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最強魔導師だって嫉妬する  作者: rainydevil
学園編
3/69

魔法、使ってみました

〔魔法とは、命あるものを除く全ての物に命令する力である〕


らしい。

つまり紙にむかって燃えろ と命令する過程の事を、魔法という。


〔魔法の可能性は無限大であり実現出来ないことはないとまで言われている〕

〔だが魔法を使うのには命令通りに事を起こすための理由を知る必要があり、これはまだまだ分かっていない事が多々ある〕


正直がっかりだ、炎を出ろと念じて火が出るわけではないらしい。

せっかくの転生なのだからそれくらいのファンタジーも許容して欲しかった。


無い物は仕方ない、この世界に魔法なる超常現象があるのにも関わらず物理法則にも従っていることを僕は知ってる。


要するに道端の石ころに魔法で飛べ、と命令しても石ころが飛ぶ理由を知らなければ飛ばないわけだ、しかし石ころにむかって重力を0になれと命令すれば石ころは宙に浮く、つまり魔法が応用できるのは知っていることだけ。

さらに魔法でも基本点に物の大きさを変える事は出来ないようだ、例えば何かを巨大化させたりする事は不可能だ。


だがこの世界の住人は魔法があるだけにとりあえず命令で何とかなっているようだ。




例えば……


日課となった魔導書の愛読に勤しんでいると母であるエメリアが話しかけてきた。

「本当にかわいいわぁ、流石は私の子供よ。それにこの歳で本を読むなんてこれからが楽しみよ」

「ぁぅー(わーい)」


実のところ僕は1歳の頃から母や父の言葉に反応して言葉は話せないが相槌で返していた。

もちろん天才と呼ばれたいがためにだ、自重などするつもりもないし理由もない。

凡人だからこそ天才に憧れて、真似事をする。


「エディは魔法が使いたいの?」

「ぁい‼︎(はい‼︎)」

3歳児の即答に驚いたような母さんだったがそこは自分の子供だ、何をしてもかわいいのだろう。


「魔法はね、こうなれーってお願いする力なの」

そう言い母さんは手の平を上に向けて『燃えろ』と言った。


「炎はすっごく熱いの、だから手の平の上を熱くなれーってお願いしたら火がでるのよ」

3歳児にするには無茶な話であり、しかも間違った知識であるが何と無くにはわかった。


母さんは手の上の空間(空気)に熱くなれと命じ発火点まで引き上げたのだ。


(にしても何もないところが燃えたぞ……)

(火は一に燃える物、二に酸素、三に高温 が無ければ出ないはずだ……)

(……そうか、母さんは空気中の何かの気体を燃やしたんだ! )



ちなみに空気の構成気体は70%が窒素20%が酸素残りが二酸化炭素や諸々である。

もちろん窒素は燃えない気体だ、もし70%を占める気体が燃えたらタバコをつけた瞬間大爆発だ、そして酸素はあくまで燃やすための気体であり燃える物自体ではない、二酸化炭素は言わずもがな。

(となれば母さんが燃やしたのは空気中のほんの数%の何かの気体なのか)


まるで博士のように自慢気に語っているがこんな事は日本人なら小学生でも知っている、しかしそれが当たり前のこの世界では空気などという概念すらない、そうゆうものと考えられている。


(じゃあ水素を燃やせばいいんだ‼︎ )

調子に乗って手を伸ばして突き出す。


突然の事に驚いた母さんだったが息子が魔法を使おうとしている事を察したようだ。


「ぁぃ(えい)」

そう言いながら手の先に水素を集め燃えろと命じてみた。




轟音と共に自室の半分が吹き飛ぶ光景を見ながら僕は意識を手放した。

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