襲撃
襲撃
夏が来た。田植えが終わり、稲穂は順調に育って、緑の穂がゆらゆらと風に揺れていた。
兵達には、集落への仕事もなく、ゆとりの時間があった。
山彦は異変に気がついていた。
二人一組で、屋敷を見張っていた。
ひとりが縄文の森に戻り、山彦に伝える。
「族長、やはり動くみたいです。」
リカにサブとして、隊を任せ、山彦は見張りの所に向かった。
山彦は見張りの場所に着くと観察し、彼らの動きを見極めた。
屋敷の待機場所を離れ、庭に兵が集まっていた。
3人で一組を作り、4組の隊を作って隊列され並んでいた。
縄文の森の入口と見える場所は外から見る限りひとつだった。
そこから兵達は入り森に踏み込んでいった。
中に入った兵達は3方向に進んでいくのであった。
山彦は、後ろから彼らの動きを見出すと、大きな口笛を吹いて合図を送った。
ビィー
リカは、合図を聞くと、ます、5人の仲間を森に進め、その後を二人づつが追いかけていった。リカは5組の編隊を陰から密かに見つめている。
そこに、いつの間にか山彦が突然現れた。小さな声で伝えた。
「リカどうだ。」
「族長、いつもの狩りと同じで、5組を森に入れました。」
良しと、山彦は、リカの後をついていった。
兵達は3組3様に森を進んだ。彼らには先は見えない。木をかき分け、獣道のような所に罠があるはずだと考えて進んでいった。
森の中で獣の猟をしてる山の民にとって、森を突っ込んでくる人の群れは、3組のキツネが入って来た用のものだった。
二人組5組に、リカと山彦を加えた6組が襲った。
3組はあっさりと縄で縛られていた。
後からついてきていた兵のリーダーの3人も、リカと山彦に突然、木の陰から襲われ捕縛された。
捕縛した全員を引き連れて、屋敷に戻った。
山彦は、屋敷の建物の前まで来ると、声を上げた。
「縄文の森の者だ。入るなと言っていたのに、兵が攻めてきた。代官はいるか」
代官と部下たちが、慌てて飛び出してきた。桜も乳母と外を見ている。
代官が、険しい顔で睨見つけてる。
「縄文の森の者よ、どうして兵を捕縛している」
「兵が攻めてきたからだ。我々は戦うつもりは無いが、攻めてきたからには、捕まえただけだ。」
捕まえた?誰が攻撃しろと命令してのだ。山彦が聞いてきた。
「何故、攻めてきたりしたんですか?我々には戦う意思はない」
「私の命令ではない」
捕縛された兵を見渡し、これ程の力の差があるのか、思い知らされた。
何かものあるなら、話し合いをすれば良い。というと帰ってしまった。
代官は呆然とした。
桜が声を出そうとしたが、乳母が止めた。
暑い日の昼間の出来事だった。
太陽は真上で、照りつけていた。




