麗ちゃん
誕生日は本当に幸せだった。
そのお陰で頑張れる!って本気で思った。
いや、思ったけど………
今、目の前には2年の金持ち組のお姉様と3年の金持ち組のお姉様が勢揃いです!
いっぱい居ると流石に怖いです。
私が持っている情報から言って2~3人以外皆居るみたいだ。
「生徒会長様もなぜこんな子が良いのかしら?」
「髪の毛がふわふわで触り心地が良いっていってましたわ。」
「笑顔が可愛いんですって。」
兄?何でそんなことを言った?
兄馬鹿だと思っていたがサブいよ。
私が兄に引いていると、私が上の空だと気がついたのかお姉様の一人に髪の毛を捕まれた!
痛いって思った次に目に入ったのは彼女の手に握られたハサミだった。
「?まさか?」
私の言葉に彼女は笑顔を作った。
髪の毛なんて切られたら兄にバレる!
雪兔さんが長い髪の毛が好きだって知ってる兄が私が告白してフラれた訳じゃないのに髪の毛を切るなんて考えるわけがない!
まずい。
私は頭の中で髪の毛を切ろうとする彼女の個人情報をまとめあげ、口を開こうとした。
「貴女達何をしているの?」
その声に私を囲んでいた人達が声の主の方を向き、そして2つに別れるようにして道を作り上げた。
「彼女は私の大切なお友達なの、事と次第によっては私は貴女達を許しませんよ。」
声の主は麗様だった。
私の髪の毛を掴んでいたお姉様は急いでその手をはなした。
麗様は私に向かってニコっと笑うと言った。
「日和ちゃん?どうか、この人達を許してもらえないかしら?勿論私がちゃんと次が無いようにするから。駄目かしら?」
麗様は少し困った顔でそう言った。
「麗ちゃんがそう言うなら。」
私が麗様をちゃん付けしたことで、回りのお姉様達がぎょっとした顔をした。
「あっ、ここであった事を誰にも話さないって約束して欲しいのですが、駄目ですか?」
私の言葉にお姉様達の眉間にシワが寄る。
「解ってるわ。それとこの中に居ない子達は黒幕だったから、私が話をしておいたわ!日和ちゃんの探している人は上のクラスには居ないと思うのだけど。」
「流石麗ちゃん!時間が省けて助かるよ!」
「日和ちゃんに誉められちゃった。嬉しい。」
麗ちゃん可愛いな~!
「みかちゃんなんかやめて、たいちゃんと付き合ってよ。」
「ごめんね!私は帝様が全てだから。………帝様をみかちゃんって呼べるのも日和ちゃんぐらいよね。」
「麗ちゃんの知らない方が幸せな事もあるんだよ!安心して、みかちゃんは麗ちゃん以外の女は興味ないから。」
「………本当?」
「うん。それだけは自信もって言える。」
嬉しそうな顔をする麗ちゃんには悪いが、みかちゃんに麗ちゃんの情報を横流ししているのは私です。
みかちゃんは私には逆らえません。
なぜなら、麗ちゃんが聞いたら引くんじゃないかって思う情報を横流ししているからだ。
私と麗ちゃんが話している横で、私の髪の毛を切ろうとしたお姉様が口を開いた。
「麗様はどうしてその子を守ろうとするんですか?」
麗ちゃんは爽やかな笑顔を彼女に向けた。
「私は日和ちゃんだけを守ったつもりは無いの!日和ちゃんの髪の毛を切らなくて良かったわね。もし切っていたら、生徒会長の家と副会長の家と私に柚君帝様極めつけに日和ちゃんから目をつけられてしまうのよ。」
「?」
「私だって日和ちゃんを怒らせようなんて馬鹿なこと考えないわ!親の会社潰されたくなかったら日和ちゃんには手を出さない方が良いんじゃないかしら?」
「麗ちゃん私、そんなことしないよ!」
「嘘。やるでしょ?簡単に潰せるんだから。」
私は少し考えて言った。
「出来るからしないんだよ。親は関係無いでしょ?それに髪の毛切ってくれれば最大の弱味が握れt……げふんげふん。」
私が咳き込んで見せるとお姉様達は真っ青になった。
まあ、切られる前に知ってる情報をちらつかせて脅そうと思ってたけど。
「日和ちゃん………私、邪魔しちゃったかしら?」
「ううん。ありがとう。助かったよ。」
麗ちゃんは安心したように息を吐いた。
本当に麗ちゃんは優しい人だ。
私は本当に人に恵まれている。
私は麗ちゃんに笑顔を向けた。
「何かお礼をしないとだね。みかちゃんの秘蔵写真で良い?」
「………何でそんなものを持っているのか聞いても?」
「………匠さんを買収!」
「!?………もらっても良いかしら?」
か、可愛い!
真っ赤になって目をふせる麗ちゃんが可愛すぎる!
私はみかちゃんの写真をセットにしてプレゼントしようと心に誓ったのだった。
麗様!
それを受け取った時点で貴女の弱味も握られてしまいますよ~!




