挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
女の子になれるようになった剣達と創造神様と行く、異世界気まま旅 ~別に世界は救う訳じゃない~ 作者:紗夜
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

1/20

初めまして異世界?



 VRMMO、仮想現実の世界へとダイブしてゲームを楽しむっていう事が当たり前になって早数年。

 学校から帰って来た私は着ている制服そのままに、今日もβテストの時からログインしているオンラインRPG【ツヴァイクスオンライン】へとログインをする。

 その魅力は運営の対応が他と比べて頭ひとつ抜けている位優秀だったり、イベントで沢山アイテムを配布してくれたりと多々ある。

 だけど一番はその自由度。何せ種族だけでも人間、獣人、エルフ、魔人、妖精…etcと多種族なのに特定のレベルまで成長をすると他の種族の力を得られる、一例を上げると人間×獣人なんてものになれたりもするのだ。

 更に職業にも制限は無く、中には見た目小さな妖精なのに大剣を持って近接戦闘専門というプレイヤーまで居る。

 そんな『ツヴァイクスオンライン』の世界、私が作り上げたアバターはある特殊な条件を満たした時のみに選択が可能となる【人×神】という【半人半神】という超レアな種族。

 この種族、文字通り半分ではあるけれど神なのでその能力は凄まじいし専用武器なんてものもある。因みに私は初期から剣士なので専用武器は勿論剣だ。

 【聖剣・スウァーフルラート】と【魔剣・ティールヴィング】この二つが私の専用装備でこの世界に一振りずつしかない上、それぞれが自分の意思を持って喋るという伝説級のアイテム。

 流石に喋る剣って何なんだと最初こそ思ったけど今では私の大事な相棒…いや、家族とかに近い存在だ。というより現実の家族よりも余程仲が良い。

 ハッキリと言って現実の世界に居るよりもゲームの世界に居る時の方が私は生き生きとしているかもしれない。

 いっその事本当にゲームの世界に行けたなら、なんて思ったりもするけれどアニメや漫画、ライトノベルじゃないんだから技術が進歩したってそれは不可能だろう。

 それにしても今日は何だかログインに時間が掛かってる様な気がする。別にメンテナンスがあるとは聞いていなかったし、何時もだったらこんなに時間は掛からない。

 考えてみたら明日からは三連休、だから今の時間でもサーバーが混雑しているのかもしれない。それなら仕方ないとして今日は何をしようか、そんな事を思っていたその時だった。

 VRヘッドマウントディスプレイの画面に映し出される【loading……】という文字が消え、画面一杯に真っ白で眩しい光が広がっていき、そして────



「───ま、眩しかった。いきなり何? ってログインしてる? いや、でもホームじゃないしどうなってるんだろう」

 光が収まって目を開くと広がっていた景色は草原。ログイン出来たのかな、でもそうだったら【ホーム】って呼ばれている場所、個人で持っているログハウスみたいな所に出る筈だし此処は明らかにそうじゃないって分かる。

「えっと、まず確認しよう。ステータスオープン………うん、ちゃんと私のステータスだ」

 何でこんな場所に出たのか理由は分からないけどとりあえず私は確認の意味を兼ねてそう言葉を発した。

『ツヴァイクスオンライン』では音声認識によるメニュー画面の展開が実装されていて、ステータス画面も声で開けるようになっている。

 映し出されたステータス、既にレベルだけじゃなく体力や筋力といった各種能力もカンストしてるし、様々なスキルも習得している自分のステータスだ。

「何これ、『異世界言語理解』? こんなスキル取った覚えは無いような……‥ん? メール?」

 スキルを確認していると一番下に【NEW】の文字と共にそんな表示がされていた。はて、取った覚えは無いしこんなスキル聞いた事もないんだけど。なんて思っていたら『ピロリン』と音が鳴る、この音は運営やフレンドからメッセージが届いた時にそれをお知らせする音だ。

 もしかして私と同じようにログインしたらホームじゃない場所に出たフレンドが居るんだろうか。……………いや、まぁフレンドって言っても片手で数える位しか居ないけど。

 だって仕方ないじゃない。βテストからやってるから気の知れた仲間って呼べるのは本当に数人だし、そもそも向こうからの申請お断りにしてるし。

 誰に言うでもないけどそんな言い訳をしながら私はメール画面を開いた。


『おめでとうございます、この度貴方は『本当のツヴァイクス』へとご招待されました。これまで貴方が集めたアイテムや装備に稼いだお金、そしてステータスは引き継がれているのでご安心下さい


 P.S.後程そちらにお伺いするのでその時は宜しくお願いします。

 貴方の女神・イクス』


 ……ナンダコレ。本当のツヴァイクスへ招待? それじゃまるで今居る場所が仮想空間じゃなくって現実の世界みたいな表現だ。

 差出人が【イクス】ってなっているけどこれは【ツヴァイクスオンライン】に居るってされている最高神であり世界の創造神でもある女神様の名前だ。

 プレイヤーは一番最初の種族選択の際や変更時等、神殿にある女神像の前で行う事になっているけどそこにあるのはあくまでも象った物で、実際には誰もこの女神様には会った事がない。

 そんな女神様、イクスからのメール。これは新手の詐欺か、もしくは突発的に起こる緊急イベントの類いかな。

 良く分からないけれど取り敢えずフレンドにメールを送ってみて、他に同じ状況になっている人が居ないかとメール送信画面を開こうとして………。

「な、何で送信の項目が消えてるの? って、良く見たらフレンド項目も無い。わ、私の数少ないフレンドが……‥」

 項目が無いという事に気が付いた。そしてフレンドを表示する項目も見当たらない。数少ないって自分で言って悲しくなるけど気の知れた仲間達だった、これじゃさっきのメールが本当なんじゃないかっていう信憑性が増したんじゃないだろうか。

「い、いや、決めるのはまだ早い。装備はちゃんとあるんだしそれを確認しよう、うん」

 気付いたら異世界でした、なんてのはお決まりの展開だけどそれは創作の世界の話だ。現実には有り得ない、そう思った私は常時装備品でもある収納系アイテム【ファルニーフスの指輪】から武器の一つ、【聖剣・スウァーフルラート】の項目を選んで取り出す事にした。

 なおこの【ファルニーフスの指輪】だがこれも伝説級のアイテムで、収納出来る容量や大きさは無制限(但し生きている物は不可)、状態保存完備(温かい物や冷たい物はそのままの状態を保てる)といった超便利アイテムである。

《お早うございます、主様。本日はどのような御用命でしょうか》
「……………子供が出て来た、何故にっ?!」

 おかしい、私は確かにスウァーフルラートを取り出した筈だ。指輪の表示からも聖剣が消えている、なのに何で出て来たのが【見た目10歳位で腰下長さのストレート金髪、蒼い目に白い肌、真っ白なワンピースを着た女の子】なんだ。

 しかも片膝を着いてまるで騎士の忠誠のような体勢を取ってる、これって端から見たらアウトな光景じゃなかろうか。幼女…とまではいかないけれど小さい女の子にこんな事させてると勘違いされかねない。

《主様、どうかなされましたか?》

 その少女は体勢そのままに私を見上げながら首を小さく傾げる。って、良く聞いたらこの呼び方とか声、物凄く覚えがある。

「あのさ、もしかしてなんだけど…‥スウァーフルラート?」
《はい、そうですが?》

 感じた疑問をそのまま少女に聞いてみると返ってきたのは予想していた答え。どうやらこの少女がスウァーフルラートらしい。って待て、そうなるともしかしてだけど【魔剣・ティールヴィング】もなんだろうか?

 そう思った私は項目の中からティールヴィングを選んで取り出してみる。

《やっほー主。ティールヴィングちゃんの登場だよ!》

 出て来たのは【見た目10歳位、ツインテールの黒髪に赤い目、うっすら日焼けした肌、黒いワンピースを着た女の子】だった。此方は両腰に手を当てたポーズで活発な感じだ。

 しかも今度は最初から自分がティールヴィングだと名乗ってる。確かに声はそうだし性格も私が知っているそのままだ。よし、ここはこの二人がスウァーフルラートとティールヴィングだと仮定して、何故に子供の姿になって出て来たか、その理由を……………。

 って、分かる訳あるかぁっ!!

 いきなり剣が小さな女の子になって出て来ました。って何処の美少女ゲームだよ!

《主様? 先程から少し顔色が優れないようですが、何処かお体に不調でもありますか?》
《駄目だよ主、いくら強くたって沢山食べて沢山寝る。基本だよ?》

 私の相棒を名乗る少女達から心配されて……いや、ティールヴィングはちょっとずれてる様な気がするけど。

 これって本当にどんな状況なんだ、お願いですから誰か説明して下さい。なんて思っていたら私の祈りが通じたのだろうか、再びメールを知らせる『ピロリン』という音が聞こえた。


『そうそう。忘れていましたが貴方の専用装備である聖剣と魔剣は人の姿になれるようにしておきました。『擬人化』という表現で合っていたでしょうか。尚、貴方の言葉で何時でも人から剣、そしてその逆も可能ですのでご心配なさらないで下さいね。

 貴方専用女神のイクスより』


 あんたの仕業かいっ! しかもちゃっかり専用女神とか名乗り出したぞこの女神様。というかこのメール、受信しか出来ないじゃないか。これってメールの機能を果たしてないよね?

「あー………っと、スウァーフルラート? それにティールヴィング? 剣の姿になれる?」
《勿論です、主様》
《そりゃ私達は剣だからね。当然なれるよ?》

 ちょっと名前を呼ぶのに疑問系になってしまったけれど、先程のメール内容の真偽を確かめるべく二人に聞いてみれば当たり前だと言われた。

 だが今まで普通に剣の姿で出て来ていたからか、いきなりそんな事を言われたってやり方が分からない。

「ごめん。そもそもどうしたら剣になるの? 何か特別な方法でもあるの?」
《簡単な事です。私達と手を繋いで頂き、主様の魔力を流し込んで下さい》
《元々主の魔力に染まってるからね。ちょびっと流してくれるだけでオッケーだよ》

 わぁー、本当に簡単な方法でした。難しく考えていた私って一体何だったんだろう。いや、今は取り敢えず方法も分かった訳だし試してみよう。そう考えを切り替えた私は右手をスウァーフルラート、左手をティールヴィングとそれぞれ手を取ってそれぞれに魔力を流し込んでいく。

 するとスウァーフルラートは金色の光に、ティールヴィング赤と黒が混じった様な光に包まれて、そして一瞬でその姿を変えた。

「………マジで? 本当にスウァーフルラートとティールヴィングだ」

 右手には金色の柄頭(つかがしら)、黒のグリップに金色の(つば)、純白の剣身を持つ聖剣スウァーフルラート。左手には全て漆黒色の魔剣ティールヴィングが握られていた。

 うん、疑ってごめんね二人とも。いきなりの事態に頭がついていかなったし、今でもきちんと理解出来てないけど間違いなく私の相棒だ。

「ところで二人とも、また人の姿になる時はどうするの?」
《主様がそう言って下さるだけで大丈夫です。形態を変えますか?》

 え? いや、それだけで良いのか。まぁスウァーフルラートが言うんだろうから間違いないよね。ここはその言葉を信じて二人に「人の姿になって」と言うと、二人はまた少女の姿に変化をした。

「あれ? いや、そう言えば二人ともその姿で出て来たけどファルニーフスの指輪って生命があると収納不可能だよね。どうやって入ってたの?」
《私達は確かに意思は持っていますが、厳密には生命体ではありません。あくまでも剣です、それが人の姿になれるようになっただけですので》

 成る程。だからか、カテゴリとしては剣に分類されてるから指輪の制限に引っ掛からなかった、と。

「後さ、何で二人していきなり人の姿になれるなんて出来る様になってるかは分かる?」
《創造神であるイクス様のお導き、としか……きちんとした説明が出来ません。主様、申し訳ありません》
「いやいや、スウァーフルラートが謝る必要は無いって。それだけ分かっただけでも充分だからさ」

 心底申し訳なさそうな表情をしてしまっているスウァーフルラートを慌てて宥める。誰も見てないから良いけど端から見たらイジメてるように見えるよ。うん、間違いなく駄目な光景です。

 それにしてもこの手の説明に関してはティールヴィングは苦手らしい。さっきから欠伸をしたりして退屈そうにしてるし、人の姿になってますますマイペースになってないだろうか。

《ねぇねぇ主、これからどうするの?》
「多分ここって【始まりの街・ヌル】の近くだと思うんだ。だから先ずは街へ行こうと思うんだけど、二人ともそれで良い?」
《勿論私は構いません。主様の御心のままに》
《ボクもオッケー、始まりの街って初めて行くから楽しみだなぁ》

 この草原には見覚えがある。記憶違いじゃなければプレイヤーが最初に訪れる街、ヌルの近くの草原の筈だ。

 まだまだ分からない事ばっかりでハッキリと言って不安だらけ、というか不安しかない感じではあるけれど私は一人じゃない。頼れる相棒が二人も居るんだ。

 こうして私はスウァーフルラートとティールヴィング、二人を連れて始まりの街、ヌルを目指す事にした。




お読み頂き有り難う御座いました。

誤字、脱字、感想やご意見等、頂けたら嬉しいです。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ