第64話「質問あるんですけど良いですか?」
第64話「質問あるんですけど良いですか?」
ゆき達4人はリフト降り場から少し離れた所で、リフトに乗って上がってくるガンデムーンのチームを待っていた。
8人のロボットコスの人と、登場人物のコスをした人、合計8人のチームだ。
ゆき「いち……に……さん……8人。大きいチームなんだな……」
ののこ「チーム全体はもっといるそうよ。全国に30人以上いるらしいわ」
れぃ「30人!?ひとクラスじゃん!」
まみ「全国……って?」
ののこ「文字通り北海道から九州までメンバーがいるそうよ」
れぃ「マジか……みんなロボットのコスしてんのかな」
ののこ「撮影スタッフやキャラコスの人もいるみたい。総勢30人ちょっと」
まみ「お姉ちゃん、詳しいね」
ののこ「うん。去年偶然お会いして、相互フォローになって色々お話しさせてもらった」
ゆき「最初から30人でチーム始めたのかな?」
ののこ「最初は数人で始めて、徐々に増えて行ったみたい」
れぃ「もうすぐリフト降りて来る!なんかドキドキする」
ゆき「リフト乗ってるあいさも、下から手を振ってる人とか、カメラ向けてる人にリアクション返してる。一人も見落としてねぇのがエグい」
最初にリフトから降りて来たのはチームリーダーのガンデムーンの人だ。
話すキッカケを作る為にののこがガンデムーンに近付き、声をかける。
ののこ「ガンデさん、お久しぶりです!ののこです!」
ガンデ「おぉ〜!ののこさん!おひさ〜!あれ?前はローシェリーやったよね?新作?」
ののこ「そうなんですよ〜」
ガンデ「アスカ、ええやん!めっちゃカッコ良い!」
そのやりとりを目を丸くして聞いていたまみ達3人。
小さな声でコソコソ話す。
れぃ「おい、ゆき!関西弁!関西弁だぞ!」
ゆき「ののこさんとガンデムーンさん、えれぇ仲いいじゃん」
ののこ「ガンデさん、後でお写真いいですか?」
ガンデ「もちろん!喜んで!もうちょっと待ってくれたら全員集まるから……」
リフトから続々とロボット達が降りてくる。
ゆき「どれも作り込みがエグい!」
れぃ「ひょっとして、衣装……布!?」
ののこ「あと、あたしの妹とその友達も一緒なんですけど、いいですか?」
ののこはチラとまみ達に視線を送る。
それに気付いたまみ達は軽く会釈をする。
ガンデ「もちろん!なんなら指定のポーズもするで。遠慮なく言ぅてや」
そうこうしているうちにガンデムーンのチームの半分以上がリフトから降り、続々と集まってくる。
ガンデ「ここだと他の人の動線塞いでまうから、ちょっと移動しよっか。じゃあ、あっちに」
そう言うとガンデは降り場から少し離れた邪魔にならない所を指差す。
それと同時にびっくりするくらい通る声で他のメンバーに声をかける。
ガンデ「各小隊、写真撮影の為移動!」
その声を聞いたメンバーの人達は、野太い声で「うぃ〜っす」と応える。
ガンデ「じゃあ、移動しよっか」
そう言うとガンデムーンのチームのボーダーは少し離れた撮影ポイントまで片足にボードを着けたまま滑って行く。
ゆき「え?何であれで滑れんの!?」
スキボの人達も短い距離だが、くるくる回ったり片足で滑ったりして移動する。
しかも着ぐるみのコスチュームを着込んで大きな武器を持ったまま。
ののこ達は外した板を抱えて移動。
少し離れた所に板を置いてガンデムーン達がいる所に行くと既にロボット達は整列していた。
その列の端に入ろうとすると、紫色のロボットがゼスチャーしながら声をかける。
ド・ムーン「どうぞ、真ん中に」
ののこ「いいんですか?」
促されるままののこ達は真ん中に移動。
ガンデムーン達に同行していた唯一普通のウェアを着た人がののこに近付き声をかける。
カメラマン「あ、スマホ預かります」
ののこはスマホを渡す。
カメラマン「写真はこれで撮って後でデータを皆さんでシェアしてもらう感じでいいですか?」
ののこ「はい、それでお願いします」
そのやりとりをしている間にガンデムーン達はののこ達を中心に既に配置に着いている。
カメラマン「はーい、じゃあお願いしまーす。3、2、1……もう一枚行きま〜す」
その声に反応して全てのロボットがポージングを一斉に変える。
れぃ「すげぇ!すげぇ!」
カメラマン「はーい、行きま〜す。3、2、1……」
ガンデ「ラスト1枚!狙え〜!」
その合図で全てのロボット達がののこ達に銃口や剣先を向け、集中砲火しているようなポージングになる。
ゆき「きゃ〜〜っ!面白〜い!」
カメラマン「3、2、1……はーいOKでーす」
3枚目の写真を撮り終えると、ロボット達は密集を解く。
ガンデ「他、撮りたい写真とかあります?ツーショとか……」
ゆき「はいっ!ガンデムーンさんとツーショ撮りたてぇだ!」
ゆきが勢いよく手を上げる。
ガンデ「喜んでっ!……シルフィードさん、鎧の作り込み凄いっすね〜。自作ですか?」
ゆき「はい!お父さんが作ってくれました」
ガンデ「すっげ!動きを考えて作られてる。素材は……ジョイントマットかな?」
ゆき「はい!」
カメラマン「良いですか〜、何枚か撮りまーす。3、2、1……」
シャッター音が何度か聞こえる。
その度にポージングを変えるガンデムーン。
撮影が終わると今度はれぃが進み出る。
れぃ「次、あたしいいですか?」
れぃは緊張しているのか、いつもとキャラが違うし、言葉も長野弁控えめだ。
ガンデ「もちろん!グルキャナックちゃんだよね?クオリティ、ハンパないね〜」
れぃ「はいっ!ありがとうございます!」
れぃにしては珍しく、少し緊張したような硬いポージング。
即座にガンデが口を出す。
ガンデ「こっちからポージング指定してえぇかな?胸張ってふんぞり返ってるポーズお願いしたいんやけど」
れぃ「あっ、はいっ!もちろん!」
パシャ
ガンデ「次は片手を腰に当てて、部下を指差して叱りつけてる所!」
れぃはその説明だけでどのシーンかすぐにわかる。
そしてそのポーズを取ると、指差した先にガンデムーンが正座をして叱られているような構図にする。
「ドジまぬ」と「ガンデムーン」の異色のコラボ写真だ。
パシャ
ガンデ「最後!目チョキのポーズ!」
れぃは楽しくて仕方ない。
次から次に自分の好きなシーンやポージングを指定される。
しかもその写真との併せのガンデムーンのポージングがどれも絶妙に面白い。
パシャ
れぃ「ありがとうございましたっ!」
普段、無表情キャラのれぃが満面の笑みでまみ達の所に小走りで戻って来た。
まみはそれを笑顔で迎える。
ガンデ「えっと……」
流れで言うなら、次は巫狐のコスプレをした子なのだが、一歩前に出てくる様子は無い。
ガンデ「すみません、巫狐さんとも撮りたいんやけど、えぇかな?」
まみ「え……あ……はい……」
2歩ほど近付き、何故か後を振り返るまみ。
それを見てガンデムーンは持っていた盾とバズーカー砲をポイと投げ捨てる。
ガンデ「格闘シーン撮りたいんやけどええかな?」
まみ「あ……はい……えっと、どう言う感じでやったら……」
ガンデ「ゲームスタート時のお互いの構えのポーズからお願いします」
ゲームで幾度となく見ているシーンだ。
まみはスッと構えのポーズを取る。
一方ガンデムーンは、もちろん作中では格闘シーンはあれど、構えるようなシーンは無い。
しかしガンデは、まるでカンフー映画のようなポージングを取る。
そのミスマッチが妙に面白い。
パシャ
ガンデ「次、ちょっと躍動感ある写真撮りたいんで、タイミング合わせて正拳突きを繰り出して下さい。カイさん、俺の背後から肩越しに巫狐さん撮って。俺はピンボケにして巫狐にピント合わせる感じで」
カイと呼ばれたカメラマンは手を挙げて応える。
カイ「ガンさんもうちょい右……少し低くなれます?……そうそう、行きます。巫狐さんカウントダウンに合わせて正拳突き繰り出して下さい。連写しますんで、じゃあ、3、2、1……」
カイは1のタイミングでシャッターボタンを長押しして連写で撮影する。
まみは言われたとおり、ゲームの巫狐を再現するように、見様見真似で正拳突きを繰り出す。
カイ「こっちのスマホでも撮ります。お願いしまーす。3、2、1……」
パシャシャシャシャシャ……
カイ「ガンさん、良い写真撮れましたよ」
そう言うとカイはガンデにスマホを見せる。
ガンデ「おぉ〜〜!ええやんええやん!さすが!サンキュっ!」
カイ「あと撮りたい写真あるんですけど……」
ガンデ「オッケー。どんなん?」
カイ「裏十二支戦記で巫狐がノーダメージでKOした時の特別な勝利ポーズを巫狐さんにしてもらって、ガンさんがやられた敵役になって巫狐の前に倒れてる。……で、倒れてる時のポーズがガンデムーンで最後敵と相討ちになって倒れてる時のポーズで……」
ガンデ「オモロイっ!やろう!」
言うやいなや、ガンデはまみの前に寝そべり、朽ち果てたガンデムーンのポーズを取る。
カイ「じゃあ巫狐さんはガンデさんの後でポーズ……あ、もうちょっと前…、そこ!撮りまーす3、2、1……オッケーでーす」
ガンデはガバと起き上がり、写真を確認する。
ガンデ「アハハハハハハ!オモロイ!これええわ〜。巫狐さんも見て見て〜」
そう促し、カイはスマホをまみに見せる。
まみ「ぷっ……ククク……」
ガンデ「ウケたウケた」
カメラマンのカイさんも満足げな笑みだ。
ガンデ「巫狐さん、他撮りたい写真とかあれへんかな?」
まみ「はい、大丈夫だ。ありがとうござんす!」
まみも満面の笑みでお礼を言う。
さすがにこの異常さには、ののこだけでなく、ゆきやれぃも気付いた。
ののこ・ゆき・れぃ「「「まみが初対面の男の人と喋って笑った………」」」
絶句する間もなく、ガンデが今度はののこに声をかける。
ガンデ「そういやののこさん、今シーズンのステッカーって渡して……ないよね?」
ののこ「あ、去年もらいましたよ」
ガンデ「去年……って事は今シーズンのステッカーはまだって事やんね?え〜っと、ののこさん入れて4人やね?」
ののこ「はい……え?今シーズン?」
ガンデ「うちのチーム、ステッカーデザイン毎年変わるんよ。配布はその年限定。無くなり次第、配布終了」
そう言いながらガンデムーンは盾の裏側に設置されたポケットからステッカーを4枚取り出し、ののこから順に一枚ずつ渡して行く。
ののこ「ホントだ!デザイン違う!今年のもかわいい!」
ガンデ「みどちゃん、ステッカーデザインかわいいってよ」
みどちゃんと呼ばれたロボットがこちらに顔を向ける。
みど「え〜、めっちゃ嬉しい……」
その声にののこ達は一斉に反応する。
ゆき「えっ!女の人?」
みど「女やで」
れぃ「かっけぇ!」
ののこ「すみません、皆さん男の人だと思ってました」
みど「よく言われます」
まみ「あの……このステッカーのデザイン、かわいいです」
みど「やった!ありがとっ」
これにののこがまた驚く。
ののこ『相手が女の人とは言え、真由美が自分から声かけた!』
ガンデ「あと、ののこさんSNSで言ってたガンデムーンの手にのるやつやる?」
ののこ「いいんですか?乗りたい乗りたい!」
ゆきはコソッとれぃに聞く。
ゆき「れぃ、『手に乗る』ってどう言う意味だ?」
れぃ「あたしに聞くな。まみ、わかるか?」
まみ「ガンデムーンの中の専門用語かな?」
ののこがガンデに手招きされ、何やら打ち合わせをしている。
ガンデ「じゃあそこにおって下さい。カイさん、よろしく!十六夜少佐がガンデムーンの手の上で戦意高揚の演説した時のイメージで」
カイ「りょーかいでーす」
そう言うとガンデとカイはののこから離れる。
ゆき「あれ?写真撮るんじゃねぇの?」
ガンデはののこから10歩ほど離れるとそこで立膝ついて座り、右手の手のひらを上にしたポーズで動きを止める。
カイ「ガンさんもう少し手を上。そこ!ののこさんポーズお願いします」
ののこは合図と共に手をカメラマンの方に翳すポーズ。
カイ「撮りまーす!3、2、1……」
パシャ
ガンデ「いけた?」
カイ「バッチリです」
ガンデとカイがののこの所に戻る。
れぃ「……何?どう言う事?」
横から見ていたゆき達は何をやっているかさっぱりわからない。
お互い顔を見合わせ、首をかしげているとののこが撮った写真を見て声を上げる。
ののこ「すごーい!乗ってる〜!」
興味を押さえきれず、ゆき達もののこの元に駆け寄る。
覗き込んだスマホには、遠近法を使い、ガンデムーンの手のひらの上にののこが乗っているように見える写真が写っていた。
ゆき・まみ・れぃ「「「すごーいっ!」」」
ゆき「あたしも乗りたい!」
れぃ「あたしも!」
まみ「……あ、あたしも」
ガンデ「丁度いいや。三人そこに居て。カイさん、もっかいお願い」
カイ「はーい」
さっきと同じようにガンデは膝まき、手のひらを上に向けるポーズをする。
カメラマンから少し指示が飛ぶ。
カイ「三人もっとくっついて下さい。手の上に乗りきらない」
ゆき達は、後にゆきとまみ、その間にれぃが来るように二列になって並びなおす。
カイ「オッケー。入った。撮ります3、2、1……。次は1人ずつ交代で……」
こうして三人全員がガンデムーンの手の上に乗る写真が撮れた。
ののこ「ガンデさん、時間取らせてしまってすみません」
ガンデ「かめへんよ〜。俺らこれが楽しみでコレやってんやもん」
周りを見るといつの間にか人が集まって来ていて、各ロボットがそれぞれ写真撮影対応している。
ゆき「あの!ガンデムーンさん、質問あるんですけど良いですか?」
ガンデ「うん。何でも答えるよ」
ゆき「ガンデムーンさん、盾とか大砲持って滑ってますけど、風圧とかどうしてるんですか?」
ガンデ「耐える」
ゆき「耐える?」
ガンデ「冗談、冗談」
フルフェイスのマスクを被っているので、いまいち冗談かマジなのかよく判らないゆき。
ガンデ「俺、スノボ始めて3回目にはガンデムーンデビューしてるんで、これ持って滑るのが当たり前になってるんよ。んで、やってると良い感じで風の影響を軽減できる持ち方とか、風のいなし方とか解ってくるんよ」
ゆき「いなし方?」
ガンデ「風で盾が煽られたら、最初は風に逆らわず、徐々に風の影響を受けない角度に持って行く感じ……かな」
ゆき「その大砲も?」
ガンデ「そうそう。武器はアクションが入るから、風の影響を受けにくいタイミングでアクションして、それ以外はなるべく風の影響を受けない角度で持ってる」
ゆき「やっぱり経験……か」
ガンデ「せやね〜。風が吹く方向や強さ、スピード、滑り方で全部変わるから『これ』って言う方法が無い……って感じかな」
ゆき「わかりました!ありがとうございます!」
れぃ「あの……あたしも質問良いですか?」
ガンデ「はいはい、ナンボでも」
れぃ「ガンデさん、スノボ始めて3回目でガンデムーンデビューって言っておられましたけど、最初からスノボ上手かったんですか?」
ガンデ「まさかっ」
ガンデは短く笑う。
ガンデ「聞いての通り、俺、大阪人なんやけど……俺、笑かすのは好きやけど、笑われるのは嫌いなんよ」
「笑い」と言うキーワードに、お笑い好きなれぃは目を輝かせて聞き入る。
ガンデ「最初コケまくってるのを笑われて、悔しかったから『笑われるくらいなら笑わせたる!』ってガンデムーンデビューしたんよ」
れぃ「あの……ガンデムーンでコケたら笑われません?」
ガンデ「笑われるよ。でも俺の中では、それは『笑わせた』って事になるんよ。コケるのもパフォーマンスの一環って事」
れぃ「メンタル最強っすね!」
ガンデ「メンタルがどうかは知らんけど、見られてるって意識があればぬるい滑りはできんのよ。そしたら普通にウェアで滑るより上手くなるのが早いってメリットはあるで」
れぃ「マジ、リスペクトっす!」
ガンデ「ハハハ、ありがとう。でもこんな上達方法は邪道やからマネするのはオススメせぇへんで」
まみ「あの……あたしも質問良いですか?」
ゆき・れぃ『『まみ!?』』
ガンデ「ほいほい。何でっしゃろ?」
まみ「さっき滑ってる所を拝見したんだが、リフト上の人や写真対応、全ての人にファンサしてましたしなぃ?あの……何て言ったらいいかわかんねぇんだけど、何でそこまでできるんか?」
ガンデ「ん〜………難しい質問やね〜」
まみ「すっ……すみません!」
ガンデ「いや、全然ええんよ。あまり考えてやってないから……、意識した事無いんやけど……結論から言うと『楽しい』から……かな」
まみ「『楽しい』……から……」
ガンデ「『楽しい』が大前提としてあるやけど、写真対応とか手を振り返したりしたら、みんな喜んで笑顔になってくれるんよ」
確かに。
まみ自身もガンデと一緒に写真を取って楽しかったし、たぶん笑顔になっていたと思う。
また、リフトの上から手を振ったり、滑っているガンデムーンにリアクションしてもらった人の全ては笑顔になっていた。
ガンデ「恩師の教えで『笑顔になった人生は幸せ。笑顔にした人生は尊い』って言葉があってね。俺みたいなオッサンボーダーでも人を笑顔にできる。それが嬉しいし、結局の所、俺が『良い生き方』したいだけなのかもね」
この言葉にまみは衝撃を受けた。
まみはこれまで、人見知りで人を笑顔にするなんて考えた事も無かったし、自分ができるとも思っていなかった。
だが考えてみれば、コミゲの時も、体育祭の時も、文化祭の時も、今朝の写真撮影の時も、写真を撮ってくれた人は皆笑顔になっていた。
ガンデ「ガンデムーンって、もう随分昔の作品だけど、未だに人気があるコンテンツで、知名度も高い。コスプレって画面の中のキャラクターが実際に動いて『見たかった光景』を見せる事ができるんよな」
確かにガンデムーンと言う作品を観た事は無いが、ガンデムーンと言うキャラクターは知っている。
作品中でガンデムーンがどんな活躍をしているかは知らない。
だが、ガンデムーン達が滑っている所を見ると、戦闘シーンはこんな感じだったのかと想像する事ができた。
まみ「あの……さっきれぃちゃん……あ……グルキャナックちゃんと一緒に写真撮ってた時、おつくべ(正座)して怒られてるような写真撮ってましたけど、ガンデムーンの中にもあんなシーンがあるんか?」
ガンデはそれを聞いて声を出して笑う。
ガンデ「ハハハハハハ!無い無い!あれは言うなればパロディ。カッコ良いと面白いの両立……って言うのかな。そう言うギャップ的な物を演出できるのも面白さの一つかな〜って思ってやってんやけどね。ウケてるかどうかは知らんけど」
まみ「いえ……あの……面白かっただ!」
まみはそう答えると、ペコリと頭を下げてゆき達の所に小走りで戻った。
周りの写真撮影も一段落ついたようだ。
ガンデ「おっしゃ、ほなボチボチ行こか〜」
その呼びかけにメンバーがまた「うぃ〜っす」と太い声で反応し、スノボメンバーはバインディングを着けた始める。
ガンデ「ののこさん、良かったら1本一緒に滑る?」
ののこ「嬉しんですけど、この子達まだビギナーで付いて行けないから」
ガンデ「あぁええよ。そっちのペースに合わせるから」
ゆき「一緒に滑りてぇ!」
れぃ「あたしも!」
まみは同意の意味で無言でそっと手を上げる。
ガンデムーン達とののこ達のコラボ滑走が始まろうとしていた。