前章 溢れる心
初めまして!こんにちは。
夏山涼陽です!初めての投稿となるので、
至らない点も多くあると思いますが、
温かな目で見て頂けたら嬉しいです!
よろしくお願いします!
ではでは………
「今日も電車に遅れそうになってさ。」
こんなどうでもいい出来事を誰もいない海に向かって呟くようになったのはいつからだっただろうか。
白い絵の具を零したような色の曇天と4月とはいえ、まだ吹き止まない北風のせいで酷く冷え込んだ空気に肌を刺されながら独り、海に日々堕落していく
生活状態を報告する。
「君の言ったとおりでさ、
やっぱ僕、動物に例えたら兎だね!」
無理して乾いた笑みを浮かべながら、潤んできた目を擦る。寒さで悴んだ手足に力を入れ、腰をあげようとするが、涙で濡れて滲んだ淡いクリーム色の手袋が砂で滑り、なかなか立てなかった。
少しの苦闘の末、ようやく立つことができ、その場から立ち去ろうとするもなかなか足が動かない。
青色の濃い海をふと見た時、彼女との沢山の
思い出が次々と心に浮かび、それが自分を包んでいくように感じたからだ。だが、それも束の間で
強い突風が強引に現実へ連れ戻した。
「独りは寂しいよ……
怒ったりしないから………帰ってきてよ……」
勿論返事は帰ってこない。
それは、この浜辺には誰もいないからでは無く、
彼女が泉下の客になったからだということに
本当は気づいていた……
いかがだったでしょうか!?
感想、アドバイスなど多く頂けると嬉しいです!
次回はまだ未定ですが、出来るだけ早く
続きを出そうと思います!
是非次回も読んでください!
ではでは……