第8話 本って結構重いよね
今日は、高田さんもバイトの日みたいだ。
「み、美紀さん、こんにちは〜」
「え、隼人くん、こ、こんにちは〜」
前に名前で呼んでって言ってたから呼んでみたけど驚かれた。はぁ〜緊張した〜笑
やっぱり名前呼びは慣れない。
「いきなり名前で呼ばれたからびっくりしちゃったよ。そのまま名前呼びで宜しくね!!」
「了解です」
名前呼びは継続みたい。。。
それにしても美紀さんテンション高いね。学校で何か良いことでもあったのかな?でも美紀さんがいると周りも明るくなるから良いことだね。
あ、そうだ。今日は入荷する本が多いって話だったような。
「今日は大量に本が入荷するって話でしたよね?入荷した本はどこですか?運びますよ」
「倉庫にあるから、本棚下の引き出しに入れていってくれる?」
「了解です」
倉庫に行くと、ダンボールが大量にあった。倉庫まで運ぶのも大変だったんじゃないかな?
数ヶ月に1回くらい人気作家の作品の発売日がかぶることがある。
今日は力仕事だけど頑張りますか。
* * *
倉庫と店内を行き来してようやくダンボールが無くなってきた。
こっちはある程度片付いたかな。ふと外を見るとだいぶ暗くなっていた。仕事に集中していたのもあって時間が過ぎるのが早く感じた。
さてと美紀さんのほうはどうかな?
美紀さん担当の場所に行くことにした。
「美紀さん、こっちはだいたい片付きましたけどけど、美紀さんの方はどうですか?」
「こっちはまだまだ掛かりそう、落ち着いたんなら先に帰っててもいいよ。後は私のところだけだから」
「え、手伝いますよ。一緒にやったほうが早いですよ!!」
「あ、ありがとう・・・じゃあ、お願いしても良い?」
「まかせてください」
本って一気に持っていくと重いよね。しかも女性だとより重く感じると思うし。
絶対に二人でやったほうが早いね。
このあと二人で本の整理を行った。
* * *
いつもより一時間以上も遅くなったかがようやく、本の整理が終わった。
店長からは臨時ボーナスをくれるって言われたので嬉しい。
「隼人くん、今日はありがとうね」
「いえいえ〜、全然大丈夫ですよ。力仕事は任せてくださいよ」
僕は力こぶを見せる。
「流石男の子だね」
少し照れてしまったので、話を変えることにした。
「そういえば、受験勉強は結構大変ですか?」
「うーん、大変ちゃ大変だけど、そこまで焦ってやってるわけじゃないよ。私って結構勉強できるんだよ〜受験する大学がレベル高いから、コツコツ頑張ろうかなって」
確かに焦りながら勉強しても頭に入らなそうだよね。
個人的に美紀さんはあんまり勉強ができないイメージでした。ごめんなさい。
「なんか失礼な事考えてるよね?」
なんかバレてる。
「いいいいいえ、そんなことは」
「なんか凄い挙動がおかしいけど・・・じゃあそういうことにしておこうかな。」
ふぅ〜セーフ。
「・・・」
「あ、そうだ、知ってると思うけど、今月末でバイトを辞めるから、隼人くんの負担も大きくなるかもしれないけど、頑張ってね!!」
そうだった。もうすぐだ。
「大丈夫です。任せてください。美紀さんの送別会?やりましょ。今度誘いますね」
「嬉しい!!それって二人っきりでってこと?」
二人っきり?店長とか他のバイト仲間とかも誘おうと思ってたけど。
どうしよう?
「僕と二人っきりでも良いんですか?」
「うん。全然良いよ。ありがとね。楽しみに待ってるね!!」
美紀さんは嬉しそうに言ってくれた。
どんなお店に招待しようかな?考えるのも楽しい。
美紀さんと会えなくなるのは寂しい気持ちがあるけど、美紀さんは前を向いて歩いている。僕にできるのを応援することだけだよね。頑張ってくださいね。美紀さん。
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