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月花さん

私の旦那様が風邪を召されたようです。

父の家に行ってから兄がウザい。

兄がウザい!大事なことなので二回言ってみました。

一日に何度もウザ!って言ってるのに、最近では同じ庶民組の生徒に兄が可哀想だからかまってやれと説得される始末だ。

なぜ皆が兄に味方するのか解らない。


「生徒会長今日もヒヨリン探してたよ!」

「知ってる!皆からも諦めろって言ってよ。」

「いや、可哀想だし。」

「そうだよ!ヒヨリン!」

「ヒヨリン!」


なぜか皆、ヒヨリン呼びになってしまっているし。

嫌じゃないけど恥ずかしい。


「あ!ひよ居た!」


誰か裏切ったやつがいるに違いない!

兄に捕まり詰め寄られた。


「ひよ!俺の知ってる奴か?お前の一番は俺だろ?」


兄の必死さに若干引きます。

私が兄から視線をそらすとクラスの生徒に生暖かい空気を出され思わず引いた。


「解った!たいちゃんには言うから!」


私は仕方なしに兄に耳打ちいた。


「ゆ、雪兎さんだよ!知ってるでしょ!」


兄は驚いた顔をしたあと不満げに言った。


「勿体ぶった割に変わってない!嘘じゃないだろうな?」

「嘘になんのメリットもないじゃん!」

「いやいや、隠れみのみたいにそっちに俺を引き付けておく作戦かもしれん!」


兄よ!面倒な事この上ない。


「たいちゃん!………大好きだよ。信じて!」

「解った!」


チョロい!

兄のチョロさに感動すらする。

回りの生徒達になぜだか小悪魔呼ばわりされたが知るか!


「本人には言わないでよ!」

「言うわけないだろ!ムカつく。」


兄は不貞腐れたように口を尖らせた!


「たいちゃんありがとう。」


私が笑って見せれば兄は笑顔を返してくれた。

更に小悪魔って声が聞こえた………いや、聞こえてない。


「太陽!教室帰るぞ!」


兄はウザくなったが、雪兎さんは何もかわらない。

脈なしって思い知らされて凹む。


「日和?どうかしたか?」

「いえ、何時もたいちゃんがすみません。」

「何時もの事だ。気にするな。」


雪兎さんは優しく私の頭を撫でて兄を連れて出ていった。





その日の放課後、帰り支度を終えて帰ろうとするとスマホが鳴った。

画面を確認するとそこには、この前教えてもらったばかりの桔梗ちゃんの名前が表示されていた。


『日和ちゃん?今ね、門の前で待ってるの。』

「今すぐ行くね。」


簡単なやり取りだ。

今日は秋ちゃんが彼氏先輩と帰るらしくて一人で帰らないとになりそうだったから助かった。

そんなことを思いながら急いで門に向かった。



門の前は人だかりになっていた。


「だから、日和が迷惑だろ?」

「聞いてみないと解らないじゃない?雪兎には関係ないでしょ!本当に可愛くないんだから!」


聞いたことのある声が二つ。

ひとつは雪兎さん。

もうひとつは………


「あ、日和ちゃん来たよ!」


桔梗ちゃんの声に二人が私の方を見た。


「日和!久し振り!女子会しよ!」


もう一人は雪兎さんのお姉さんの月花さんだった。

真っ赤な外車のスポーツカーに寄りかかった月花さんは浮世離れした雰囲気をかもし出している。

私は月花さんに近づいて言った。


「月花さん、お久し振りです。突然の女子会ですか?」

「日和、断って良いぞ!」


雪兎さんは私達が女子会するのが嫌みたいだ。


「雪兎には関係ない!私のマンションセキュリティ万全だから心配ないでしょ!」

「日和に迷惑かけて欲しくないんだよ!」

「何で迷惑だと思うのよ!」

「あんたを止めるセキュリティが無いだろうが!」

「桔梗が居るじゃない!」

「桔梗にまで迷惑かけるな!」


普段は仲良しなんだけどな~!


「雪兎さんはどうして月花さんとケンカしてるんですか?」

「聞いてよ日和!」

「聞くな日和!」


どう言う事?


「き、桔梗ちゃん!」

「雪兄様は月花姉様に喋って欲しくない事があるんだよ!月花姉様はそれを喋りたくて仕方ないの!」


うわ~月花さん面倒事を持って来たよ。


「じゃあ、月花さん!雪兎さんの喋って欲しくない事を喋らないって約束出来るなら女子会に参加しますよ。」

「良いよ!」

「信じられるか!」


雪兎さんが必死な姿を始めて見ました。


「日和!車に乗りなさい!」

「あ、はい。」


私は月花さんの車の後部座席に座った。


「安心して!日和を怒らせるような事は言わないから!だってそうでしょ?愛する雪兎のためだもの!」

「愛する?面白がってるだけだろ!」

「よく解ってんじゃん!じゃね!」


月花さんは雪兎さんの頬をペチペチ叩くと、車に乗り込んだ。


「日和、気にくわなかったら殴って良い!電話くれれば直ぐ迎えに行くからな!」


雪兎さん………殴らなきゃいけない状況って何なんですか?

怖いんですけど?

ただの女子会じゃないの?

私の不安をよそに車は一路月花さんの独り暮らしをしているマンションに向かって走り出したのだった。

雪兎さんお姉さんにはたじたじですね!

月花さんは美人さんです!


皆様楽しんでいただけてますか?

コメントほしいです!

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