表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
居候日記  作者: narrow
72/95

続き 4

   ◆

 翌日、御雷のいなくなった夕方に、レイは

 「はぁ、どうなることかと思ったけど、なんとかなってよかったね、零さん。」

 と笑った。

 表情もなく、あぁ、と答えた零は昨日のことを考えていた。

 人間じゃない、と言った御雷。

 人間じゃなくたって、と言ったレイ。

 御雷は兄弟どちらとも付き合っている、という乱れた関係を心配したらしいが、真実はそうではない。

 が、そうでないからいい、という状態とは言えない。

 まず、本当に“人間じゃない”こと。

 そしてその上、人を殺すこともある悪魔だということ。

 妹を溺愛する御雷が、いや、彼でなくとも兄であれば、家族であれば、“そんなモン”とレイが一緒に暮らすこと、どころか近づくことすら許しはしないだろう。

 許されない。

 それが自分たちの“今”ではないか?

 そう考える一方で、許すも許さないもない、と零は思う。

 自分の好きにするだけで、誰がどう思おうが関係ない、俺はそう思っている、と。

 俺、は。

 知らぬうち、レイをじっと見つめてしまっていた。

 照れた顔が、こちらを見つめ返している。

 「なに?」

 「…二股できるツラか、って思っただけだ。」

 たちまち悔しがる顔になり、レイは文句を言う。

 「えーヒドーイ!それ絶対けなしてるよねー?」

 自分がからかって、レイが振り回される。

 “今まで通り”の会話に、ほんの少しだけとはいえ、不本意ながら零は安心を感じていた・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ