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よりによって転生とは。①

なろう小説を日夜楽しく読ませて頂いている弱筆初心者が、何となく思い付きと勢いだけで書いている超ドラマチック異世界転生もの(笑)です。


一応、R15指定とさせ頂いてはおりますが、残酷な描写や手に汗握るバトルシーンなどはあまり(というかほとんど)含まれない予定ですのであしからずw

既に同内容の小説が存在しているかもしれませんが、その際はお手数ですがご注意くだされば幸いです。お願いします。許してください。

俺は単なるどこにでもいる野生の(嘘だが)アラサーだ。そこは譲れないだろう。


そして俺は今、まさにかの《異世界転生》を果たそうとしていたのである!


「あの…よろしいですか?」


鈴が転がるような、しかし不思議と心に深く深く染み渡るような美しい声が面前から掛けられる。いやすまん、正直どう表現していいかわからん。だって直接脳に響いてる感じだし…


女性の声だ。そう俺の目の前におわすのは水の女神ルサールカである。


「では、早速あなたの新しい運命。新たなる世界への扉を開きましょう…」


そう女神が告げると、俺と女神様の間に淡く青色に輝く光の渦が現れた。

なんかド〇〇エ3のアレみたいだな。もちろんスー〇ァミ版のやつ。


「あなたがこれから生きる世界は、あなたがたのいう《人間ヒューマン》ではない亜人・獣人と呼ばれる様々な異種族が存在する世界です」


へー。なんというファンタジー。

これぞ異世界というやつではないか。人間だけの世界なんて…最高につまらんしなあ。


というか亜人・獣人か…これまたテンプレだが俺も例外なくエルフとかケモ耳とかに大変興味がある。美しいエルフの美少女(年齢は気にしない。見た目重視)、奴隷とかになっちゃったりしてるケモっ娘(鬱な展開は極力避ける)なんかいたら最高のヒロインじゃあないですか!?やだー。


もはや今生の憂いなし!早速その光の渦に身を躍らせようとする男に美しき水の女神ルサールカが語り掛ける。


「先ほども説明しましたが、あなたの持ち込める記憶は制限されます。これは転生前の記憶から世界の秩序を乱しかねない技術や思想を生み出さないためなのです」


なるほど、異世界で現代知識でヒャッハー!を防ぐためか。世界平和のためなら…当然だなっ!


いや嘘です。俺も考えてたよ!?特許とか貰っちゃって大金持ちになりたかったわい!

まあ理系でもなんでもないし、たいして知識もないからテンプレっぽくはいかないだろうけど。


「現にあなたは元の世界での自分の真名を既に失っているのです。お気の毒とは思いますが…」


俺に優しく憐憫の表情を向ける女神様、可愛い。

はて?そういえば自分の名前を思い出せないな。…まあいいか、というか親や友達の顔は何となく思い出せるが。やはり名前はわからない。自分の生まれた町や国の名前すら。


いかんいかんっ!ちょっと怖くなってきた。俺には未練なんて少なくともないはずだ!多分。


「…そう思っていただけると私達の感じる咎も軽くなるというものです」


女神様やさしー。マジ女神 とか呑気に思っている男に再度女神は語り掛ける。


「ですが、あなたの魂には僅かではありますが傷跡がありますね? 傷跡とはあなたのトラウマのようなもの…あなたが叶えられなかった願望でもあるのです」


ドキぃっ! とした。いやもはや俺は魂だけの存在のようなもので自分の心臓どころか肉体の質量が感じられなかったわけだが。 あ、よく見たら床すらなかったな、この空間?は。


しかし俺の前で優しく微笑む女神様はなんでもお見通しのようだ


そう俺は カナヅチ だ。


…古典的なネタではあるが釘とかをトンカンするアレではないし、ハンマー部分の反対が釘抜きになってる訳でもない。というかモノホンの金槌が異世界転生って…割と面白い設定かもしれんが。全てを釘のように打ち付ける!スキルとか割とイケそうだな!ハハハっ。


…脱線したが俺はいわゆるカナヅチ。つまり泳げなかった。


理由は些末なものであった。はじめてのプール学習は中学の時だったのだが、その頃の俺は非常に繊細な心を持て余した末に例の症状に侵されていた。いわゆる厨… 解るだろ?察してくれ。


数少ないプールの前日の夜にテンションの上がった俺は自分の体にあらゆる攻撃と呪いに抵抗レジストする漆黒の呪印(黒)を施した。我ながら素晴らしい出来であった。その時代に既にスマホがあれば自撮りとかしたに違いない。そしてネットにアッp いやもうやめようね?


残念なことにそれは油性であった。


人生で初めて絶望を知った俺は親にも誰にも相談できず、結局プールは見学になった。

それ以降、何故か俺は水泳というカテゴリとはすれ違い続けて生きてしまったのだ。


『いつか生まれ変わったら水属性・・・になりたい』などと思ってしまったほどだ。

ちょっと未だに例の症状が残ってるかもだが。


「安心なさってください…あなたのその純真な願いが、この水の女神の一柱であるルサールカにとどいたのですから」


慈母のように微笑む女神様…美し過ぎて涙が出る。あと普通にちょっと恥ずかしい。


「水の女神ルサールカの名において、あなたに水を司るもの全てに、世界に愛される加護を差し上げましょう。…もちろん私の偽りなき愛もです…」


何だか最後のセリフとそれを言った後の女神様の表情で俺の魂がブルリと震えた気がしたんだが?

き、きっと恐怖ではなくその愛にあふれた言葉に感動しただけだ。そうだろう?


しかし単純にカナヅチがなんとかなりそうでよかった。流石に水の女神の加護を得てまで泳げなかったりはしないだろう。


「大丈夫です。あなたは私の愛しいひと…転生した暁にはあなたは、あらゆる自由を得られるでしょう。約束します」


あ、これやっぱり心の声とか聞こえてるパターンだな。まあ相手は女神様だし仕方ないね!

というかあらゆる自由?なんか凄いな…とりあえず泳いで溺れることはなさそうだな。


「暫しのお別れですが、最後にひとつ言っておかねばなりません」


徐々に光の渦に上に浮かび上がっていく俺に女神は顔を近づける。やめてドキドキしちゃう。


「あなたが転生する器は、先の人間ヒューマンではありません。」


え?!女神様それなんてネタバレ?!


というか自然に何となく『自分はまた人間できればイケメンでに生まれ変わる』と思い込んでいた自分がいる?!くそっ、全ては罠だったのか?!


「怖がらないで。あなたはただ水に愛される種族としての器を得るだけなのですから」


さらに女神様が俺に顔を近づける。もう5センチくらいでチューできるなコレ。

というか俺の顔面どころか体そのものが光の粒になって光の渦に少しづつ流れ込んでいることに今更ながら気づいた。


不思議と恐怖は感じなかった。

…徐々に視界がおぼろげになる。

…いやもう俺には眼すら口すら耳すらない。

女神ルサールカの声だけが聞こえる。


「私の愛しいひと…覚えていて… あなたはいずれ水の王となる… そし、て… わた」


最後まで聞き取れない。違うな言葉が理解できなくなったのだろう。

変に冷静になったりするものだな俺も…そんなくだらないことだけが最後によぎった。


そして、俺は異世界へと転生した。


その世界は暗闇であった。しかし温かい…懐かしい感じがした。

暫くすると俺は温かな暗闇の中から急に外の世界へと引き上げられた。


言葉がわからないが俺の周りには沢山の人の声がする。瞼が開けられないので察することしかできないが、その声は喜びに満ちている感じがした。どうやら俺は赤ん坊のようだ。


そして賑わう声を浴びながら暖かいものに抱きかかえられ、これまた温かい雫が俺の頬を落ちてつたう。それが喜びの涙であり、俺を抱きかかえるのが母親であり、そして俺に多分名前を囁くのが父親であると何となく感じられた。


俺は随分と幸せな人生を歩めるかもしれない。と漠然とした思いが胸を満たし、俺もまた母親と父親に包まれて安堵の眠りについた。


いくらかの時が過ぎ、俺は自分の目で周りを、世界をやっと見ることができるようになった。


母も父も俺が見たこともない種族だったが美しく整っていて比較的というか、人間の美男美女と遜色ない容姿をしていた。これは俺の将来も期待できるに違いない。


「さて。自慢の男前殿を姿見の前に連れて行ってやらねばな!」


そう言って俺の両親と恐らく兄姉である子供ふたりと連れ立って家の中にある大きな鏡の前に連れて行かれた。


「さあ、初めての自分の姿はどうだ?驚いたか」


父が悪戯っぽい笑みを浮かべて俺の頬を突っつく。くすぐったい。


鏡には幸せな家族の姿が映っていた。


俺を優しく見つめる両親。


その腰元や膝上に嬉しそうにしがみつく俺の兄と姉の愛らしい姿。


ソレは母親の腕に大事に大事に抱かれていた。


しかし、俺は目を疑った。


イヤイヤ、本当に同じ種族?なのだろうかと。


は魚とトカゲかなんかを足して2で割った人型の生き物にしか見えなかった。






よりによって、サハギン(・・・・)とは

自分で書いたものを読めるだけで幸せなしがないものですが、今後ともよろしくお願いいたします★

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