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01/31 愛妻の日|ちょっと早めのジューンブライド

今日は、年に一度の結婚式。


今年は例年と比較しても主役の数が多い。セレモニーホールには百十余組の新郎新婦たちとその友人や親族がごった返していた。


会場の中央に並ぶ白いテーブル上に、次々と料理が並べられていく。今日の良き日のために、シェフが腕によりをかけた最高の料理たちだ。

食糧プラントの生産ラインも、今日はフル回転。主賓も賓客も、全力で飲み、食う。

ずっと続く愛妻の日の習わしだった。


一組ずつ、順番に誓いの言葉を述べる。

しかしこれだけのペアの数を想定していなかったものだから、とにかく時間がかかる。おまけに誓いの言葉も似たり寄ったりだ。

拍手は続く。しかし、その音はしだいに頼りなくなっていった。

だんだん妙な雰囲気になってきた会場の様子を見ていた、何十組目かの新婦が機転を利かせて宣誓した。


「以下同文」


一瞬の沈黙ののち、拍手と笑いが巻き起こる。

後のペアもこれに続いた。「以下同文」の声が何度も響く。

最後のほうは、神父までゲラゲラ笑っていた。


テーブルの皿が空になっては、次の皿と交換されていった。

会場中の腹が満たされていく。


歌と食事とアルコールとが一緒になって、会場のテンションを引き上げていく。

全員がそれぞれに、幸せを舌の上に乗せていった。

みんなが喜びをかみしめていた。誰も彼もが笑顔だった。


会場の熱がどこまでも上がり続けていくさなか、司会者が声を上げた。

「ここで新郎新婦のご友人方から、メッセージムービーをご用意してございます!」


スクリーンに映像が映し出される。



結婚式、おめでとう!


二人とも、この十年間、本当によく頑張ってきたよな。

明日の飯も食えないかもしれない状況の中で結婚して、

式を挙げたい、なんて口にも出せないようなありさまだったけれど。

俺たちみんな、わかってたんだ。


でも、もう大丈夫。

今日は、食糧庫のドアが閉まることはないよ。

食糧プラントは順調に稼働してる。

これからは飢えることはない。もう備蓄を心配することもない!

俺たちは救われたんだ!


これからは毎年だって結婚式ができる。

豪華な食事を腹いっぱい食べられる!

君たちが歴史の始まりなんだ。きっと、この良き日がずっとずっと続いていくよ。

だから今日、結婚式を挙げてくれて、本当にありがとうな。


会場のみんな、食べてるか?

新郎新婦!十年越しの結婚式、しっかりと味わえてる?


さあ、ちょっと早めのジューンブライドを、みんなで祝おう!


君たちの幸せを願って。

一月三十一日、愛妻の日に。


おめでとう!

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