七行詩 二篇(「夜中にメールが次々に届く~」ほか)
○
夜中にメールが次々に届く
差出人は不明
私の未来について事細かく書いてある
誰がそれを信じているのか
誰がそれを信じねばならないのか
何も起こらないと知りながら
そのメールをむさぼり読む
(20200311)
○
古墳の傍まで行くと
死者たちがぐるっと池の周りに座っている
どうして死んだのかと尋ねてもあまりにも昔で
皆、口を噤んで古墳をジッと見ている
もうそこには誰もいない、と言いたくなるが
私も黙ってにいっしょにそれを見つめる
今にも昔にも「何時代」という名前はない
(20200311)