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桔梗ちゃん

新キャラ登場です。



雪兎さんに抱き締められて倒れてから2日がたちました。

あの後熱を出しました。

子供か!?って自分で突っ込みたいです。

今日、生徒会で会った時は普通に出来ました。

2日たちましたから………

熱を出したので雪兎さんに滅茶苦茶心配され、申し訳ない気持ちでいっぱいです。




私が帰ろうと学校の門の所まで来ると言い争うような声が聞こえました。


「中学生のくせに副会長にちょっかい出す気なの?」

「ちょっかいってなんですか?」


聞いたことのある声だったのでのぞいてみれば、フランス人形のようなふわふわの金髪に薄い青の瞳を持つ女の子と西園寺の取り巻きの高梨さんが言い争っていました。

私はフランス人形のような女の子が誰なのか知っています。


桔梗(ききょう)ちゃん。」


私の声に彼女はパッと明るい笑顔を作ります。


「日和ちゃん!」


彼女の名前は桔梗ちゃん。お祖母さんからの隔世遺伝で金髪に青い瞳ですが雪兎さんの血の繋がった妹。

見た目があまりにも似ていない雪兎さんと桔梗ちゃん。

二人の事をしならいと、桔梗ちゃんが雪兎さんの妹だと気がつく人は居ないと思う。

ちなみに雪兎さんにはお姉さんもいて、月花(げっか)さんという。

月花さんは雪兎さんにそっくりな黒髪に黒目でショートヘアーが良く似合うキャリアウーマンだ。

3人とも色白な所は似ている。

あと、美人ってところも。


「日和ちゃん!会いたかったよ~!」


桔梗ちゃんは私に抱きついた。

桔梗ちゃんは私にとっても妹みたいな子だ。

今年中学に上がったばかりのはずだ。


「桔梗ちゃんは副会長に会いに来たの?」


私の言葉に桔梗ちゃんは驚いた顔をしていた。


「副会長って呼んでるの?日和ちゃんに名前呼ばれるの好きな人なのに………」


雪兎さんと同じようなことを言う桔梗ちゃんはやっぱり雪兎さんの兄妹だと思う。

私は桔梗ちゃんの頭を優しくし撫でた。

桔梗ちゃんも嬉しそうに笑った。


「無視しないで!」


突然の高梨さんの声に私と桔梗ちゃんは驚いた。

無視したんじゃないやい!

忘れてただけだい!

あれ?なお悪いか?


「篠崎さん、貴女の友達だかなんだか知らないけど中学生なんて副会長にとっては迷惑なだけだって解らないのかしら?」

「高梨さん、桔梗ちゃんに謝って!」


高梨さんのためにも謝って!

私は心の中でそう呟いた。


「なんで私が謝らなくちゃならないのよ!私は本当の事を言っただけじゃない!」


高梨さん………桔梗ちゃんが誰だか解らないのは仕方ないけど、いろいろな可能性を考えない貴女はお馬鹿さんとしか言いようがないですよ。


「桔梗?どうした?」


そこにあらわれたのは桔梗ちゃんの待ち人の雪兎さんだった。


「兄様!私は今、こちらの方に絡まれています!」

「絡まれてるのか?絡んでるんじゃなくて?」

「兄様!私は兄様にとって迷惑な存在なのですか?」


桔梗ちゃんの言葉に雪兎さんは全てを理解したようだった。


「桔梗は俺の大事な妹だ。迷惑ならかけて当たり前だろ?血が繋がってるんだから遠慮する必要もない。買い物にでも付き合わせる気で来たんだろ?」

「そのつもりでしたが、日和ちゃんに久しぶりに会ったので日和ちゃんとデートしてきます。」


視界の端で高梨さんが走って逃げていくのが見えた。

桔梗ちゃん、初耳ですよ。

雪兎さんは私の顔を見て言った。


「桔梗とデートの約束をしたのか?」

「してないです。けど今日は予定もないし、おかあさんは夜勤で朝まで帰って来ないから桔梗ちゃんと遊んで来ます。」


私がそう言って笑うと雪兎さんは少し驚いた顔をしてから笑った。


「女の子二人で歩くのは心配だから俺も付いていって良いかな?」

「兄様が来たら入れない所に行くつもりだったのに。」

「俺がいたら入れないって?」

「ランジェリーショップ。」


桔梗ちゃんの言葉に雪兎さんはフリーズしてしまいましたよ。

そして、暫く渋い顔をして悩んでいます。


「桔梗ちゃん、雪兎さんをいじめちゃ駄目よ。」

「日和ちゃん!兄様の事は大好きだけどゆずれない事もあるんだよ!」


何の話?

私の頭の上には?マークが浮かんでいる気がします。


「それとも、日和ちゃん兄様に下着選んでもらう?」

「桔梗ちゃん、セクハラで訴えるよ!」

「えーセクハラって、桔梗子供だから解んな~い。」


私は桔梗ちゃんに向かってふくれて見せた。

桔梗ちゃんはニコニコしている。

なんだか負けた気がするよ。


「兄様なら日和ちゃんに一番似合うの選んでモガ………」


私は桔梗ちゃんの口をふさぎました。

これ以上は私が恥ずかしい。

手の中では桔梗ちゃんがモガモガ言って苦しそうだけど、とりあえず喋らせるよりはましだと思った。


「桔梗が悪い。」

「桔梗ちゃんは前からこんな感じです。」

「ああ、すまん。」


雪兎さんは深いため息をはいた。

私は桔梗ちゃんの口から手をはなして、余計なことを言わないように釘をさした。

そこに、我が兄がやって来ました。


「あれ?きいちゃんどうしたの?雪とデート?」

「たい兄様、いえこれから日和ちゃんとランジェリー買うデートです。」

「え?俺もついて行こうか?」


兄よ!何故平然とついてくる発言をした?


「太陽、普通男は行かないだろ?」

「俺、日和と行ったことあるよ。」


言われてみれば………


「太陽………勇者だな。」


雪兎さんの呟きが聞こえた。


「たいちゃん、セクハラで訴える。」

「え?俺なんかした?」

「なんか、もう、うん。訴える。」

「え、理不尽。」

「とりあえず、訴える。」


私は兄から視線をそらした。


「雪!俺、日和に訴えられちゃう。」

「たまには、訴えられれば良いんじゃないか?」


雪兎さんは満面の笑顔だった。


「きいちゃんは?二人で不安じゃない?」

「ここで不安だと言ったら、たい兄様はついて来るんでしょ?」

「勿論。」

「………雪兄様とたい兄様が一緒なら良い?かな?」


桔梗ちゃんの言葉に私は首を横にふった。


「桔梗ちゃん!たいちゃんと一緒なんて私は絶対嫌!下着ぐらい自分で選ぶから。」

「前は選ばせて…」


とりあえず私は兄の口を手でふさいだ。

これ以上は喋らないでほしい。

鼻と口を押さえて息の根まで止めてしまいたい。


「太陽が死んじゃうぞ。」


雪兎さんが真剣に心配している。

雪兎さんは本当に兄に甘い。

私は兄から手をはなした。

兄は苦笑いを浮かべている。

恥ずかしすぎる。

私は桔梗ちゃんの手をとるとあるきだした。

もう、この場に居たくなかった。

この出来事のせいで、兄と付き合っているのは確実だと思われただろう。

もう、何でも良いよ!

誰がどうやって来ても受けてたつ!

存分に私の前で本性だしてくれ!

私はそんなことを思いながら桔梗ちゃんと歩いた。

ちなみに桔梗ちゃんに必死でたのんでランジェリーショップに行くのは止めてもらった。


※隔世遺伝


祖父母や先祖の特徴が、孫などに色濃く出ること。


………ググって下さいな。


兄、空気よんでくれ!

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