第15話「体に近い物からお金をかけろ」
第15話「体に近い物からお金をかけろ」
体育祭後の浅野真由美フィーバーは、まみが勇気を振り絞り新聞部員に目立つのは嫌なので取材には応じられない旨を伝えた事によりかなり落ち着いた。
もちろん新聞部員に断る時、ゆきやれぃを始め、クラスメイトが一丸となって擁護してくれたのも大きかった。
人づてにまみのLINEを聞こうとした他クラスの男子生徒に対してもクラスメイトが全て突っぱねた。
また、マネージャー斡旋や放送部のお昼の放送のゲスト出演の話も、まみ本人がきちんと断り、それ以降その話が来る事はなかった。
もっとも、マネージャーやゲスト出演の話は断る際のまみのあたふた具合で依頼側も無理だと判断した所が大きいと言う事もあるだろうが。
だが、まみ達の知らない所で浅野真由美ファンクラブは結成されていた。
この事実を知るのは、まだ先の事になる。
また、この事をきっかけにまみは少し声を大きくしてクラスメイトにも挨拶できるようになった。
まみ「ぉはょ-」
女子生徒「おはよー」
男子生徒「おーっす」
まみ自身も少し人見知りがマシになったと言うか、少し強くなったのか、廊下ですれ違いざまに他所のクラスの生徒の「あ、巫狐やってた子だ」と言う声にも、ぎこちないながらも愛想笑いで会釈できるくらいにはなっていた。
今日は久しぶりのクラブ。
ゆき「美紅里ちゃん、メンテナンスの事色々調べたんだが、まずワックスって固形とかペーストとかスプレーとか色々あるが、どれを使えばいいんか?」
各々、部室の適当な所に座り、スナック菓子を取り出し、最初から座談会な雰囲気。
美紅里「おっ!色々調べたみたいだね。ワックスはぶっちゃけどれでもいい。ただ、それぞれ長所と短所があるの」
れぃ「……性能の話?……」
美紅里「それもあるけど、ワックス入れる作業がめんどくさいけど長持ちするか……とか、お手軽だけど2〜3本滑ったらまたワックス入れないといけない……とか」
まみ「結局、どれがいいんか?」
美紅里「私の感覚だけど、どれも一長一短でどれがいいとは一言では言えないね」
ゆき「美紅里ちゃんはどれを使ってるだ?」
美紅里「私はホットワックス。固形のワックスをアイロンで溶かして塗るやつ」
れぃ「……メリットとデメリットは?……」
美紅里「メリットは長持ちするのと長い目で見たら安上がりな所。デメリットは手間なのと初期投資にお金がかかる所」
まみ「お金がかかるのはちょっとなぁ……」
美紅里「道具は紀子が持ってるでしょ?」
まみ「お姉ちゃん、東京に持って行ってないのかな?聞いてみる」
れぃ「……一番安くできるのは?……」
美紅里「長い目で見たらホットワックスなんだけど、初期投資できないならスプレーワックスかなぁ……」
ゆき「アイロンって家にあるアイロンじゃダメなんか?」
美紅里「ダメ……じゃないけど、多分お母さんに怒られるよ。ワックスでベタベタになっちゃうから(笑)」
れぃ「……初期投資ってそれだけ?……」
美紅里「必要なのは、ワックス、アイロン、ワクシングペーパー、スクレーパー、ブラシ。とりあえずこれだけ。ワックスとアイロンとワクシングペーパーは買わなきゃいけないけど、スクレーパーとブラシは安く手に入れられるよ。この二つはどのワクシングでも必要だから持っておいた方がいい。スクレーパーは私が自作したのがたくさんあるから一人一枚ずつあげるわ」
ゆき「やった!ブラシは?」
美紅里「今度実物を見せてあげるから、それを見て自作する方法考えてみな」
まみ「次の質問いいか?」
美紅里「お?何だ?」
まみ「ウェアを買おうと思ってサイトとか色々見てるんだが、値段もバラバラだし、中には屋外作業用の防寒服でもいいって言ってる人もいて……何を基準に買えばいいか?」
美紅里「えーっとね、これも私の個人的な意見だけど『初心者は体に近い物からお金かける』ってのがあってね……」
れぃ「……体に近い?……」
ゆき「あ、まみ、それ美味しそう!ちょうだい!」
まみ「いいよ〜」
美紅里「そ。だから最初、板は安物でいい。高価な板を買っても扱いきれない訳だし。あ、私もちょうだい」
まみ「どうぞ〜」
ゆき「体に近いってのはどう言う意味?」
美紅里「直接体に触れる物って言ったらわかり易いかな」
まみ「……下着って事?」
美紅里「まぁ下着はさておいて、例えばヘルメット、ゴーグル、インナーシャツ、タイツ、靴下、次にプロテクターやブーツにお金を優先的に使うべきだと考えてるの」
ゆき「ウェアとかも後回しでいいんか?」
まみ「それにヘルメットとか、そんなプロみたいなカッコしてたらおかしくねぇかな?」
美紅里「まみ、その考え方は逆。上手い人は転び方も上手いの。だからビギナーこそヘルメットを被るべきなの」
ゆき「ヘルメットっていくらくらいするんだらず?」
れぃ「……スノーボード……ヘルメット……検索……安い順……」
れぃはスマホで早速調べる。
ゆきとまみも覗き込む。
ゆき「あ、意外と安い」
まみ「でもKidsって書いてる」
れぃ「……kidsはダメだらず……」
ゆき「じゃあ、この辺?」
まみ「6000円かぁ……」
れぃ「……美紅里ちゃん、6000円くらいのヘルメットで大丈夫なか?……」
美紅里「スノボ用のヘルメットとして売られている物なら、まず大丈夫」
れぃ「……インナーやゴーグルを優先する理由は?……」
美紅里「スノボって雪のある所でやるから寒いと思ってるでしょ?」
三人は顔を見合わせ頷く。
美紅里「スノボ、めっちゃ暑いよ。それこそ汗かくくらいに」
ゆき「あ、その汗でゴーグルが曇って見えなくなるんだ」
美紅里「半分正解。ゴーグル内の湿度もあるけど、曇りの一番の原因はゴーグルの中と外との温度差による結露。ビギナーなのに雪面の状態がわからなくなるくらいに視界が悪かったら滑れる?」
三人とも首を横に振る。
れぃ「……外気温と内気温の差で曇るんならサングラスとかじゃダメ?……」
美紅里「ゆき、眼鏡かけた状態で砂ぼこりが舞っている所に行っても目に砂が入ったりしない?」
ゆき「普通に入りますね」
美紅里「そ。つまり雪が降って来たら、目に雪が入って目が開けてられなくなるの。だからサングラスはおすすめしない。それにコケたらサングラス、吹っ飛んで行くよ」
まみ「じゃあ、どんなゴーグルがいいの?」
美紅里「せめてダブルレンズのゴーグル。ダブルレンズってのは、ゴーグルのレンズが2枚使われてて、内気温と外気温の差を軽減してくれる。だから曇りにくい」
ゆき「曇り止めとか塗ってもダメ?」
美紅里「しないよりした方がいい程度。あまりあてにしない方がいいわね」
まみ「シャツとかタイツは?」
美紅里「さっきと言う事が矛盾するみたいになるけど、スノボは暑いけど寒いのよ」
れぃ「……わけわかめ……これ、茎わかめ……」
まみ「あ、茎わかめちょうだい!」
美紅里「滑ってる時は汗かく位に暑いけど、気温は低い。スノボはずっと滑ってる訳じゃなく、リフトに乗ってる時間とかもあるの。つまり、汗で濡れたインナーを着て氷点下の気温の中じっとしていたら?」
ゆき「凍える」
美紅里「正解。だからシャツやタイツは吸水性と同時に、すぐ乾き、さらに暖かくないとダメ。凍えて震えるようになっちゃったら滑るどころじゃなくなるし、例え滑っても体が凍えてたら上手く動かない」
れぃ「……ウニクロのホットテックとかでいいのか?……」
美紅里「ダメ。ホットテックは体から出る湿度に反応して暖かくなるけど、汗だくになる程の発汗は想定してない。だから吸水性は良く無いの。結果、体に汗が残って冷える」
ゆき「お腹冷やしてしまいそう……」
まみ「美紅里ちゃんはどんなの着てるだ?」
美紅里「あたしはスポーツメーカーから出てる機能シャツ。さっき言った条件を全て満たしてるの。雪山登山とかにも使われる物よ」
れぃ「……でもお高いんでしょ?……」
ゆき「TVショッピングのサクラかよ(笑)」
美紅里「そうね、1枚4000円くらいはするかな」
まみ「え〜〜〜っ!」
美紅里「まぁ機能シャツは後々でもいいわ。でもインナーを軽視したらダメって話ね」
ゆき「あとはプロテクター?」
美紅里「そう、特にヒッププロテクター。これは絶対に買っておきなさい。尻もちつくと痛いでしょ?この前も言ったけど、転ぶとけっこう痛いわよ」
れぃ「……プロテクター付けてたら痛くねぇ?……」
美紅里「痛いわよ。でも付けてないより断然マシ。それにプロテクターせずに雪の上に座るとお尻が冷たいのよ」
ゆき「あ、それは嫌だな(笑)」
まみ「あとは靴下……」
美紅里「スポーツ量販店で売ってるスキースノボ用の靴下でいいわ。足が痛くなったら滑るどころじゃなくなるから」
ゆき「あ〜、そんだからブーツもそれなりにお金かけなきゃダメなのか」
美紅里「まぁね〜。ブーツも高い物から安い物まで色々あるけど、ビギナーは安い物でいいわ。ただし!ちゃんとショップで試着してから買う事。ネットとかで足のサイズだけで買ったら、微妙に合わずに足が痛くなって安物買いの銭失いになるわよ。そう言う意味でちゃんとお金をかけなきゃいけない物」
れぃ「……じゃあ中古もダメ?……」
美紅里「もっての他!と、私は思ってる。ブーツの中にはインナーがあるんだけど、使っていくうちに馴染んでくるの。他人に馴染んだブーツとぴったりフィットする事なんて無いでしょ?」
ゆき「なるほど。……で、最初の質問に戻るんだが、ウェアってどんなの買えばいいんか?」
美紅里「まぁ値段相応の良さがある……ってとこかな。基本的には防水、防湿、耐寒が揃っていればいい。あとはデザインと使い勝手。」
まみ「じゃあ屋外作業用の防寒服でもいいの?」
美紅里「ん〜〜〜。私自身使った事ないからなぁ……。条件的には使えそうだし、作業用だから丈夫で使い勝手もいいと思うけど……」
ゆき「けど?」
美紅里「ほら、『餅は餅屋』って言うでしょ?スノボ用のウェアは転んでも雪がウェアの中に入りにくい構造になってたり、リフト券ホルダーが腕に最初から付いてたりしてスノーボーダーとしての機能が揃っているの。屋外作業用の防寒服にそれがあるかどうかは正直わからない」
れぃ「スノーボードメーカーのウェアでも値段の差があるのはやっぱり機能?」
美紅里「これは私の偏見かも知れないけど…、機能や性能もあるけど、スノボってけっこうオシャレなスポーツなのよ。有名メーカーは機能もさる事ながらデザインも良い。つまり良いデザイナーさんが手掛けてるからデザイン料がウェア代にのっかる。あとはブランド的なアレかしら(笑)」
まみ「屋外作業用の防寒服はちょっと着たくねぇかな(汗)」
美紅里「まぁ色々探してみなよ。狙い目は去年より前のモデル。今年のモデルより性能はほとんど変わらないのに値段がかなり下がってるから」
れぃ「……おお〜、それはお得情報……」
ゆき「でも去年のモデル着てたりしたら笑われません?」
美紅里「ウェアなんて数シーズン持ち越して使う物。私のウェアだって3年前に買って、その時既に2年前のモデルだったからね。それに毎年新作モデル買えるほど私も裕福じゃないのよ(苦笑)」
まみ「美紅里ちゃん、グローブは?」
美紅里「スポーツ量販店のワゴンセールで良し!」
れぃ「……そうなんか?……」
美紅里「グローブは一番劣化が激しいの。良い物買っても数年しか保たない。ならある程度使える安い物を毎年買った方がいい……と、私は思ってるんだけどね。特に最初のうちはね。」
まみ「かわいいのあるかな?」
美紅里「そこは期待しない方がいいよ(苦笑)」
ゆき「相場がわからねぇから、その値段が安いのか高いのかわからねぇんですよね〜」
美紅里「価格を耐久年数で割れば年間のコストがわかるでしょ?例えば1万円のグローブを3年使うなら年間3333円。ワゴンセールの3000円のグローブを毎年買うなら、3年で9000円で済むし毎年グローブの劣化に困らなくて済む」
れぃ「……なんかいっぱい聞いて、頭がパンクしそう……」
美紅里「ネットで買うなら買う前に、目ぼし付けて一度私に見せて。ショップに行くなら連れてってあげるし」
ゆき「本当か!?ありがとうござんす!」
まみ「いつ行く?」
美紅里「慌てない慌てない。まだこの時期は専門店以外はスノボ用品ならんでないから」
れぃ「……専門店は年がら年中売ってるだ?……」
美紅里「売ってる所もある。サマーゲレンデとか、室内ゲレンデとか、ウォータージャンプもあるからね」
まみ「サマーゲレンデ?」
美紅里「ゲレンデに人工芝と言うかブラシみたいなのを敷き詰めて滑れる所。まぁ初心者にはちょっと敷居が高いかな」
ゆき「室内ゲレンデとかもあるんか?」
美紅里「あるけど、これも初心者が練習するような施設では無いわね」
れぃ「……ウォータージャンプって?……」
美紅里「さっきのサマーゲレンデみたいな感じなんだけど、ジャンプ専門の練習施設で、着地する所がプールになってたりするの。これも初心者が行く所じゃないわね」
まみ「色々あるんだ……」
ゆき「美紅里ちゃんは行かねぇの?」
美紅里「ん〜〜〜。誘われたら行くかも知れないけど、私も色々忙しいからね……」
れぃ「……スタジオ撮影とか?……」
美紅里が視線を逸らす。
れぃ「……こないだ更新してたよね?……」
ゆき「えっ!うそ!見てぇ見てぇ!」
まみ「サイト教えて!」
れぃ「……ん。ちょい待ち……おらよ……送信……っと……」
美紅里「ちょっ…待っ……」
まみ「すっごーい!美紅里ちゃん綺麗〜〜〜!」
ゆき「うわっ肩出してる……生足も……」
れぃ「……ほら、この写真とか、めっちゃエロい……」
ゆき「うわっ!エっロ!」
まみ「……………(赤面)」
美紅里「やめて〜〜〜」
れぃ「……美紅里ちゃん、耳まで真っ赤っすよ……」
美紅里「れぃがスタジオの話出すからだらずがっ!」
れぃ「ひたたたたたたたた!ひくりひゃん(美紅里ちゃん)、やふあたり(八つ当たり)、やふあたり〜〜〜」
既にお約束の光景である。
そこにまたタイミング良くののこが入って来た。
ののこ「ちゃーっす!美紅里先輩、サイト見ましたよっ!めっちゃエロ……ひたたたたたたたたた!」
ののこに対しても容赦ない美紅里。
ひとしきり美紅里のスタジオ写真の話で盛り上がったが、ようやく落ち着いて来た。
美紅里「紀子、あんたのワクシング用品、あっちに持ってった?」
ののこ「いや、まだ実家にあるんで使うんなら寄付しますよ」
まみ「やった!」
ゆき「いいなっ!まみ、貸して!」
ののこ「この部に寄付するからみんなで使いなよ」
美紅里「学校でワックスかけさせるのか?」
ののこ「早朝に持ち込めば大丈夫だって」
美紅里「あんた教師の自覚ある?(汗)」
ののこ「一応クラブ活動の一貫で使う物でしょ?ならいいじゃないですか」
美紅里「ったく……。わかった。ここでやろう。そのうち自分で道具買ったら自宅でやるだろうし……」
れぃ「……やたっ……」
ゆき「でも、どうやって持って来ずか……」
美紅里「ソールカバーかボードケースは持ってる?」
まみ「なんか?それ?」
ののこ「納屋にあった板にカバーがしてあったでしょ?あれの事」
れぃ「……あたしのは何かチャックが付いたでっかいカバンに入ってた……」
ののこ「それがボードケースとかボードバッグとか言われる物」
ゆき「あたしのはむき出しだった」
美紅里「あたしのお古でよければあげるわ。たぶんサイズもいけると思うし」
れぃ「……でもあのでっかいのを背負って来るのえらい(大変だ)な……学校のカバンとかもあるし……」
美紅里「わかったわかった……。今度ショップ行く時に回収しに行ってやる」
こうしてこの日のクラブは終わった。
帰りの駅のホームで三人はスノーボード用品のサイトを見ながら、自分達の試算が甘かった事を思い知る。
まみ「どうする?これじゃ道具揃えたらバイト代全部飛んでしまうよ」
れぃ「……ウェアの値段が予想外だったな……」
ゆき「おじさんとこのバイトもこの後忙しくなるから日曜も入れば少しはバイト代増えるて思うけど……」
れぃ「……スノーボード……ウェア……格安……検索……っと……」
まみ「いいのあった?」
れぃ「……おっ?……ここ安い。上下セットで1万切ってる……」
ゆき「あ、このウェア、かわいいっ!」
まみ「でもまったくのオソロってのもアレじゃねぇ?」
れぃ「……けっこうカラバリあるぞ……」
ゆき「後にコスプレ滑走する時の事を考えて買うべきか?」
まみ「ウェアの上に衣装を着る感じになるのか?」
れぃ「……あたし生足に方足だけストッキングなんだけど……」
ゆき「生足はキツいな」
まみ「でも、例の動画でセーラー服と生足で滑ってる人居なかった?」
れぃ「……春先はスキー場でもそこそこ暖かいのかな……」
ゆき「春……スノーボード……検索……っと……、お、Tシャツで滑ってる人もいるじゃん!」
まみ「じゃあいけそうじゃん」
れぃ「……じゃあとりあえず滑れるようになるまでのウェアを考えずか……」
まみ「あ、このピンクの迷彩柄みたいなのかわいい!」
ゆき「ほんとだ!あたし、これの水色がいいな!」
れぃ「……おっ!グルキャナックちゃん色もあるじゃん……」
まみ「グルキャナックちゃん色?黒?」
れぃ「グルキャナックちゃんのイメージカラーは紫っ!」
ゆき「はいはい、すぐキレねぇの」
まみ「どうする?この柄のイロチで揃える?」
ゆき「明後日、美紅里ちゃんに見てもらお」
れぃ「……おっと、ポチるとこだった……」
まみ「れぃちゃん、相変わらず決断早いね」
三人は後日美紅里に相談する事にしたが、既に三人はこのウェアで滑るイメージを頭の中に描いていた。