表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亜殺  作者: 怪我大魂
第1章 「幾つもの亜人と共鳴と」
2/3

第二話「覚醒の刻」

黒服に取り囲まれる俺達…万事休すかと思われた…その時、救世主が現れた。 


「よいっしょ!」


「ふっ!」


二人が家屋の屋根から飛び降りる。

そして、俺達を取り囲む黒服達に刃を向ける。


「飯岡、何分で片付ける?」


「十分で充分だ。」


次の瞬間、彼らが人間の速さよりも素早く走り、黒服達を薙ぎ倒してゆく…

こいつらも亜人…?いや、亜人は女だけ…なのに…どうして?


「あっ、ヤベ。そっち行った!」


「君達、避けろ!」


なんと黒服が放った銃弾が俺と六花に向かって、飛んでくる。

しかも、その弾の軌道上に六花がいる。 

六花は…

俺はさっと六花の横顔を見る…すると、戦慄していた。

当たり前か…目の前で人が何人も死んでんだ。冷静な方が可笑しいよな…よな…

…"なんで俺冷静なんだろう"…いや、今はそんなことどうでもいい。六花を救わないと…

俺は六花の前まで走る…そして、六花に背を向け、両手を広げる。

俺の命なんてどうでもいい。六花を…六花を守る…それが俺達が交わした約束だ。

そして、俺の胸に銃弾が撃ち込まれる。

あー、これは死んだわ…六花…すまねぇ…だけど、お前は守れるんだ…悔いは…ないって言ったら嘘になるが…後悔は…していない。


カキン


金属音が辺りに響き渡る。

俺の胸を見ると…皮一枚のところで手裏剣が刺さっていた。手裏剣が刺さって普通に痛いけど…九死に一生を得た…誰が投げたんだろ…金髪の人かな?それとも眼鏡の人?

そう考えていると…六花が俺の背中に抱き付いてきた。


「何してるの!?銃弾が当たって!?」


「大丈夫だ。何故か生きてる。」


俺は胸に刺さった手裏剣を捨てる。

そして、向き直り、六花に元気な姿を見せる。


「大丈夫だ。六花。この通り元気だ。胸がちょっと痛いけど…」


「もう…心配させて…危ない真似はしないでね。」


まぁ、しょうがない。六花を守る手立てがそれしかなかった。

俺が…もう少し強ければな…命を懸けずに守れるんだけどな。

その時だ…突然俺の体が光出す。

なんだ…何が起こるんだ?


「飯岡、なんか共鳴が起こってるぜ。」


「素人がいきなり共鳴…何が起こるか分からんな。」


なんだ…体が軽い…これなら、黒服達を…制圧できる。

俺は約50mを一秒で走り抜け、黒服達の背後を取る。そして、軽く手を振り下ろした。

すると、黒服達の背骨がへし折れ、その場にグシャグシャに潰れる。内臓も見え隠れして、かなりグロッキーだ。

そんな様子を見た黒服達が撤退を始める。

俺は追わないが…青年二人が逃げた男達も殲滅する。 


青年二人が黒服達を全員始末すると俺達に近寄ってくる。 

勿論、俺は警戒する…六花を後ろに隠れさせ、俺は前に出る。

すると、そんな俺達を見た二人は手を上げて、武器をしまう…


「安心してくれ、俺達は敵じゃない。俺の名前は柳沢周(やなぎさわ あまね)。亜人達を保護する組織の一員さ。」


金髪の男は陽気に話す。先程まで屍を作っていた奴には見えない。 

すると、黒髪眼鏡の人も話し出す。


「俺の名前は飯岡優羽(いいおか ゆう)。同じく亜人を保護する組織『プロテクト・アナザー・エデン』…通称『PAE』所属の一員だ。」


亜人を保護する組織…だから俺達を守ったのか。だけど、信用してもいいのだろうか。騙されて何か人体実験でもされるんじゃないのか?

不安に駆られていると六花が呟く。


「信用するしかないんじゃない…他のところに行ってもまた狙われるだけだよ。」


「…そうか、お前が言うなら…分かった。」


俺は仁王立ちで柳沢と飯岡に宣言する。

 

「お前達についていく…だが、六花には変な事するなよ。変な事したら殴るからな。」


「へいへい、分かりましたよ。王子様。」


柳沢はやれやれといった様子で俺達の方を見る。


「じゃあ、行こう。案内する。」


すると、飯岡が先導して俺達を案内する。

あっ…そうだ。これ言わないと… 


「どっちが分かんないけど、手裏剣ありがとう。お陰で銃弾が弾かれて九死に一生を得たよ。」

 

すると、飯岡と柳沢…二人とも首をかしげる。


「俺じゃないぞ。」


「俺でもないぞ。」


…あれ?じゃあ誰なんだ?

 

その頃、電柱に立つペストマスクに黒装束の人間がいた。


「…この事は御方に報告しなければ、それにしても、やはり共鳴も強力だった。」


人はペストマスクを外す。

すると、そこには銀色の髪に瑠璃色に光る瞳…そして、左目の上から下にかけて古傷があった。

背格好は150cmにも満たない小さい体…

だが、小さい体から出る覇気は巨大だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ