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不安 雪兎目線

コメントありがとう!

この間婚約者に好きな人がいると聞いてしまった………

え?じゃあ………俺は?

何がおきたのか理解できずにフリーズしてしまった。

それからと言うもの、調子が出ない。

何をやっても上手く行かない。

終いには妹に大丈夫か?と聞かれるしまつだった。

とりあえず、学校でだけは気合いを入れてのりきった。

日和に見られるのだけは嫌だ。

格好悪いからだ。




今日の放課後姉と妹に婚約者を拉致された。

心配すぎる。

俺が凹んでいるのをしっている妹にお節介な姉。

絶対に余計なことを言うに決まってる………

心配すぎる。

日和の前では格好つけてる俺が情けないって知られたくない。

格好つけさせてくれよ。

凹みきった俺は重い足取りで家に帰った。



家についても何もする気になれずにスマホを眺めていた。

着信もメールも来ないスマホを見つめ深くため息を吐き出すこと数十回。

無駄な時間ばかりが流れていく。

外はすでに真っ暗で、部屋の中もスマホの画面の明かりだけしか無いことに虚しくなる。


「雪様、夕飯ですよ~!」


お手伝いさんの声にようやく部屋から出る。

スマホ片手に席につくと直ぐに食事が運ばれてきた。


「何度もお呼びしたんですよ!」

「すまない。」


俺が苦笑いを浮かべるとお手伝いさんも苦笑いを浮かべた。


「お?雪どうした?元気ないな!桔梗はどうした?」


そこに現れたのは親父だった。


「日和と姉さんのマンション。」

「女子会と言う名の暴露大会か!」


親父の言葉に俺は項垂れた。


「うわ~!引くぐらい凹んでんな!ウケる!」

「親父………しゃべり方もう少しどうにかならねえのか?」

「なんだ?八つ当たりか?」


親父が俺に近づき乱暴に頭を撫でてくる。


「なんか良く解らないが大丈夫だ!月花が、居るんだから!」

「姉さんが一番危ないと思う。」

「凹んでるのバレたくないんだろ!言っとくが弱いとこ見せないと後でバレた時ギャップで嫌われたらどうするんだ?」


すでに嫌われてるんじゃ………

自分の考えに更に凹んでテーブルに突っ伏したくなったが夕飯の並んだ食卓では出来ない。


「雪………お前本当に俺の息子の雪兎か?お前のそんな所初めて見たぞ!大丈夫か~!死ぬのか~!」


親父ウザい!

凹んでんだからほっといてくれ!

そんなことを思っているとお手伝いさんが親父の夕飯の支度を始めた。

親父と二人で夕飯食わないといけないのか?

もう、部屋に戻るかな?


「雪!一緒に飲むか?」

「俺は未成年だ。」

「俺は気にしない!」

「俺は気にする。」

「硬いな~!」

「親父がゆるすぎるんだ!」


その時姉からメールが届いた。


【日和の好きな人!全然気にする事ないじゃん!冗談も解んないの?馬鹿?】


姉さん!お節介だと思って悪かった!

本気でそう思った。

次に桔梗からメールが来た。

浮上した気分でメールを見ると【プレゼントフォーユー】と言う題名とともに画像が添付されていた。

開いてフリーズした。


「どうした?」


スマホをのぞきこもうとする親父に咄嗟にグーパンチを食らわせた。


「見るな!」

「殴ることなくね?なに?日和ちゃんのエロ画像とか?」

「千里眼か?」

「え?!見せて見せて!」


思わずもう一発殴ってから急いで日和に電話をかけた。

暫くの呼び出し音の後、電話が繋がった。


「日和!大丈夫か?」

『………見た?』


そりゃもうバッチリ!


「あ、いや、あれだ。」

『あれってなんだ~!消して!記憶からも消してください!全消去して~!』


日和の叫び声がこだまする。


「日和落ち着け!とりあえず、迎えに行くか?」


こんなSSレア画像を消すなんてできるか?

無理だ。


『今雪兎さんに会う勇気がありません。これから桔梗ちゃんも殴ります!忙しいので失礼します。』


そう言って電話は切れた。

桔梗ちゃんも………"も"って事は姉さんは殴った後のようだ。

それにしても、姉が馬鹿なの?とか言ってくるって事は心配しなくても良いのだろう。

俺は安心から深く息を吐いた。


「雪?どうした?大丈夫か?」

「ああ、大丈夫。」


俺は急いで夕飯を平らげると、自分の部屋に走った。

もらった画像をパソコンにコピーしてロックをかけた。

名残惜しが携帯から画像を消して危険を回避した。

日和が消したか疑うようなら見せられる状態にした。

他にも太陽にバレる訳にもいかないし、他の誰にも見せたくないぐらい色っぽい。

桔梗!お前は最高の妹だ。

骨は拾ってやる。

俺はパソコンの前で、ニヤリと微笑んだ。





次の日のお昼に日和を迎えに行った。

日和は俺を見ると怒った顔を真っ赤にして言った。


「スマホを出してください!」

「ちゃんと言われた通りに消したぞ!」


そう言いながらスマホを日和の手におくと、日和は直ぐにデーターの確認をして安心したように息を吐いて俺に、まだ赤い顔で笑顔を作って見せた。

可愛い。


「え?雪兄様消しちゃったの?私の携帯の隠し撮り写真全部消されちゃったから、雪兄様にデータもらおうと思ってたのに!」

「桔梗、俺は日和の嫌がることはしない。ってか、隠し撮り写真ってお前………」

「だって!日和ちゃんNice bodyなんだもん!」

「………」


妹よ、どんな写真だったんだ?気になる。


「桔梗ちゃん………次やったら物理的に殺すよ。」


日和は満面の笑顔で桔梗に言った。

桔梗は真っ青な顔をしてコクコク頷いていた。

昨日夜、電話切った後に何があったのかは聞かない方が良さそうだと悟った。


「雪兎の嘘つき。」


姉さんが俺の後ろで小さく呟いたのが聞こえたから、俺はスマホをいじりながら姉さんの方を振り返り言った。


「姉さん。今メール送ったから。」

「はあ?」


姉さんにはこの間、匠さんに無理矢理銭湯に連れていかれた時の腰にタオルを巻き俺にピースしながら牛乳を飲む匠さんの写メを送っておいた。

姉さんは昔から匠さんが好きだからこれで買収されてくれるはずだ。


「雪兎!愛してる!」

「うん、知ってるよ。」


俺は姉さんに笑顔を向けた。


「雪兄様と月花姉様が、悪い顔してる。」

「桔梗!時には知らないほうが幸せな事もあるわ!」

「桔梗も、もう少し大きくなったら解るよ。」

「姉様も兄様も子供扱い~!酷~い。」


俺と姉にふくれて見せる桔梗はまだまだ汚い大人にはなってほしくないと思った。

姉いわく、桔梗の無邪気なふりしたセクハラはえげつなすぎて将来が不安になると後で言われた。

血はあらそえないと言ったところだろうと思わずには居られなかった。


雪兎さんの家族は皆、腹黒です。


匠さんは………たぶん雪兎さんと仲良くなっておいて月花ちゃんとも仲良くなる作戦なんでしょうね!


コメントのお陰で頑張れています!

ありがとうございます!

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