表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/33

兎狩り? 柚樹目線

兎狩りです。

僕はさっき出ていったうさちゃんを追いかけて食堂を出た。

どっちに行ったか解らないうさちゃんを運よく見付けられたのはうさちゃんが世間一般で言うところの可愛い顔の女にからまれていたからだ。


「いい加減にしてくれ!君とはお見合いなんてしない!」

「私は雪様とゆっくりお話ししたいのです。」


からまれているって言葉が一番しっくり来る。

少しだけ安心して僕はうさちゃんに話しかけた。


「うさちゃん!ひよちゃんに浮気してるって言っちゃうぞ!」


物凄い勢いで睨まれた。

これならひよちゃんは大丈夫だろう。


「冗談だよ!睨まないでよ~!」

「なんだ?柚樹。」

「うさちゃんにアプローチしてる女が居るって噂に聞いて見に来たんだよ!」


うさちゃんの物凄く嫌そうな顔に思わず笑ってしまう。


「なかなか可愛いじゃん!」

「お前にやる!」


うさちゃんはため息混じりにそう言った。

女は小さく首をかしげると言った。


「塚田柚樹様ですよね。はじめまして!私は川嶋百合子と申します!よろしくお願いいたします!」

「よろしくしないから自己紹介とか要らないよ!ところで………そろそろ空気よんでくれないかな?うさちゃんと大事な話があるんだよ!」


女はクスクスと笑い言った。


「基本、空気のよめない貴方が私に空気をよめだなんて!」


僕は女に笑顔を向けた。


「君、面白いね!もう、二度と会話したくないよ!」

「まあ、自分では空気がよめる気でいるの?」


馬鹿な女だ。

ひよちゃんはなんでこんな女に怯えているんだろう?

僕の大嫌いな空気のよめない馬鹿女じゃないか?

こんなのに比べたらひよちゃんは女神のようじゃないか?

うさちゃんがこんなの好きになるわけないじゃないか!


「うっざ!うさちゃん………僕の話聞かないと後悔するよ。」

「雪様!柚樹様に時間を作るのなら私に時間をください!」


うさちゃんは眉間にシワを寄せた。


「うさちゃんの大事なものを僕は全力で奪っても良いんだよ。」

「………前に言ったよな?俺のものに手を出したらお前の大事なものを全て奪うって。」

「あげるよ!全部。うさちゃんの大事なものが手に入れば1からやり直すのなんて簡単だ。うさちゃん!僕だけじゃない!みかん兄さんも麗姉さんも協力してくれる。大事にしないなら、僕がうさちゃんの手のとどかない場所に連れていくだけだ。本気だよ!」

「柚樹。」

「うさちゃん!僕は基本的にうさちゃんには逆らわない!でもね、大事にしないなら僕が大事にする。意味解るよね?」


うさちゃんの目が大きく見開かれた。

僕は笑顔で言った。


「うさちゃん。僕は本気だよ。勿論僕自身は大事にしてあげるにも限界があるから大事にしてくれる人を別に探すようになるけどね。危機感もってよね!今うさちゃんは断崖絶壁の上に立ってるんだから。」


僕はそのままうさちゃんに背を向けた。

そして、笑顔を消して低くドスのきいた声で言った。


「城井雪兎。僕を失望させるな。」


それだけ言い残して僕はその場を後にした。




食堂に帰る途中で未来ちゃんが待って居るのが見えて苦笑いが浮かんだ。


「もしかして聞いちゃった?」

「………うん。ごめん。」

「良いけど!」


未来ちゃん気まずそうに僕から視線をそらした。


「僕さ、うさちゃんの事大好きなんだよ。だからかな?強く言えなかった。」

「そうか?格好良かったぞ。」

「かな?」


未来ちゃんはいたずらっ子見たいな笑顔を作ると言った。


「柚樹は空気よめないんじゃなくて、あえてよまないのに解ってないよな!あの女!」


未来ちゃんのその言葉になぜだかホッとしてしまう。


「未来ちゃん。大好き。」


僕は本当の気持ちを声に出した。


「うっさい!バーカ!」


未来ちゃんは少しだけ照れたみたいに顔を赤らめている。

可愛い反応に抱き締めたくなる。

でも、なんだかいつもみたいなノリで抱き付く気にはなれなくて苦笑いしてしまった。

そしたら、未来ちゃんが少しムッとした顔をして僕に近づくと僕を抱き締めてくれて心臓がドキッとはねた。


「み、未来ちゃん?」

「寂しそうな顔しやがって!バーカ!」


小さな体で僕の胸元にしがみついている未来ちゃんの耳が真っ赤で泣きそうなくらい嬉しかった。

僕は未来ちゃんを抱き締め返して未来ちゃんの肩におでこをのせて言った。


「好きすぎて心臓止まりそうなんだけど?」

「だ、黙ってろ!」


未来ちゃんの優しさに甘えてしまう。

未来ちゃんがこんなふうに僕に優しくしてくれるのはひよちゃんのお陰もかなりあるんだって知ってる。

だから、ひよちゃんには誰よりも幸せになってほしい!

ひよちゃんの幸せはうさちゃんが居ないと成り立たないでしょ。

そのためなら、うさちゃんに睨まれても大丈夫!全て失っても良いかなって思えちゃったんだ。

結局、未来ちゃんにハグしてもらっちゃったから全部どうでも良くなっちゃった!って言ったら怒られちゃうかな?

僕はそんなことを思いながら未来ちゃんを抱き締める手に力をこめたのだった。



兎狩り?かな?

違うかな?

ごめんなさい。


柚樹君はうさちゃん大好きだから、狩りきれない気がします。


未来ちゃんと柚君をイチャイチャさせてみました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ