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新しい物語  作者: 熊さん
第一章:佐久平への統治
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接触

接触


代官は落ち着くと、兵に命令した。


「税を徴収してこい。」


そのひと言に、気がついたように続けた。


「大王様は、優しくしろと仰せだ。」


近畿圏の王の言葉は、あくまでも徴収を力で収めてはならないと言ってる。本当にそんな事が出来るのか?


しかし兵には、集落の長と話をして、上手く集めて参れと、言い切るしかなかった。


山彦は、婆様のところにいた。


「これからどうする」


婆様が、答える


「そうじゃな。佐久平を治めに来たんじゃろうから、米を巻き上げるんだろうな」


米が佐久平の主食で冬越しにも重要なものであることは、理解していた。

しかし、何処からか、やって来て、米を作るんじゃなくて、取っていく。

理屈が分からん。


「代官たちは兵がおるじゃろ、兵の力で支配する為に、税として米を取るんじゃ」


兵の力?そりゃ兵は強いかも知れんが、

政治じゃよ。と婆様はいう。

理解はできないが、支配がそうさせるのかと理解するしかなく、冬の前の忙しさから、穴から出でいった。


冬は待ってくれない。


集落では、果物や木の実を取って、水に晒して、乾燥させる。

動物は狩ったら捌き、日に晒して保存食にする。それぞれの小屋に行っていた。


山彦は、雪が降る前に八ヶ岳に行って石を貰ってくることにした。

これも冬越しの準備だ。

何時もは、力の強い男を伴うのだが、代官が来た事で佐久平の様子が読めない。

そこで女を誘うことにした。

彼女は素早さで、狩りの仲間であった。


「リカ、今日からよろしく」


「族長、私で良いんですか」


疑問は最もだ。山彦は、佐久平の様子を伝え、兵と打つかるかもしれない事を伝え、逃げる時には別々に走ることを伝えた。


集落を避けて、八ヶ岳に向かった。


佐久平では、兵が集落から米を荷車に載せているのが見えた。


「族長、あれ何してんですか?」


「米を集めてるんだそうだ」


何で、そんな事してるのか?には、答えられない。

とにかく急いだ。


佐久平の北側を通り、出来た屋敷の外側を八ヶ岳に目掛け、走った。


肉の乾燥したものを担いで急いだ。


立科まで来ると一休み。夕方になっていたので、野営した。


翌日、八ヶ岳の岩の採れる部落は、密かに暮らしていた。

そこで加工した石を幾つか干し肉と交換して、一晩泊めてもらった。


佐久平に入るのは直ぐだったが、慎重になっていたので朝早く出発し、佐久平に出た。


石を担ぎ、早足で歩いていたら、兵達が荷車を引いている所に打つかってしまった。


山彦は、声をかけた。


「リカ、真っ直ぐ行け、俺は兵の横を抜ける」


とっさの判断だった。


リカは、真っ直ぐ縄文の森方面に入って行った。

山彦は、わざと、兵達の荷車に突っ込む形でスーッと横を通り抜けた。


「何者」


と、怒鳴る兵には見向きもせずに、抜け、まんまと縄文の森へ入った。


兵達は、何が起きたか分からなかったが、荷が盗まれなかった事に安堵した。

あれが縄文の森のものかもと考えたが、代官の屋敷に向かった。


代官は、最後の米の収穫に安堵していた。雪が来たら動けない。

最後の兵達に向かって安堵の意を告げると、兵が切り返した。


「代官殿、多分、縄文の森の者とすれ違いました。」


「縄文の森の者?」


兵は集落から聞いたことに答えた。


「縄文の森の者たちは、浅間山の森深くに住んでいるもので、この屋敷の建築の時も来ていたそうです」


「浅間山の森の奥、、、そんな所に人が居るものか」


いや、確かに集落のものが、と兵は口もごんだが逆らわず、下がった。


代官は初めて聞いた森に住んでいる。いや、確かに昔は森に住むものがいたと聞いたことがあったな、、、


米の収穫、さらに近畿圏への奉納の準備、することが多かったので、考えを止めた。


浅間山の森の先で、噴煙が上がっていた。


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