9 説明を聞く?
帰れないと知った私はしばらく何も言えないでいた。
そんな私を八重子さんは何も言わずに待っていてくれている。
ナビゲーションシステムの八重子さんも、やっぱり優しいんだとほっこりした気持ちになった。
取りあえず、泣こうが喚こうが状況は変わらない。
自分の置かれた立場を理解してから考えよう。
何よりも、八重子さんの存在が心強くて、私を落ち着かせてくれているんだ。
気持を切り替えて、スキルの説明を聞く事にする。
まず『神眼?』だが、これは私にピッタリなスキルだと思われる。
人の善悪も分かる物だそうで、後ろに付いてる(?)はレベルだという。
「も」と言うくらいだから、他にも何か有るんだろう。
まだ使用していないから(?)となっているが、LV1となるだろうとの事。
使っていくうちにレベルが上がって、使い道が増えるのではないかと八重子さんは言う。
次に『想像具現化?』だ。
これは今の状況には非常にありがたいスキルだった。
私が知っている物を想像して、その通りに出現させる事が出来るというものだ。
後ろに付いてる(?)もレベルとの事で、最初は制約が有っても、後々高レベルになると凄い事になるらしい(八重子さん談)。
しかし、これでひとまずここでの生活が楽になるのは間違いない。
最後に『付与?』である。
これは言わずもがな、たくさん収納出来るアイテム鞄とか剣に属性を付けるだとか色々出来るそうだ。
(?)はやっぱりレベルだという。
なんか、結構なチートかもしれない。
こう言っちゃあなんだけど、ワクワクするよね。
まだまだ聞かなくてはならない事が有るが、まずは拠点を整えようとなった。
私は攻撃も身を守る事も出来ないので、この場所で生活して準備をしなければならないという。
どうやら近くの町まで相当な日数が掛かるらしく、今の私では無理だとの事。
間違い無く魔獣に殺されちゃうそうだ。
やっぱりいるんだね、魔獣……。
と言う事で、最初に行うのは結界石作り。
この場所はいわゆる捨てられた開拓村だそうだ。
荒野と枯れた森のため、人どころか魔物も獲物を求めてこの地を離れたようで、今は空を飛ぶ魔物や、たまに紛れ込んでくる狼系の魔物くらいしか現れないという。
だから囲いや建物が魔物に壊されていないのだと八重子さんが教えてくれた。
ちなみに建物は開拓団の偉い人が使用していた物で、他の人はテントなんかで寝泊りしていた様だ。
何とはなしに「どの位の人が居たんだろうね」と聞いたところ。
『ざっと100人は居たんじゃないの?』
詳しく聞くと、ここはどの国にも属さない『忘れられた大地』と呼ばれる場所で、はるか昔に濃い魔素で荒れてしまったため、荒野と枯れた森が広がる人の住めない所になったという。
開拓した者が所有者になれるとかで、それは神約で決まっているそうだ。
この世界は神様との約束は絶対で、権力や武力を使って開拓した場所を横取りした者には必ず神罰が下るらしい。
色々な神約が有り、人々はそれをしっかり守って生活してるという。
でもね、その辺はしっかりしてるのに、何で私の時はしっかり出来なかったのかな〜?
なんて、残念に思ってしまう私である。
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