プロローグ
よろしくお願いします。
「ぉぉおおお……! ここが、中央ダンジョン!」
僕は目の前にそびえ立つ、頂上が見えない立派な塔を見て感嘆の声を上げた。
その塔には入り口が7つあるらしい。
そして、入り口の近くでは、何やら手続きをしていて列が作られている。
僕もその列に並ぶ。
そして、後ろには僕がくぐってきた門――『赤くて丸い形の大きな2つの柱、上には丸い形の長い柱と短い柱がついていて、巻かれた太い縄が結ばれ、縄の真ん中には文字が書いてある何かの紙が貼ってある』――がある。
門は7つ。
塔を囲むように一定の間隔で建っているようだ。
ここは中央ダンジョン――またの名を『テーマダンジョン』
なぜ『テーマダンジョン』と呼ばれているのか?
それは行けばわかると言われた。
なぜ中央ダンジョンなのか?
それはこのダンジョンが大陸のど真ん中にあり、各種族の国に囲まれているから。
人の国、獣人の国、魔族の国、ドワーフの国、エルフの国、海人の国、竜人の国がある。
何百年も前という昔に、この7ヶ国が同時に戦争を開始して、中央にあるこの地域は、空気がよどみ、大地が死んでしまったのだ。
なぜそんな場所に来て平気でいられるのか……それは『結界』の中だからだそうだ。
数年前、ここにダンジョンができた。
正確には、7ヶ国の至る所に、順番に少しずつ門が出現して、このダンジョンに案内された……らしい。
なぜここにダンジョンができたのか?
それはわからないそうだ。
でも、このダンジョンの中は、面白く、楽しいと親切な冒険者の人が言っていた。
稼ぎ方も独特なんだと……
そして、このダンジョンでは種族や身分は関係なく、誘拐や強姦などの犯罪も起こらない。
犯罪が起こってもダンジョンが対応してくれると不思議なことを言っていた。
だから安心して住むことができるとも言っていた。
実際に入らないとよくわからないとも言っていた。
どんなダンジョンなのか楽しみだ!
そして、この世界では15歳の成人を迎えると神様から【ギフト】という、スキルとは違う能力がもらえる。
僕の名前は『ラック』
もらった【ギフト】は『幸運』
読んでくださりありがとうございます。