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居候日記  作者: narrow
32/95

6 これ、命令!

 起きなくてはいけないのは、わかっていた。あまりグズると、零の機嫌をそこねかねないことも。

 それでも、昨日は寝るのが怖くて夜更かししたせいで、とても起きられそうにない。

 まどろみながら、ぼんやりそんな事を思っていたレイは、シャツの首元が軽く引っ張られるのを感じた。

 「…ぃきゃーっ!」

 絶叫と共に起床。

 ベッドの上で暴れる彼女の服のスソから、氷がいくつか転がり出た。

 「くっくっく・・・おはよう。」

 おかしそうに、そして陰気に零が笑っている。

 「もーっ、零さんやりすぎー!超びっく り…」

 そこまで言って、気が付いた。

 声が違う。

 今までより、だいぶ低い。

 もうほとんど以前の通りに聞こえる。

 そして、もっとハッキリした違いがある。

 「零さん、おっきくなった?」

 それに対して今日の零は、怒るわけでもなくフンと鼻先で笑った。

 よく見ると、おっきくなったどころではない。

 もう兄の背は、余裕で超えていそうだった。

 髪も伸び、肩に付くほどの長さになっている。

 ただ、顔つきにはまだ少年らしさも残っていたが。

 数秒、黙って見つめられていた零の唇が動き出す。

 「俺が大好きなのはわかったから、いつまでも見とれてないでサッサとメシ食って出てけ。」

 「・・・みもふたもないよぅ。」

 あんまりなセリフに、レイはいじけた声でつぶやき返した。

(続)

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