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01/30 3分間電話の日 | トドイタ

おう、聞こえる?今ちょっと話せるか?良かった。


ちょっと思い出したことがあってさ。

いや、今日って三分間電話の日だろ。だからってわけじゃないけど、なんだか誰かに話したくなって。

何年位前のことだったかな。


通信区画と居住区画をつなぐ通路さ、いやに狭いところがあるだろ。

あそこ、その当時は小さな通信室があったんだよ。あとで誰かが教えてくれたんだけど、宇宙船建造当初から残ってた設備らしくて。

立ち入り禁止になってたんだけど、俺、興味本位で忍び込んだんだ。なぜかロックがかかってなくてさ。


あの日はちょうど通信技師免許試験に合格したばかりで、合格仲間集めてパーティやった帰りだったんだ。結構酔っぱらってたと思う。

みんなで馬鹿みたいに騒ぎながら部屋の中物色してた。

犯罪?うん、お前のいう通りだ。ほんとバカなことしたと思うよ。


置いていたものはその当時でも全く規格が違う骨董品ばかりで。レトロ好きの友達がやけにはしゃいでたな。その中に一つだけ通電している機器があったんだ。で、何かのボタンのランプが緑色に点滅してた。


まあ、押すよな。ボタンを押したんだよ。そしたらスピーカーが動作してさ。大音量で何やら聞こえてきた。最初はノイズ音とかモスキート音ばかりで、なんの音声だかさっぱりわからなかった。さっき話したレトロ好きがどうにか解析しようと、いろいろ機器を操作していたんだけど、急に、


トドイタ、トドイタ。


届いた。


って声が聞こえたんだ。

みんなビビったなんてもんじゃなかった。訳が分からなくてさ。


そのあともずっとスピーカーから何か声が聞こえてくるんだけど、声もくぐもって聞き取りづらいし、訛っているのかほとんど何言ってるかわからなくてさ。ただ、時々知ってる言葉が混ざってた。声の主はやたらと興奮しててさ、だんだん、だんだん声が大きくなって……。


トドイタ!トドイタ!

トドイタ!!


アハハハハハハハ!!!


……俺たちみんな部屋から飛び出して居住区画に走って逃げた。一人で寝るなんてとても無理だったから、公園のベンチでみんなして朝まで震えてた。

しばらく通信区画に近づけなかったけど、ある日勇気だしてその通信室に行ってみたら、工事中になってた。話はこれで終わり。ずっと誰にも話せなかった。


悪い悪い。でも、ずっと一人で抱えるのも怖くて、どうしても誰かに打ち明けたくてさ。

それに、あの時はもうそれどころじゃなかったけどさ。思い返してみるとあの時の声の中に、いくつか聞き取れる単語があったんだよ。ツナガッタ、ニンゲン、チキュウ。あの声って、もしかし


ツー。ツー。ツー。






これ以上は聞いちゃだめだ

一月三十日は三分間電話の日


ごめんなさい

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