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最強魔導師だって嫉妬する  作者: rainydevil
学園編
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没個性な人生の最期

はじめまして、レイニーと申します。

ある方の後押しで投稿しようと決めました

物語を書く事自体人生初といって過言ではないので見るに堪えないかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。

また一年無駄になった。今日はセンター試験の2日目。


息を吐くと白い霧になって上っていった、今年で19歳大学受験浪人生である岡町真也こと僕は帰宅途中の公園のベンチに座って両親と自分への言い訳を探していた。


ベンチ横の自販機で暖かい缶コーヒーを買い少しでも家に帰る時間を先伸ばす。ちなみにカッコつけてコーヒーを買ったけれども普段の僕は炭酸ジュースばかり飲むお子様である。


家に帰れば家族が僕の帰りを心待ちにしているのだろう、家族の失望した顔はもう見たくない。

今年で3度目のセンター試験だ、自己採点なんてしなくても成績が振るわなかった事は分かってる。


『不合格』文字にすればたった三文字だが、言うならばこの三文字がこの一年の僕への通知表。


「この1年、死ぬ気で努力したのか? 」と訊かれたら頷くことは躊躇ってしまうだろう。

それでも頑張ったんだ、自分なりにやったつもりなんだ。


そんな言い訳は本気で努力した人間からしたらくだらないと思うのだろう。

実際僕もくだらないと思う、あの時もあの時も今振り返れば自分の甘さが思い出せる。

でも出来ないんだからしょうがないだろ……

そんな自己弁護ばかりの自分に涙が出る。


確かに成績は悪くない、自分の下には大勢いる、だが自分の上にもまた大勢の人間がいて僕は誰にも認められない。

これまでの人生何一つ誇れる物がない。


大抵の事はできた、顔も悪くない、頭も悪くない、彼女だっていたことはあった。だが何も極める事は出来なかったし顔が特別良い訳でもなかった、難関大学にも落ちたし彼女とも続かなかった。


僕は特別な人間になりたかった、だからいろんな物に手を出してみた。スポーツも勉強も、楽器やゲームなどの娯楽まで高校生くらいの男子が興味を惹かれるものは何でも手にとった。

何か1つでも自分にしかできないものが欲しかった。

スポーツで、勉強で、音楽で、遊びでさえ、賞賛する人の目が自分に向いたことはなかったからだ。



この世界で自分が消えても誰も気付かないような気がして堪らなく苦しくなる。

大人達はよくある思春期の悩みだと鼻で笑うかもしれないが自分に折り合いをつけるのがまだできない僕にとっては笑えない。


「もういいや、普通の人間でいい」

そう言って立ち上がった。






目の前が真っ暗になった、いや決してポ○モンに負けたわけじゃない、立ち上がった瞬間トラックの運転主と目があった、閉じていたけれど。

何故公園にトラック? と思ったがそうゆうものらしい、現実逃避をしているがただただ怖い、受験勉強に嫌気がさして死にたいと口にした事があったが、今なら全力で撤回したい。


こんな、こんなくだらない人生で終わりたくない。


そして特別になりたかった僕は特別な死に方をした。



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