Day 0
ルールばっかでつまらないけど
読んでほしい
次から頑張る
『おはようございます』
突如アナウンスと共に光が降り注ぐ
強制的に意識を覚醒させられる
眠りは深い方なので普段呼びかけ程度では起きたりはしないのだが、光には滅法弱い。起きざる負えない
目蓋を貫通して網膜を焼きつくような刺激を受けてゆっくりと目を開く
天井が見える
当たり前だ。目が覚めて野外だった経験の方が少ない
問題なのはこの天井に全く見覚えが無いことである
この事態に残っていた眠気は急速に覚め行く
腹筋を使い上半身を起こして状況の把握に努める
十畳ほどの部屋で、壁には窓は無く、ドアが1つ、気の利かない事に絵画の1つもない。家具らしき物は今現在下半身を投げ出しているベッド、部屋の中央に位置するダイニングテーブルと椅子一脚、部屋の隅のロッカー、とにかく家具以外何も無い。
そして何より驚かされたのは壁も床もシーツでさえも全てが真っ白に統一されている事だ。十畳は一人暮らしにしては広すぎるし、気が狂う事は間違い無さそうだ
次に何故この場所で寝ていたかだ
予想としては…
『起きられたようですね
ただいまの時刻は午前11時20分
予定より20分の遅れでございます』
うっせーな
考えまとめてんだろうが
てか、おはようの時間でもねーよ
再びアナウンスが響く。どうやら天井のスピーカーから聞こえるようだ
音量が絶妙に五月蝿い
というか監視されているのか?カメラは無さそうに見えるが
『今回のゲームについての説明書が机の引き出しにございます
朝のミーティング前にお読みください』
なるほど、そこに答えがあったらしい
すまんな
…ん?ゲーム?
ベットから降り部屋の中央に位置するダイニングテーブルに向かう
ダイニングテーブルの正面に立ち…というかダイニングテーブルの正面ってどこなんだろうか、そもそもあるのか?
まあともかく引き出しを開けた
そこにはこの部屋と相対するが如く真っ赤な冊子が1つ存在していた
赤い冊子の表紙には「game of crimimal」と白文字で何の飾り気もなく印刷されているだけである
直訳すると犯罪者のゲーム?
…すっごいヤバそうな感じする
すごく中二的な感じするのに実際に人を拉致しちゃう所とかもう色んな意味でヤバイ。ヤバイ通り越して軽く痛いよ
というか連れ出せるなんて相当な力のある組織だな
そんな事を思いながら1ページ目を開き読み込む
1、このゲームは七人で七日間閉鎖的な空間で過ごして頂くゲームです
本日の正午から開始し、七日後の正午に終了します
ゲーム間の衣食住は保証します
外部との連絡は取れません
2、ゲームの参加者はゲームの終了時に7000万円を山分けする権利があります
またゲーム中に権利を放棄することもできます
ゲーム中に権利を放棄すると7000万円は、残りの権利を有する方々で山分けになります
ゲームの途中でこの権利を有する者が一人になった場合はその時点で終了になります
3、このゲームの参加者には参加者自身の咎にちなんだアイテムが支給されます
アイテムはロッカーにあります
消費したり破損した場合は新しい物を支給します
24時間の中で1度使用することができ、正午にリセットされ再び使用が可能になります
本日の正午から使用が可能です
なるほどヤバイ奴や
ヤバイって、絶対ヤバイって、どっかで聞いたことある設定だもん
絶対殺し合いになりますやん。映画で見たことありますやん
冊子には次のページがあった
4、プレイにするにあたって規定の服装がロッカーの中にあります
その服装なしに外に出歩くことはできません
また1度着るとシャワールームの脱衣場以外での着脱が不可能になります。シャワールームに向かう際は忘れずに着替えの服を持ってください
読み途中ではあったが顔を上げ、冊子を片手にクローゼットを開く
第一声は「うわぁ」である
赤いツナギがずらっと掛かっていた
なんと珍しい事に手袋、ブーツが一体型である。見たことねぇよ。なんだよこれ
加えて覆面マスクまである。もちろん赤の
これが規定の服装なのか?全身真っ赤!になるやんけ
正気とは思えない
4(続)、貴方に与えられた色は「赤」です
ゲームに影響を与える恐れがあるのでゲーム中は本名を名乗らず、自らの色で自称してください
自分の他のプレイヤーを呼ぶ際もその方の色で呼んでください
絶対に本名を名乗らないでください
「俺は赤です」ってか?
これも大分変だが他の奴も全身単色なのか?
ゴレンジャーかよ。いや七人だけどさ
5、副賞としましてゲーム終了時に賞金を受け取る権利を有している全プレイヤーの刑期を帳消しとし、即刻釈放されます
また前科も取り消します
えーっと?
思ったよりヤバイ組織が関わってる事は確かそうだな
じゃあとりあえず黒の組織と呼ぶか
俺は窃盗罪で刑務所入ってたけど、書いてあることからすればプレイヤー全員犯罪者なのだろうか?
だとすればプレイヤーからしたら副賞は魅力的なものだろう。この国において前科の足枷は重すぎる。技術も学もない俺みたいな犯罪者のからすれば特にだ
黒の組織は政府機関に関われる程のデカイ組織なのか、もしくは刑務所からの誘拐を易々とこなす様なやり手の集団なのだろう。どちらにせよそんな奴ら相手にここから逃げられはしないだろう。受け入れざるを得ない
だが殺し合いを受け入れるわけじゃない。普通に負けるだろうし
というかそもそも他のプレイヤーは殺しに来るのだろうか?
よく考えれば皆で七日過ごして皆で1000万獲得で終わる確率の方が高いと思う。こんな非現実的な状況が不安を煽っているだけだ、きっとそうだ
だが1000万円は多すぎるわけではない。大金であることには変わりはないが贅沢せずとも数年も暮らせば底がつく。もし、金銭的に困窮している人間がいたら殺し合いになるのかもしれない
…やめだ、考えたってわかりはしない
思考を放棄したので3番のルールに目がいく
眼前一杯に広がる赤に気をとられていたが、足下を見れば引き出しが二つある小さな収納ケースが収まっていた
上から一段目の引き出しには赤色のカードキーが入っていた。これには説明書が付いていた。
・お部屋の鍵です。肌身離さず所持していてください。
制限はありません。何度でも使えます
ニ段目の引き出しにも赤いカードキーが入っていたがこちらは深い赤で、少し光沢が強く高級感があった。また説明書があった
・貴方に与えられたアイテムである「マスターキー」です
名の通り全てのドアを開閉できます。ゲーム外に繋がるドアは開けることができません
一度使用すると次の日の正午を迎えるまで使用が不可になります
なるほどね。ますます殺し合いなったら勝てる気がしない
皆、協力、大事
七日何事もなく過ごせますよーに