表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/9

テーマ4 お金の使いすぎには気をつけましょう

サブタイトルに題名をつけました。

 

「パーティーメンバー……これで攻略できる……」

「えっ?」


 セツナさんは僕に指を向けてそう言った。

 ナリアさんも僕の方を見ている。というより、観察している。


「……こいつで大丈夫なの?」


 言われると思いました。


「大丈夫……(たぶん。それよりも、募集かけるの面倒……)」

「セツナさん……(落し物届けただけで、こんな美少女と知り合いになれるなんて……神さま! 【幸運】のギフトをありがとうございます!)」

「セツナがそう言うなら、私はそれでいいけど……(絶対に募集かけるの面倒なだけだ。まぁ、私たちは種族のこともあるから、募集かけて変な人が来るよりはいいか……)」

「ん……。それで、あなた名前は……?」

「ラックといいます。僕も近いうちに冒険階層(アドベンチャーフロア)の攻略をしようと思っていたんです。セツナさん、ナリアさん、よろしくお願いします。(ペコリ)」

「敬語はいらない……。セツナでいい、よろしく……」

「ナリアでいいよ。よろしくね! ラック!」


 二人とも手を出してきたので、僕も手を出して握手する。二人とも肌がすべすべだった。


 少し長話をすることになったので場所を移して喫茶店にきた。ここはケーキという甘い食べ物や、コーヒー、紅茶などがメニューにある。テーマダンジョン(ここ)以外では食べることはできないだろう。わからないけど……。


「それで二人とも、どこまで攻略してるの?」


 セツナは僕と同じ歳なので、ここに来たのは最近だろう。ナリアも同じ歳だそうだ。だから、そんなに攻略はできていないはずだ。


「まだ2階層……」


 セツナがそう答えたとき、初めて表情が変わった。何か、「こんなはずじゃなかったのに……」といった感じだ。1階層は攻略してるのか……。


「あはは……実は私たち、5日前に冒険者登録したばかりで、初日に挑んだんだけど……デスペナくらって所持金が半分になっちゃって、正直ナメてたわ〜」

「あれはずるい……。初見殺し……」

「まぁ、情報を集めなかった私たちが悪いんだけどね」


 渋い表情をするセツナとケラケラと笑うナリア。


「たしか、ダンジョンの情報は、冒険者から買うこともできるんだよね? 学び舎でもダンジョンのことを聞こうとしたけど、上手くはぐらかされたし……」


 ここ1週間でわかったことの一つに、『ダンジョンの情報の売買ができる』というのがある。

 実はこの()()()。ちょっと変わった不思議なことがあるのだが……やっていないのでよくわからない。


「そういえば、二人はなんで情報を買わなかったの? (二人いるのなら、情報料は割り勘できるのでそんなにかからないと思うけど……)」

「………………」


 セツナはなぜか目を瞑っている。何も言わないつもりだ……。なのでナリアのほうをみた。


「ぇ? ぁ、ぇ〜と(チラッ)」

「…………ナリアも同じだった」

「いや、そう言われるとそうだけど、私はあそこまで使わなかったよ……」


 何があったんだろうか……聞かない方が良かったのか? でも二人が散財した理由……知りたい。テーマダンジョン(ここ)は散財した人でも、生きていけるようにちゃんと救済措置がある。どういう理由なんだ?


「…………私もナリアも、ゲームで散財した……」


 はい? ゲーム? しかもセツナ……ナリアの部分を少し強めに言わなかった?


「どういうこと?」


 話が全くよめないんだけど……。


「実は私たち、ちょっと事情があって、3年前から孤児学校にいたんだよね」

「へぇ〜。じゃあ、二人ともこのダンジョンができてからいるんだ」

「ん……(コクン)」

「それで、5日前に二人とも成人になったから、卒業祝いで1万Gもらって、街に出たんだけど……」

「……珍しいもの、たくさんあった。その中で、ゲームセンターに寄って、遊んだら……」

「装備品は買えたけど、情報料を取っておくの忘れてね。まぁ、情報が買えるって知ったのも、そのあとだったんだけどねー」


 それで、そのあと試しに冒険階層(アドベンチャーフロア)の攻略をしようとしたら、初見殺しの罠にかかって、さらに所持金が減ったらしい……これから先、大丈夫だよね?



○おまけ○


「二人とも、ゲーセンでなんのゲームやったの?」

「……UFOキャッチャー。ぬいぐるみが欲しかった。4000G使ったのに、取れなかった……」

「そ、そうなんだ……(200Gで取ったことあるって言いづらくなっちゃった)」


「私はメダルゲーム。2000G分のメダル買ったけど、全部使っちゃったんだよねー!」

「そ、そうなんだ……(ゲーセンのメダル記録に1万枚あるって言いづらくなっちゃった)」




読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ