第3話 地球に転生 青年期
高校へ進学してからは、医学に関する勉強も並行して進めている。この技術が前世の世界で使えていたらどうだったのだろうか。食糧事情も何もかもが大きく異なっている。生活レベルを比較すると中世のヨーロッパ時代に近い感じになるのだろう。
前世では、魔法が使える者と使えない者がいた環境も違うのだが、現代科学のあり方が、この世界では、前世の魔法のような感じとなるのかと思う。ただし、全ての者が魔法を使えない点では平等であり、魔族や亜人もなく人間のみが存在している点も大きく違う。
この世界では、国により文化が大きく違うため、国によっては、前世と同レベルの環境で生活している者もいると想像がつく。
最近、魔力循環継続により、身体強化を常時行えるになっている。身体強化は、単に体力を上げるのみでなく、覚えるスピードもアップするため、このままいけば、医大も問題なく行けると思う。
身体強化により、様々な感覚を高めることも出来るようになってきていた。視覚の強化をすると、遠視なども出来るが、最近は、人の魔力の流れもわかるようになってきていた。この世界では、気の流れをコントロールするという解釈になる。
科学で進められている世界ではあるが、気をコントロールする点であれば、日本では合気道というものもあり、気の流れを意識してそれなりに鍛えている者もいるようだ。
大学では、西洋医学が中心になると思い、東洋医学の勉強も行っている。勉強に関しては、インターネットが普及しているため、図書館で勉強することも出来るし、ネットで勉強することも可能だ。
いろいろ述べたが、この世界では、魔力操作(気のコントロール)ようなものは、退化しているように感じるのが残念である。
高校3年になり、大きな問題もなく、ひたすら勉強の毎日を過ごしていたが、夏に家族で旅行していた際に事故に巻き込まれてしまった。
毎年夏になると家族で、キャンプ場に訪れて自然を満喫するのが恒例であり、大学受験を控えていたが、成績も問題ないため、私も参加して父の運転する車に同乗していた。
あと30分もすれば、キャンプ場に着くのであるが、父が急ブレーキをしたが対向車線を走行していたダンプカーの運転手がよそ見をして運転しており、父が運転する車にぶつかり、車はガードレールの隙間からダンプカーに押される形で、谷底へ落ちた。
谷底に落ちるまで60メートル近くあり、ダンプカーの勢いも激しかったため、車は何回転しながら転げ落ち、父と母は、そのまま他界することとなった。私は、身体強化していたが、頭を強く打ったため、助かったものの頭に大きな傷を負った。そして意識を失った。
気づいた時には、ベッドの上にいたが、完治するまで3ヶ月間の入院をすることになった。退院後は、保険金やら親戚のサポートもあり、自宅にそのまま住めた。受験は、諦めるつもりがなかったので、受験し、合格する事が出来た。
事故の時も、身体強化を継続していたため、死ぬことはなかったが危ない状況ではあった。魔法が使えれば、両親を救うことが出来たはずなのに、不甲斐ない自分に腹が立った。