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38 もう何も言えないよね?

申し訳ございません……。

時間指定で投稿したつもりでしたが投稿されていませんでした。

ご迷惑をおかけしました。

 寝るのが早いので、目が覚めるのも早い。

 カーテンを開けると明るくなり始めているくらいの時間帯だ。

 結局、昨日はジャガイモを塩湯でした物で終わった夕食。

 今日こそは炒め物を……。

 そう考えて、思い出した。


 スライムの事があって、すっかり忘れていたよ〜。

 キャベツとか植えてない……。

 ああ、今日もリンゴかトマトか……仕方がない。


 身支度を整えて、朝ご飯を食べる。


「美味しいんだけど、少し飽きてきた……」


 青リンゴを齧りながら呟くと、やっぱり八重子さんからお小言が入った。


『そんな贅沢を言うもんじゃないよ? 食べ物があるだけ有り難いってもんさ』


「は〜い、御免なさ〜い」


 一応は謝ってみたものの……。

 八重子さんの言いたい事は分かるけどさ〜、自分がその状態じゃないから言える事な訳よ。


 心の中でグチグチ文句を垂れながら、すっかり朝日が登った外の空気を吸い込んだ。

 季節は春の始め頃らしいが、朝でも肌寒さも無く丁度良い気温だ。

 まずは世界樹の卵の状態を確認。

 しっかり木の根に抱き込まれて、相変わらず静かに鎮座している。


 まだ生まれないんだろうな。

 そう思いながら、池の淵に置いた籠を見ると中身が無くなっていた。


 お? 

 食べたって事か?


 一応食べ物を足しておこうかと、池の中に目を向ける。

 変わらずプカプカ浮いている3つの水まんじゅう。


「朝ご飯を入れておくからね〜。この中身以外は食べちゃだめだよ〜」


 何となく声を掛けて、リンゴの木に向かった。

 こちらも変わらず赤と青のリンゴが実っている。

 いい加減、食べきれない量になっているが、もったいないので収穫をしておく。


 枝豆を1本だけモギモギして、残りの4本を確認。

 水を掛けていないから、何となく茶色味をおびて来ているようだ。

 枯れてきたら大豆になるんだろう。


 トウモロコシも収穫して一息ついていると、ある事に気が付いた。

 家の影から覗く、3つの水まんじゅうのトーテムポール。


 まさしくどこぞの家政婦のように、半身を出してこちらを覗いているのだ。

 私が気付いた事が分かったのか、ひゅっと姿を隠す姿がなんだか可愛い。


 クスッと笑って、見ない振りして移動。

 お次は昨日植えた野菜だ。

 ネギは初めから横に向けて植えたのが功を奏したのか、白い部分がちゃんと出来ている。

 見知った長さだが、太さが半端ない。

 私の手首くらいあるね……。

 それが5本も有るよ? 食べ切れるだろうか。


 気を取り直して生姜を掘ってみよう。

 ……うん、大きいに決まってるよね(遠い目)。

 通常の5倍は大きいけど、大味じゃないことを願う。


 ニンニク。

 言わずもがなである。

 両手の平くらいの大きさって、1粒はどんくらい大きの?


 大根は、見えてる太さが普通に見える。

 やっとまともな野菜を拝めるのだろうかと、引っこ抜こうと力を入れるが……ぐぬぬっ抜けない!?

 仕方なく掘ってみたが……。

 長さが1mもあった。

 もう何も言うまい。


 赤シソと青シソ、唐辛子に関しては良く知っている大きさだった。

 ……こんなにワサワサと葉や実がなっていなければだが。

 これは当分創らなくても良さそうだ……。

 ありがたや~。


 胡椒は、緑のピンポン玉がぶどうのように連なって大量にぶら下がっているが、元を見た事が無いのでこれが普通だと思う事にする。


 後はビートだが、もう突っ込むのも疲れてしまうくらい、大きい。

 例えが見つからないでいると、私に心を抉るような事を八重子さんが言った。


『カエデのお尻くらい大きいものが出来たね』


 うるせえやいっ、どうせデカ尻ですよ!!

 大は小を兼ねると言うでしょうが!!


 ちょっと涙が出ちゃいそうになった私だった。

お読み頂き有難うございます。ブックマーク・評価の方よろしくお願いします。



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