階層に転移することになりますがよろしいですか?」


 受付の人の言葉に3人で頷く。


「は〜い。では、よい冒険を!」――シュンッ――


 僕たちは、そんなに眩しくない光に包まれて転移した。


 転移した第1階層は、何もない平原だった。

 本当に、遮るものは何もない、地面も真っ平らな平原。

 でも、セツナとナリアの二人は、ここで初見殺しのトラップにかかったんだよね?


「ここが、第1階層か……。簡単そうに見えるけど、二人はなんで死んだの?」


 僕がそう言うと、セツナが指を前に向けた。


「ここ……真っ直ぐ行くと、次の階層への転移陣……」

「え? そうなんだ。でも、罠があるんだよね?」

「ん……セコイ罠」


 どんな罠なんだ?


「あ〜ちょうど嵌りそうなパーティーがいるね。普通は最短距離を進むよねー」


 豆のように小さくなったパーティーの人たちが、もうすぐ転移陣に辿り着こうとしたとき……消えた。


「え?」


 どういうこと?


「真っ直ぐ進むと、落とし穴……」

「なんで他の人たちが、少し迂回しながら行ってるのか、最初は分からなかったけど、分かれば弱い魔物が出てくるただの草原だよ」


 きっと、ダンジョン(ここ)を作った人は、性格が悪いに違いない……。

 そんな感想を抱きながら、第一層をクリアした。

 そして、僕は戦闘をいっさいしなかった。

 というよりできなかった。

 セツナとナリアが強すぎて……。

 この2人、絶対におかしい……。




読んでくださりありがとうございます。

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