写メ 雪兎目線
雪兎さん目線だよ!
俺は今イライラしている。
それを悟られないように太陽の影に隠れていたつもりだ。
「雪様は甘い物は好きですか?私クッキーを焼いてきました!」
「太陽、食べるか?」
「この状況で食べる~って言うと思ってんのか?」
頭の沸いたこの女に付きまとわれてからと言うもの日和に一瞬も会えてない。
会いたい。
会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい!
数年会わない時があった。
だが今はすぐに会える距離に居るはずなんだ!
学校に来れば会えるはずなのに!
この女と一緒に居る所なんて見られたくない!
浮気なんかしてないのにしてる気分に消えてしまいたくなる。
最近は日和との距離が縮まってきているって思えたのに………
夢だったのか?
日和の誕生日のデートは楽しかった。
無防備な日和が可愛くて好きだと言ってしまいたかった。
言わなかったのは、日和にとっては俺はただの兄の一人でしかなかったら?って最悪が頭をよぎったから。
意気地無しの臆病者な自分に嫌気がさす。
逃げだと解っていたが日和の横にいられるんだから焦るなって言い聞かせた。
こんな事なら俺の一方通行の気持ちだけでも伝えておけば良かった!
そしたら、この罪悪感も少しは薄れたかも知れない。
「雪様は利益を出すのがお好きなんですよね?私が調べた資料は役に立つか解らないですがこれをどうぞ!」
女が渡してきた資料に目を通してため息を付きたくなった。
この程度なら俺の雇ってる探偵とさほど変わらない。
日和なら俺が本当に求めている資料をくれるに違いないんだ。
どんなことをされても日和と比べて日和に会いたくなるんだ。
そんな中、視界の端に携帯を見ている三木谷が見えた。
また、彼女の秋ちゃんのメールでも見てニヤニヤしてるに違いない。
………とりあえず俺は三木谷の背後に回り膝カックンをくらわした。
三木谷は綺麗にどけ座の体制に………
「悪い………思った以上の衝撃だったな!」
俺は三木谷の手から落ちて遠くに転がった携帯をとってやった。
そして、画面を見てフリーズしてしまった。
そこに写っていたのは日和と思われる人物がアニメのバトルスーツのようなものを着てポーズをとっている画像だった。
「シロ君ビックリしたよ!」
俺も驚いて居る。
「三木谷、これ………」
「ああ、クオリティ高いだろ!俺の彼女の友達でヒヨリン。昨日俺家に来てて悪魔と秋に着せ替え人形にされててあまりのクオリティの高さに写メ撮らせてもらったんだ。」
「よし、殴らせろ!」
俺の言葉に三木谷の顔色が青くなったのが解る。
「おい雪!どうした?雪が目に見えてキレるとか珍しいだろ?」
少し離れた所に居た太陽が俺達の方に来た。
俺は手に持っていた三木谷の携帯を太陽に渡した。
「なっ!これ、ひよ?」
「秋ちゃんがヒヨリンって言ってたみたいだから、日和だ。」
太陽の目付きが鋭くなったのが誰の目から見ても明らかだった!
「あれ?俺、今日中に死ぬフラグ?」
「ミッキーは俺の大事な妹になんて格好させてくれてんのかな?」
「い、妹?ヒヨリンが?でも、その格好させたのは俺じゃないよ!秋とうちの悪魔………うちの姉がやった事だよ!ヒヨリンも楽しそうだったよ!俺はクオリティの高さに写メ撮らせてもらっただけだから!」
俺と太陽に睨まれ三木谷は泣きそうだ!
「………とりあえず、俺と雪の携帯にも転送してくれ!」
「太陽………」
「俺は、俺の携帯だけでも良いけど?」
「いや、いるけど………」
太陽は勝ち誇ったようにニヤリと笑った。
「………また、家にヒヨリン来たら写メ二人に送れば怒らない?」
「「………許す!」」
俺と太陽がハモると三木谷は安心したように息を吐いた!
そして、笑顔で俺達の携帯に画像を添付してよこした。
数枚の写メ!
最後の衣装の露出の高さに俺と太陽は三木谷の首をしめたが仕方ないと思う。
三木谷先輩とばっちり!
秋ちゃんに気をとられてて生徒会長とヒヨリンの兄妹話しに気づかなかったみたいですね!
御愁傷様です。




