故障中の彼女
しばらく放っておいたら彼女が故障していた。
「あっちゃー……どうすべ?」
業者を呼ぶ?
いやいや、もうとっくの昔に保証期限は切れている。ろくでもない金額請求されるに違いない。
貧乏学生な僕に、そんな大金をぽんと出す余裕はない。
「となると……自前か」
はあ、と暗澹たる気持ちがため息となって漏れ出る。
確かに可能だ。
可能だが、手間がすごいのだ。
「廃棄するのに混ぜる牛肉と豚肉、あとはマスクに手袋に……」
まったく、これだけで何キロになるんだろう。
持ち込むのすら一苦労だ。
「どうせ業者使わないなら、今度は幼女にするか! よし、がんばろう!」
うんともすんとも言わなくなった古い『彼女』を、僕は分解して押入れにしまった。