よりによって転生とは。⑨
今日はちょっと短いですね。
あとリンクの貼り方とか全然わからないのでリンクなしでここだけに書きます。
勢いと恥で書き始めた新作、異世界ミキサーを是非読んでみてくだ砕っ!!
アラフォー男がジューサーミキサーひとつで異世界を生き抜く!感動巨編ドラマチックラブサスペンスファイナルドラゴンファンタジーストーリーみたいになるかもしれません。(白目)
https://ncode.syosetu.com/n6661gn/ 活動報告にリンク貼ります。頑張ります
「それで? その砂の姫様に水賊をひとり1万ルークスなんて値段で引き取ってもらったと」
親父殿が呆れるように白陶器でできた商人ギルドの記録石を呆れた顔で弄っている。
まあそうだよな。水賊の討伐報酬は高くても2000から3000がいいところだしな。どんだけ世界知らずなんだ?俺は首を傾げる。
「バッカっ!そりゃあお前に色目を使ったのに決まってるだろうが。タゴン、下手すりゃあお前砂の貴族に殺されるぞ?」
ええー。親父殿が割と深刻そうな表情で俺に脅しをかける。
ヤバいなー。なんかついでにあのバカザメの事も聞いてきたから、興味あるのかと思って売っちゃったんだよなあ。拙ったかなー。
「貴族だけはヤバいんだぞお?しかもこの辺のニセモノみたいな連中じゃあなく砂の正真正銘の貴族様だろうしなあ。…タゴン、他に余計なことしてないだろうな?」
疑いの眼差しを俺に向けながら親父殿は石をジャラリと山に戻す。
うーん…確か最後の方で、
『どうかお願いします。砂の一角である、アルージュの姫として貴方に命令します。どうか私達と共に水の都フォー・リバーまで同行しなさい…』
とか急に言い出したのは焦ったなあ。そんな事とか言っちゃうタイプだったんだ?でもメチャクチャ顔を真っ赤にして震えてたなあ。正直グッときた。
でもそこは勝手に海まで遊びに来ちゃったしなあ。かわいそうだけど、
「すまないが日帰りだ」と答えるしかなかったんだよなあ。
案の定、周りの護衛は大騒ぎするし、ルルゥには抱き着かれて(締め上げられた)大変だったんだよね。なんかルルゥの目が赤くなってたような気がするけど、気のせいだよな?
正直にそんなことがあったと話すと、俺とシトリー以外の家族が盛大な溜息をついた。
え?なんかやらかした?
痛いっ。 無言でシトリーが蹴ってきた。何故に?!
「…マズイ。拙いぞそれは!ひじょーによろしくないぞっ」
親父殿の顔色がさらに悪くなった。逆にお袋は普段と違うタイプの笑みを浮かべている。
「まあハング。落ち着きなさい? 取り敢えずその娘は貴族の流儀に則っただけで、政略的な意図はないと思うわよ? 恐らく衝動的にやっちゃったのね。ウフフッ」
「ウフフじゃないぞカナン? 相手が相手だ。これはギルドの連中にも相談すべきだな」
えーそんな大事なのかあ?やっぱり断るべきじゃなかったか。相手は貴族様だしなー。
隣のシトリーの機嫌がますます悪くなってきた。ほっぺがリスのように膨らんでいる。可愛い。
仕方ない、もともとご機嫌取りように拾ってきたものだけど…
「え?!くれるの? ありがとー!すっごいキレーだよお?!タゴン大好き!!」
調子いいなあ。シトリーにあげたのは海の深層部で極稀に採れる《虹色貝》だ。確か女性には非常に人気あったと憶えていたから、念の為に何個か見つけておいてよかった。
…あと再び襲ってきたルルゥを宥める為に同じモノを渡したけど大丈夫だよな?
あ、そうだ。兄貴にもやろう。前に薬の材料になるけど値が高いって聞いてたんだよな。
「こ、これは《海メロン》じゃあないか?!この節の限られた時間でしか採れないのに…。ははっ。タゴンは本当に今曜海に行って帰ってきたんだね…」
喜んで貰えてなによりだ。あとお袋から無言の圧力が感じられたので、海で獲れた一番良い魚を数尾取り出して渡した。お袋は海の邦出身らしく、海の魚が好物なのだ。お袋は鼻歌交じりに台所へと去っていった。
「まあその話は後回しだ。お前が知らなけらばゴリ押しできるかも知れんしな。…望みは薄いが。」
やっぱり怒られるようです。ションボリ。
「ギルドの連中がすぐに納得してくれるとは限らねえけど、とりあえず俺の息子の疑惑さえ晴らせれば上出来だ!お前の漁師ギルド以外の他の収納空間も見せれば納得せざるを得ないだろう。…タゴン。ふと思ったんだが、じゃあ昨曜までの未納の記録石とか収納しきれなかったアイテムはどうした?」
俺はゆっくりと息を吐いて答えた。
「全部神殿ギルドの《捧げ物》にした」
「「「「……………」」」」
「よし。ギルド行くぞ」
やっぱりね。
あと2、3話くらいで次章いきたいですね。




