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プロローグ

家族転移物が少なくて書きました。

オタク家族×チートです。

ゆっくりな更新ですがよろしくお願いします。

 時刻は12月31日の23時30分


 「今年もあと少しだ。思い残す事は無い。それに今年のアニメは豊作だった」


 そう言うのは、40歳前半の父、一条 東(いちじょう あずま)

 一条東はアニメ、ゲーム制作会社の社長でありフィギュア制作にも携わっている。因みにオタクである。


 「そうよね。コミケでも沢山売ったしね」


 それに続いて30歳後半とは思わない、まだ20代とでも言い通せる程の若さを保つ母一条 香澄(いちじょう かすみ)が東に反応した。

 母さんは人気同人作家であり漫画家でもある。

 勿論オタクである。


 妹の一条 舞(いちじょう まい)がツインテールを靡かせ口を開く。


 「でも最近はファンタジー系が多いよね。でも可愛い娘が多いから良いけどね♪」


 妹の舞は高校1年生にして人気声優であり美少女が大好きなオタクである。


 「それは同感だな。ゲームも新作も沢山出たし。なんと言ってもPS9だろ。あんな完璧にゲームに入っているかのような感覚が出来るVRは今年の傑作だろ!」


 俺——一条 伊織(いちじょう いおり)高校3年生にして人気小説作家でゲーマー。勿論オタクである。

 三人は俺の言葉にうんうんと頷く。

 家族揃ってアニメ系の仕事をしており、生粋なオタク家族なのである。

 そして、この家族の年収は誰にも予想がつかない程である。


 父さんが俺を見て口を開く。


 「お前の小説のアニメ化は来年4月だっけか?」

 「そうそう。そこそこの人気だけどどうかな?」


 そこに母の佳澄が会話に割り込む。


 「んー。コミカライズは私が担当してたけど結構な人気よ?」

 「そうなのか」


 そこに妹も混ざる。


「ヒロインの声優は私に決まったよ」

「アニメ制作はうちの会社だったな」

「……なあ」


 俺は思った事を口に出した。


「気になったんだけどさ。ほぼ家族ぐるみやん!?」

「「「……」」」


 皆が無言になり「確かに」と頷く。母佳澄の漫画がアニメ化した時も父さんの会社での制作にヒロイン役が妹だ。

 その際は伊織はいなかったが。

 それから他愛もない話をしてある話題が佳澄から放たれる。


「皆がもし異世界に召喚されたらどうするの?」


 今回アニメ化するのが俺のファンタジー小説なので聞いたのだろう。

 父さんが先に答える。


「俺は強固な守りを作れればそれでいい」


 矢張り一条家の大黒柱なだけはある。

 次に妹の舞。


「私は強くなって美少女とイチャイチャしたいなぁ~」


 美少女とのイチャつきは変わらないようだ。


「俺かぁ……」

「ないの? 小説見たいに俺TUEEEEしてハーレムでいんじゃない?」


 母さんが俺の小説の主人公みたいな事を言う。


「ハーレムはその……なんか疲れそう」

「俺TUEEEEは否定しないのね」


 妹からツッコミが入った。


 「なに。男は誰も無双したいもんだ」

 「流石は親父。分かってやがるぜ!」

 「よせやい。最強ハーレムは男のロマンだろ?」

 「ふっ」

 「ふっ」


 俺と父さんは硬い握手を交わす。

 

 「……何やってんだか」

 「ね」


 母さんと妹が呆れた顔をしてこちらを見ていた。


 最強ハーレムは男のロマン。

 そこは二人には譲れないみたいでいた。




 時刻は23時59分。


 「そろそろだな」


 父さんがそう呟く。

 皆片手にはグラスを持ち、時刻が代わって新年を迎えた。


 「「「「あけましておめでとう!!!!」」」」


 そして、グラスを当てた瞬間光り輝く。


「「「「まさか! フラグを回収した!?」」」」


 見事にフラグを回収したようだ。

 視界がホワイトに染まる。

 それも少しの時間であり、俺達は目を開ける。


 「……こんな事ってあるかよ」


 俺の口からそんな声が漏れる。


 周りは石造りの壁。見た感じは中世ヨーロッパの部屋だ。下には魔法陣。そして目の前には豪奢な服装に身を包んだオッサンが一人と護衛らしき兵士が複数人。


 母さん、妹、父さん、俺の順で呟く。


 「……ま、まさか?」

 「……その、まさか?」

 「……おいおい」

 「……遂に──」


 そして息ぴったしのテンションMAXで叫ぶ。


 「「「「異世界、来たぁぁぁぁッ!!!!」」」」

「ひぃっ!?」


 目の前のおっさんが驚き変な声を上げるも一条家は気づかない。

 こうして一条家は異世界に召喚されるのであった。













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