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最強魔導師だって嫉妬する  作者: rainydevil
学園編
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入学式とエネルギー

「おはよう、今日は魔法学園の入学式だから早く朝食にしましょう? 」

「おはようございます母さん、父さん」


入学式にはもってこいな晴天の朝、いい歳をして興奮のあまり早起をする自分が少し恥ずかしい。


今日から学園に入って、強くてニューゲームするのだ、オラワクワクすっぞ。


「おはようエディ、今日の入学式の後実力試験があるが、やり過ぎないでくれよ? 」

父さんは苦笑しながら言うが、正直凄い魔法を見せてチヤホヤされたい。欲を言えば美少女に。


「おはようございます母さん父さん、分かっていますよ学園を壊さない程度でしょう? 」

割と本気で言ったのだが2人は申し訳なさそうな顔で続ける。


「んー、あまりすごい魔法を見せびらかすとみんながエディに魔法を教わりにくるわよ? 」

「本来魔導師に魔法の研究を聞くのはよろしくないとされているが、エディの魔法は誰も見たことがないからね……」


なるほど、原理を知り魔力さえあれば誰でも同じ魔法を使える世界だ、自分の魔法について教えたがる人が居るわけがない。だからこの世界の科学は一向に進歩しない訳だ。


もちろん僕だって誰にも教えるつもりはないけれど


水素爆発もそうだが知ってしまえばそれこそ赤子でも起こせる、何とも危険な世界、人類は進歩しないことをお勧めする。


「分かりました、ではあまり目立たない魔法にしますね‼︎ 」


勿論目立たないと自重するは意味が違う、はず、知らんけど。







僕が転生した世界にある大陸の最南端に、ゾンネ王国という国がある。

その国の王都にあるビオス魔法学園、そこで僕は入学式に座る席を探していた。


根が小心者である僕は日本人学生の例に漏れず最後尾の席に座ったのだが、そんな事はいざ知らず入学の興奮に耐えられない新入生達は我先へと前列に座りに行く。



そんな中、2人の男子学生が隣に座った。

1人は僕達の年齢なら大きい部類の160㎝ほどの身長に赤茶色の髪を持ち、生意気そうな目をした男子学生、もう1人は155㎝くらいだろうか薄い金髪をした爽やかなイケメン男子学生だ、爆発してほしい。


「お前は前に行かないのか? 」

「前に行ったら何かいいことがあるのか? 」

実を言うと、前世の入学式で寝てしまったことがある。自己紹介すらしていない先生に怒られた。


「変な奴だなぁ……まぁいいや俺はアラトこっちがリョウだ、よろしくな」

「リョウです、よろしくお願いします、……ところでなぜ男子の制服をきてるんですか? 」


男だからだよ、二人揃って失礼な奴らだなぁ。



「僕はエディルトス、これでも男なんだけど……ほらっ」

そう言ってビローンと自分のシャツを捲りあげる。

「おぉっ⁉︎」

「ちょっ! ちょっとやめてくださいよっ!! 早くしまって下さいっ!! 」

リョウは少し頬を赤らめて頭を下げる、しかし目は信じられない生き物を見る目だ。

アラトは鼻息を荒くしてフンフン言っている、キモい。


しかし僕の軽率な行動によって注目を浴びてしまった、視線に耐えられなくなった僕達三人はすごすごと端っこで縮まる。



母の強い要望により肩まで伸ばした青銀の髪を眉で切り揃え、細身で140程しかない自分の姿は、我ながら男装の美少女にしか見えない、たまに鏡に映る自分にときめくのはきっと自然なことだ、病気じゃない。


アラト君は案外正常なのかもしれない。


「それにしてもアラトとリョウはなぜここに? 」

「俺たちは平民の出だからな、前列は貴族が多くて入りにくいんだよなぁ」


学園といっても金はかかるし、魔導師になろうというのは貴族の息子などが多い事もあり平民の生徒は例年少ないそうだ。


「僕達2人は王都の城下町に住んでいて、どうにも魔力が多いようでこの学園に推薦されたというわけです」

「魔導師なんてなれるものなりなりたいもんだしな」


魔法があるからには魔物がいるこの世界、魔導師はある程度の地位と名誉が保証される憧れの職業のようだ。因みに僕は魔導師に成りたい訳ではない、何となく親の期待に乗っているだけだ。








いつの間にか入学式は終わっていた。口から溢れる涎を服の袖で拭く、内容はあまり覚えていない。

となりのリョウは何か言いたそうな顔をしていたがとりあえず無視しておいた。



入学式の後、父さんが言ったように実力試験が行われる、これはあくまで現在の実力を測るもので、テストではないのだが新入生達は必死に指定された金属人形のような的に魔法をぶつけている。


「流石に貴族はすごいな、もうあんなでかいファイアーボールを打ってやがる」


前を見ると顔を真っ赤にし息を切らした少年を周りの生徒や教師達が拍手で賞賛してた。


「アラトはどのくらい魔法を使えるんだよ」

「まだまだ全然だよ、この間まで魔法なんて日常生活でしか使わなかったし」

「ふーん……因みに凄いやつでどのくらいの魔力を持ってるんだ? 」

「俺たちと同じ歳でならさっきのやつとかならもう普通の大人の二倍近いな」

「……二倍であの程度なのか? 」

「あの程度ってお前、今のは正規の魔導師レベルの一発だったぞ」





今、僕の魔力は普通の大人より少し多いくらいだ。


てことはさっきの子は僕より二倍努力してたのか……


薄々は気づいてはいた、魔力は時間によって回復する。実際は魔力を夜に使ったら朝にはほとんど回復していた、でもその日の朝から魔法を使おうという気にはなれなかった。


単純にしんどい、魔力を使い切るのは筋トレと同じくらいの労力がいるからだ、だがさっきの学生はそれを続けていたのだろう。



……また【そこそこの】人生になる



そんな危機感を感じていると僕の番がきた。

両親には目立たないとは言ったがさっきの不安が消えてくれない。


僕の方が優秀に決まってる、差を見せつけてやる


むしろ目立つくらいにしてやろう。

「次、エディルトス君、あの的に今1番得意な魔法を打ち込んでみなさい」





まず空気中の含まれる水分子を集め無数の氷塊へと変化させる。

全ての物質は分子という極小さな粒によって構成されていて、その分子が隙間無く集まったものが個体(この場合は氷)である。

さらに氷塊の重力を操り宙に浮かせ、エネルギーを与える。


エネルギー(E)とは基本点にE=1/2mv^2+mghである。mは物体の質量、vは物体の速度、gは物体にかかる重力加速度、hとは物体の高さ、だ。


あるアニメでエネルギーはE=mc^2とか叫んでた人がいるが、そんなわけなかろう、石コロが核爆発する。


つまり、重たい氷塊を高い所から何十倍もの重力加速度をかけて物凄いスピードで打ち込めば爆発的なエネルギーを生み出す。





魔法でこれらの操作を行った後、地球のテレビで見たマシンガンを思い出しながらこれらの氷塊を金属人形に打ち込む。

衝撃と破裂音共に、火の玉を受けてもビクともしなかった人形はあっという間に蜂の巣になった。

物理学的には説明したいことはもっとあるのですが全部していると物理の授業になってしまうのでふーんくらいに読み飛ばして下さい。

もし違うだろってところがあれば突っ込んで下さいm(__)m

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