よく晴れた春の日の朝 初投稿につき実験用
妹「お姉ちゃん!早く!早く!」
私「はいはい、今行ってるよ」
私は今、籠を持って妹ととある所に向かっている。そこは、私と妹だけの秘密の場所。
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妹「着いたー!!」
妹が達成感のこもった歓声をあげる。
私「はぁ、はぁ、やっとついたぁ〜」
妹「お姉ちゃん体力無さすぎ〜」
私「むぅ、私はあなたと違ってこのおも〜い籠を持ってきたのよ。だからあなたよりも疲れるのよ。」
妹「はいはい、いいから敷物だして!」
私は妹に言い訳を軽くあしらわれながら敷物を取り出した。妹と両端を持って、草の上に広げる。そこに持ってきた籠を置き、座って木々の合間から春の優しい青い空を見上げた。妹は今年で受験生という名の中学3年生になり、私は高校2年生になる。「こうやって妹とピクニックに来ることは久しぶりだな〜」などと考えていると、だんだん瞼が重くなってくる、、、
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私達は昨日学校から帰ってから、2人だけの秘密の場所に親に内緒でピクニックに行く計画を立てた。そのあと妹と一緒に近所のスーパーに行き、ピクニックのために持っていくサンドイッチの材料やお菓子を買った。
そして今朝私は朝5時に起きて、1階のキッチンにこっそりと行ってサンドイッチを2人分作った。クロワッサンを半分に切って、そこにレタス、ベーコン、トマト、チーズ、マヨネーズをのせてサンドイッチの完成!私達家族の休日の朝は遅い。一般的に見ると、とても遅い部類入るらしい。私も妹もしっかりその日のうちには寝るのだが、起きるのは早くて11時代後半だ。だから5時に起きた私は世界で一番偉い!と寝ぼけながら握りこぶしを天に向かって突き上げた。サンドイッチを作り、昨日買った紙パックのジュース4本と今作ったサンドイッチ2つとお菓子をカゴに入れて、玄関に置いた。
なんだかんだ準備して、今ではもう6時になっていたが、妹はまだ起きてこない。
私「はぁ、私よりも楽しみにしてたのにまだ寝てるよ、」
私は仕方なく階段をまた上り、妹の部屋に行き「ピクニック行く?」と囁いて起こし、眠そうな妹をパパっと着替えさせて、1階に向かった。妹は寝ぼけておやすみ〜と言いながらも妹お気に入りのカメラを掴んで下に行き、籠を自分の肩にさげて家を出た。そして、数分程歩いた頃、目がぱっちりと冷めた妹が色々と話し始めた。
「お姉ちゃんほんとに朝5時に起きたの?!サンドイッチも作ったの!世界で1番偉過ぎる!お菓子は持った?敷物は持った?」
妹の口からでた何気ない質問で私の動きは止まった。私の中から敷物という存在がぽっかり消えていて、籠に入れることを忘れていた。私は籠を妹に預け、
「すぐ取って来るからちょっと待ってて!」
とだけ言い、全力で取りに戻った。家の扉を静かに開けて敷物を取り出し、スマホを見ると6:30だった。また全力で走って、妹に追いつくと6:35だった。妹はもうすっかり目が覚めたらしく、息切れしている私にいつも通りのいたずらっ子さを存分に発揮してきた。
妹「お姉ちゃん危なかったねぇ。私が言わなきゃ地面に直に座らなきゃだったよ〜」
私「ぜぇ、ぜぇ、、、はいはい、、ありがとう」
それから20分かけて、私達2人だけの秘密の場所--木々の中のそこだけがぽっかりと空いて、空から朝の優しい日差しがさしている開けたところ--にやってきた、、、
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「、、、、???、、、、っ?!」
どうやら私は気づいたら寝ていたようだ。スマホを見ると、8:24と表示されていた。私は妹を慌てて探した。横を見ると、妹があたふたしている私のすぐ隣でカメラ越しにこちらを覗いていた。パシャリ
妹「あーっ!しまった!もう少し早くシャッター切ればお姉ちゃんの珍しくあたふたした姿を写真に収めれたのに!私のバカー!!まだまだ容量はあるんだから何枚も撮ればよかったー!」
妹は私があたふたしている間ずっとカメラを構えてシャッターを切る瞬間を伺っていたようだ。私は妹の様子にほのぼのしながら妹に聞いた。
私「なにしてん?」
妹「お姉ちゃんの寝顔撮ってた!お姉ちゃんの幸せそうな顔、10枚ぐらい撮ったよ!それでさっき、1番幸せそうな顔してて、撮ろうと構えたらお姉ちゃんが、はっ!っていう風に起きてあたふたし始めたから。1番いい写真を撮りたくて構えてたらシャッターチャンスを逃しちゃったってわけよ!!うわ〜っ!今思い出しても悔しい!質より量って事で何枚も撮ればよかった!っ!!録画にすれば良かったんだ!やっちゃった、、、、」
私「はいはい!そこまで!つまり、私が寝ちゃってる間ずっと私の寝顔を撮ってたってこと?」
妹「うーうん、違うよ〜!お姉ちゃんだけじゃなくて、色んな写真撮ってたの!今日は晴天だけど、雲もいい感じにあって、しかも、朝日もいい感じに差し込んで来ててめっちゃいっぱい写真撮れたよ!もう100枚は撮ったよ!木と木の空いたから差し込む陽。朝日と雲の最高のロケーション!それに!うさぎもいたの!その子写真も取らせてくれてしっかり構えて撮ってを5回は出来たよ!まぁ、お姉ちゃんの写真の方がうさぎさんより多いけどね!」
私「わかった!わかったからストップ!」
みんな今ので分かると思うけど私の妹はとってもお喋りだ。特に妹の趣味の写真の話になると、マシンガントークになった上にいつまでも話し続ける。私が羨ましいとたまに思うほどに妹はよく喋る。
私「つまり、私が寝ちゃった間、朝日の写真撮ったり、うさぎと撮影会を開いたり私の寝顔を写真に収めたり、楽しく過ごしてたって事?」
妹「うん!そう!」
私「よかった、着いてすぐ寝ちゃったことを謝ろうと思ったけど楽しそうだから謝んないね〜」
妹「えっ!ずるい〜!まぁ楽しかったけど、なんかズルくない?」
私「ふふふ、、ごめんごめん。でも本当に楽しそだったよ。じゃ、ピクニックの醍醐味を始めようか!写真もいっぱい撮ったみたいだしね、いっぱい動いたからかお腹ももう空いてるし!」
妹「うん!早く食べよう!!お姉ちゃんが起きるの待ってたから私も今めっっちゃお腹減ってる!写真はもちろんまだまだ撮るよ!」
そうして私達は敷物の上に食べ物を並べた。サンドイッチ、紙パックジュース2本と他のジュース2本に見るからに美味しそうなお菓子達!ジュースが4本なのは紙パックのは小さいのと、飲みたい物がいっぱいあって1本に決めきれなかったからだ。私は朝に飲みたかったいつもなら手を出さない野菜ジュースと大好きな抹茶ラテの高いやつを買った。妹は「オシャレなのを飲みたいから」と私と同じ抹茶ラテ高級版と「お姉ちゃんみたいに背が高くなりたいから」と牛乳バックの2つを買った。私は169cmで妹は163cmだ。
私は妹は今でも充分高いと思うのだが、妹は私の身長を越したいそうだ。「お姉ちゃんよりも背が高くなって、お姉ちゃんが泣いちゃった時に良い子いい子したい!」というのが動機らしい。私が「その考え方は理解できないな〜」と言うと、「これは妹なら誰もが思う気持ちだよ〜」と返されて、ますます分からなくなった。それは置いといて、サンドイッチを手に取り、各々食べ始めた。私は紙袋に入れたサンドイッチを胸の前に持ってきて自撮りを2、3枚撮ってから食べ始めた。もぐもぐ、つーっ、サンドイッチをかじり、ジュースを飲む。
私「うん!思い描いた通りの味にできた!」
妹「なにこれやっば!めちゃくちゃ美味しい!私がいつもコンビニで買うサンドイッチの100倍は美味しい!」
ようやく写真撮影を終えた妹がサンドイッチを食べて嬉しい感想を言ってくれた。
私「えへへ、よかった!私的にもめっちゃいい出来だったんだ!」
妹「ね!めっちゃおいしい!これさ!絶対売れるよ!お姉ちゃんがお店開く時は私を雇ってね!絶対行くから!、、それでまかないとして美味しいサンドイッチを、、ぐふふっ♪」
私「こらっ!ぐふふとか言わないの。でもお店開くのたのしそうだね〜、なんなら製菓学校に行ってケーキとかも作れるようになって、お店開くか〜」
妹「それがいいよ!絶対それがいい!これで今お姉ちゃんテスト勉強する必要がなくなった代わりにケーキの練習しないとね!味見が増える!!やったー!、、?!太らないようにしないと、、」
私「いやいや、まだ私が製菓学校に行くって決めたわけじゃないからね!まぁ、行ってみたいとは思うけど、、」
妹「お姉ちゃんも乗り気じゃん!やっぱお姉ちゃん向いてると思うよ〜、サンドイッチだってこんなに上手だしお姉ちゃんもサンドイッチも見栄えいいからカフェとか開いたら絶対に繁盛するよ!」
私「選択肢としてアリな気がしてきた、、、ま、それは置いといて、お菓子食べよう!」
妹「いいねいいね!クレープにマカロン、ポテチにロールケーキ!どれから食べるか迷う〜!」
私「私の作ってきたケーキにモンブランもあるよ!この4っつは別の容器に入れて持ってきたの」
妹「やった!さっすがお姉ちゃんわかってる!私はお姉ちゃんに負けないぐらいモンブラン好きなんだからね!それにそれに〜、お姉ちゃんの作ったショートケーキも大好きなんだから〜,……..」
私達は気持の良い青空の下で心ゆくまでのんびりした。
こうして私達の休日はまったりと心地よく始まった。