近畿圏の動き
近畿圏の動き
春になり、穏やかな日が続いていた。
馬が群れになって駆けていた。
3年経って、こちらにも変化が生まれていた。
馬飼が来ていた。
馬が過ごす小屋も用意され、本格的に放牧が始まったていた。
馬の様子を見ながら、山彦がカンタを紹介してもらった集落に来ていた。
ここは、屋敷から近く、兵達の裏切りには関わっていなさそうであった。
情報のやり取りも進めていて、山彦のは都合のよい集落であった。
「長、今年もよろしくな。」
春になって初めての訪問だった。
「山彦か、よろしくな、カンタは大丈夫か?兵が裏切ったようだ。あっちの集に館を作って、直接、兵が治めてる集落になっちまった」
「騒がしいな、そうなのか。ところで、長は、屋敷に来た新しい女のことは分かるか?」
「あれは、後妻だと言うことだ。美和様というらしい。ご挨拶に行った時紹介された。」
山彦は、良い情報をもらったと感じた。
それにしても兵達の動きも早い。
どうなるんだ。
兵の動きは、裏切りとは違うかも知れない。
近畿圏から来た女は、美和という。
代官は、美和と話していた。
「美和、片田舎に連れてこられ、不自由させて申し訳ない、機嫌はどうだ。」
「代官様、覚悟してきたので大丈夫です。」
「代官様は、ないだろう。お主は妻なのだ」
「あら、失礼しました、これからは旦那様と及びいたしますね」
しらっとしている。
何か、とても位の高い身分なのだろうか。堂々としている。
動きに空きかない。
代官が続けた。
「兵達は新たな領地を治め始めたようです。佐久平は、広いですから、彼らの力も必要ですから」
「旦那様は、欲がないのですね。」
ホッホッホッっと手で口を押さえ、笑っていた。
山彦は、婆様といた。
「婆様、屋敷に来た近畿圏の女は、美和という代官の後妻らしい。それと、兵達の動きが早い、やはりただの裏切りではないかもな、婆様のいう通りだな」
「動きが速いのは、最初からのことなのだろう。血の気の強い奴らで、裏切りと感じておったが、やはり近畿圏のやり方なんだろう」
これで決まりだ。近畿圏は、確実に佐久平に、広がってくる。
縄文の森では、早速森を深く移動することを優先することにした。
前にあった場所を隠し、小屋は奥へと移っていく。
婆様の穴はふつうの人間には、見つからない。
夏までには、小屋の移動が完成した。
山彦は、大きなため息を吐き出し、空を見上げた。
森から見る佐久平には、馬が駆けていた。景色が変わっていたことに気が付いた。
これが近畿圏が来るっていうことか。
山彦は馬の走りを睨見つけていた。




