表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/55

第4話「向井玲奈は夢の中」

第4話「向井玲奈は夢の中」


まみとののこがLINEで話をしている頃、れぃの家では……。


れぃ「母さん、友達とスノーボードする事になったからバイトする」


母「あいよ。お父さんにも言っときなよ」


れぃ「あいよ」


タイミング良く玄関の扉が開く音がする。


れぃ「おかえり」


父「……ん。ただいま。」


れぃの父親は厳格な雰囲気を漂わせ、口数も少ない。


父「何だ?何か言いてえ(言いたい)事があるのか?」


この辺りはさすがに父親だ。

私の雰囲気を察して父親から聞いてきた。


れぃ「友達とスノーボードする事になったから、友達の親戚がやってる林檎農園でバイトする」


父「……」


れぃ「えーっと……ダメなやつ?」


父「うっそ!マジ?玲奈、スノボ始めんの?いいじゃん!うっわぁ〜、父さんもやってみてぇ!」


れぃ「その急にテンション変えるの止めろ……


と、れぃは父にツッコむが、れぃも好きな事に対してはテンションが上がる癖がある。


また、れぃの決断の早さも母親譲りなのかもしれない。


身長150cm、血液型はA型。


れぃは色々と矛盾を具現化したような人物だ。


普段は寝癖があっても気にしないくらい外見に無頓着だが、服はオシャレで可愛い服を好む。

ただこの「オシャレで可愛い」も独自の世界観による判断基準に基づいており、一般的な「オシャレで可愛い」とは多少のズレがある。


人と喋るのは嫌いじゃないし、むしろ好きだが自分から話しかけるような事はしない。


スポーツ全般得意だが、基本的にインドア。


得意な科目は数学だが、嫌いな科目も数学。

好きな科目は美術だが、成績は1。


乗り気にならない事は、頑としてしない。


はたから見たら無愛想で無表情。


そんなれぃだが、実は「おもしろい人」に憧れを持っている。


れぃがコミゲ(コミックゲノム)でしたコスプレも「ドジでマヌケな魔王がいたっていいじゃない」と言うファンタジーギャグアニメの主人公グルキャナックと言う魔王の女の子だ。


挿絵(By みてみん)


言うなれば、可愛いと笑いの融合体。


れぃの中では、スノーボードでカッコよく滑るのも目的の一つだが、カッコよく滑った後にドジってコケる。

これこそが、れぃの表現したいグルキャナックの姿。


後にグルキャナックのコスプレでスノーボードをしている所をコスプレ滑走イベントの取材に来ていたTVに写り、それをきっかけに芸能界入りする事になる。


「滑るのにスベらないコスプレスノーボーダー女芸人」として一気にトップタレントになる。


また2030年長野で開催された冬季オリンピックのイメージキャラクターに起用され、開会式に出演。

コスプレでスノーボード滑走する映像が世界中に放送され世界中に認知される事になる。


それをきっかけに海外でも人気が高まり、ついには女優としてハリウッドデビュー。

そこで共演した人気俳優と結婚。


35歳の時にアカデミー賞主演女優賞を獲得。


ますますの活躍を期待されるも突然の電撃引退宣言。


「私、普通の女の子に戻ります」と言う引退宣言と、「35歳で女の子とか言ってボケてるのにツッコミ無しか〜い」はその年の流行語大賞に。


引退翌年、突如作家としてデビュー。

各賞を総なめにする。

そのデビュー作はアニメ化、劇場版アニメ化となり……」


弟「お母さん!姉ちゃんがまたアホづらしてぶつぶつ何か言ってるよ!」


母「また妄想の世界に行ってんでしょ。いつもの事じゃない」


弟「いや、ちょっとは心配しろよ」


父「はっはっはっ。玲奈は想像力豊かだなぁ」


弟「いや、それでいいのか?(汗)」


れぃ「この時家族の誰もが、玲奈の妄想と笑っていたが、これが大いなる予言であった事を後に知る事になる」


弟「自分でナレーションするな!痛いわ!」


れぃ「『痛い』でおもいだした。誰か知り合いでスノーボードの板とか道具のお下がり譲ってくれそうな人知らない?」


父「そうだなぁ……。拓哉に聞いてみるか。」


れぃ「拓哉おじさん?」


父「あいつ白馬でペンションやってるだろ?確かにペンションにレンタルの道具一式があるはずだし、数年ごとに買い替えなきゃいけないって言ってたからあるかもしれん。一度聞いてみればいい」


れぃ「ありがと」


夕食後、拓哉おじさんに電話する。


拓哉おじさんは私が言うのもなんだけど、ちょっと変わり者。


拓哉「はい、ペンション木馬です。」


れぃ「もしもし、おじさん?玲奈です。」


拓哉「お〜!玲ちゃん?どした?」


れい「おじさんとこ、いらないスノーボードの道具ねぇ(ない)?」


拓哉「あるよ。何?玲ちゃんスノボ始めるの?」


れぃ「うん。友達に誘われた。」


拓哉「あるよ。玲ちゃん身長何センチ?」


れぃ「150」


拓哉「それだと……135か。ジュニアサイズで135あったような気がするな〜。足は何センチ?」


れぃ「23」


拓哉「おっけ。じゃあ、探しとく。見つかったらまた電話するから。」


れぃ「ありがと」


拓哉「冬になったら、おじさんとこに友達と泊まりにおいで」


れぃ「うん。ありがと。」



いきなりスノーボードと道具を手に入れる算段がついてしまった。

しかも宿泊施設まで確保。


でも、先立つ物はいるからな。

バイトはしよう。

ちょっとバイトってのも楽しみだし……。



翌日、おじさんから連絡があった。

スノーボードとブーツ。

それからブーツとスノーボードを固定する「びよん」だか「ばいん」だか言う物もあるらしい。


ただ、ウェアは余っている物が無かったようなので、ひとまずバイト代はウェアを買う資金にしよう。

いきなりコスプレでスノーボードをやって衣装が破れてもいけないし。


こうしてれぃのスノーボードの準備は着々と進んでいた。


弟「お母さん!お姉ちゃんがまたぶつぶつ言って……」


れぃ「ええぃ!いちいちうるせぇ!(怒)」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ