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幕間 臨時特設会議並びに魔導技術応用研究統合本部書記官(王室法務局) 

 

 この議事録は南北対抗戦後、現代魔法工学の水準を超える魔道具の出現による影響とその製作者の処遇を議論・検討するために発足した臨時特設会議の記録である。



■第一回。


 議長に宮廷魔導師団長が就任。



 未確認の魔工技師あるいは魔導博士を『怪童』と呼称。


『冷凍冷蔵庫』の製作及び『紐付き杖(仮称)』の製作の中核を担っているものと推測。



 補足:情報収集の方法について要検討。


■第二回。



 関わった学生たちをロー家が保護ならびに聴取。

 工房都市アルアンツへ。


 補足:ロー家との折衝役に王立魔道学院学院長。情報共有に難あり。


■第三回。


 ■■■■が新たに会議への参加を希望。

 反対多数。

 ■■■■■が退任と同時に■■■■を後任に指名。



 補足:人事への介入著しく、会議の進捗へ影響大。



■第四回。


 守秘義務契約により人物の特定に至らず。


 補足:進展なし。



■第五回。


 ■■■■■■が新たに会議への参加を希望。

 反対多数。

 ■■が退任と同時に■■■■■■を後任に指名。


 補足:『怪童』の情報共有を各省庁が拒む。派閥争いに発展。



■第六回。


 会議の人選について。

 退任と後任の指名について会議の認否を要するものと決定。


 補足:会議への圧力甚大。怒号飛び交う。



■第七回。


 王立魔導学院(魔導技術院)が宮廷の管理組織のため会議に魔導技術院の官僚数名が参加。

 しかし確定情報の提出並びに学生たちへの聴取を拒否。


 補足:数名の参議が学生の個人情報の入手を画策したとの確定情報。罵声飛び交う。



■第八回。



 ■■■■が議長の不信任案を提出。

 反対多数により否決。


 補足:数名の参議が会議の乗っ取りを画策。



■第九回。



『怪童』の確認情報。

『聖』クラスの魔力を保有。

 魔法工学部各学科各専攻の優秀者を招集し統括。

『紐付き杖(仮称)』に用いられる新技術の全てを把握すると思われる。

 年齢は7歳から10歳。

 容姿端麗。

 所属、意匠科。

 城下街飲食店にて勤務。


 補足:情報元不明。性別不明。情報の真偽を問う声が多数。混乱増す。



■第十回。


 ■■■■が王立魔道学院内での特別捜査を提言。

 反対多数により否決。


 補足:会議の目的を逸脱。


 はぁ、またこいつだよ‥‥‥(端書き)



■第十一回。


 ■■■■が学生の召喚を提言。

 反対多数により否決。


 補足:明らかな逸脱行為。参議の資質に疑問。


 学生は保護対象ってわかってる?(端書き)



■第十二回。


 城下街飲食店特定。

 当該店舗責任者へ聴取を開始。


 補足:調査は情報局へ。


 あそこ行ったことある~。おいしんだよね(端書き)


■第十三回。


 ■■■■が議長の進行を妨害。

 会議を中断。


 補足:発言に身分を持ち出し、会議が混乱。


 ダメだあの人。宰相呼ぼう(端書き)



■第十四回。



 新たに宰相が会議に出席。

 議事録の公開を提言。

 賛成多数により承認。


 以降議事録の正確性を順守するものとし、一切の伏字を禁止。


 補足:書記官への圧力を確認。王室法務局として当該参議の退任を議会に進言。


 これからお前の記録残すから覚悟しろよ(殴り書き)



■第十五回。


 当該飲食店責任者、聴取を拒否。


 補足:聞き込みによる成果を確認。王国最大規模の冷凍冷蔵庫の存在を確認。


 内務大臣がまたうるさい。お前の提案全部違法だからな!(殴り書き、太字)


■第十六回。


 内務大臣が当該飲食店責任者の連行を提言。

 反対多数。


 補足:食堂のファン多数あり。違法捜査による強制連行は断固反対。



 えぇ~、みんな行ってたの? お忍びで~? うそ~すごい偶然~!(端書き)



■第十七回。


 内務大臣独断により連行を計画。

 王都駐留南部軍出動。

 バルロ=ノーツ一族各官吏ならびに軍上層部から正式な抗議。



 補足:内務大臣欠席。内務次官より現場との命令誤認によるものと釈明。




 部下にしりぬぐいして自分は雲隠れとか最悪だな(端書き)




 以上、ひと月を要するも事態の進展見ず。



 ◇


■第二十一回。



 事態の急速な動きを見る。




「杖の性能で騒ぎすぎなのだ。時間の無駄だ。混乱の原因である『怪童』を捕縛して終わらせればいい」



 内務大臣。

 騒いだのもお前なら混乱もお前のせいだろ。



「なら『紐付き杖(仮称)』は軍で正式に採用させてもらいますよ。当然、軍事機密として『怪童』の身柄も軍務局で預かります」


 軍務局長。

 所有権と所属の話は飛び過ぎである。

 まだ『怪童』が見つかってもいないのにする話では無い。先走り過ぎである。



「横暴だぞ軍務局長!! 技術を独占する気か!?」

「いやしかし、先ほど大した技術では無いと」

「止しましょう。技術は公正に公開しなければ。保護している学生たちから流出するような事態は避けるべきです。それに『怪童』がもたらしたのは混乱だけではありませんよ。物騒なお話は控えて彼の権利の保障と、それなりの地位を用意しましょう。彼の技術を等しく、正しく広めることで魔導後進国である王国の遅れを取り戻すきっかけになるでしょう。そのためにもまずは特定です。神殿に掛け合い、守秘義務契約の撤回を学生たちと協議するべきです。もちろん、それなりの保証を付けましょう」



 財務長官の意見でまとまりかける。

 ただ聞こえは良いものの、財務長官は自身の商会運営の増収を見込んでのこと。

 会議の情報を私的に流用する役得を狙っている節がある。

 バレバレである。




「問題の本質は魔導技術院だ」




 宰相が議論の焦点に疑義を呈する。




「本来、本件の中心として動くはずの魔導技術院が学院の運営母体としてしか機能していない事実。それを鑑み招集された本特設会議では各省庁の思惑により議論がまとまらない上に隠ぺい体質の縦割り人事により情報管理が滞っている。結果的に混乱を助長し対処が送れている。技術は広まるべきでだが手放しとはいかない。魔法技術全般を有力者が独占している現状では民間に浸透することなく、搾取と格差を助長するに過ぎん。問題と騒ぐだけでなく問題の詳細を分析し、技術の伝播を統制し、かつ各省庁の都合で動かず合理的に物事を進めること。それが現行の組織割りではできていない」




 宰相は本臨時特設会議の解散と再招集を提案。




「地位や役職に捕らわれず、各省庁に分散している魔法関連の識者と魔導技術院の統合により新たに『魔法省』の創設を提言する」




 宰相の『魔法省』新設案が可決。




 魔法技術の変化に対応し、人と情報の管理運用を一元化する目的。




「人選については試験と面接による各省庁からの上位選抜方式とする。異論反論口出しは国王陛下に直に行うように」






 ◇


 なんとか合格した。

 記録を継続。



 正式な設立までの調整期間は『魔導技術応用研究統合本部』略称『魔導技研』として運営。



 第一回招集会議。



 宮廷より。

 魔導技術院:王立魔道学院長、魔法工学部学部長

 財務庁財務室経理部:経理副部長、副部長補佐官

 財務庁財務室監査部:監査副部長、副部長補佐官

 宮廷魔導師団参謀本部戦略室:室長、室長補佐官、戦略官

 総務省宮廷工房加工技術官:工房長、技師長、工房経理部長




 中央省庁より。

 工部庁資材運用部:魔導係官

 魔法工学応用技術部構造建築班:客員魔導博士、班長、算術官

 工学部:技術官

 軍務局魔獣対策室応用研究所:副所長、魔獣生態研究室長、対魔戦略室長、対魔戦闘情報室記録官

 内務省情報管理局魔導情報部地方情報収集課:東部担当分析官

 法務省法案審査部:魔導部門審査官



 その他。

 南部軍統括本部ピストックノーツ方面魔法士師団情報参謀:参謀副官




 議長

 宮廷魔導師団長


 進行役

 軍務局魔法士師団長


 書記

 王宮法務局:局長秘書官





「議題に入る前に一人推薦したい人物が居る」





 宮廷魔導師団長が提案。




「人員不足は否めませんが人選をめぐっては公正な試験による決定です。それより前会議から引き継いだ案件について早急に対策を講じるべきでは?」




 進行役軍務局魔法士師団長が疑義を呈する。




「恐れながら私も反対です。この場に政治を持ち込むのは本末転倒です。前会議の反省を生かしましょう」

「一人推薦するなら各省庁にもこれという人材がいますものね」

「即席の会議です。まずは稼働をみましょう」

「まぁまぁ。それは議長もお分かりのはず。誰だか興味がありますね」




「ロイド卿だ」



「「「「「ああ‥‥‥」」」」」



「彼は王宮騎士団の所属なので今回試験を受けて居らんし、試験があることも知らんだろう。試験を受けさせてもいいが、時間が無駄なので、早急に招集をかけるべきと思うがどうか?」



 異議なし。



 満場一致で承認。


 王室近衛軍 統括本部 王宮騎士団 第一王女特選護衛騎士部隊紅月旗隊 第四席 ロイド・バリリス・ハート・ギブソニアが招集。



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