恋愛神様
「神様。どうか今年こそイイ男を捕まえて結婚できますように」
「なんか呼んだ?」
「えええええ!もしかして神様?」
「そうじゃ。」
「じゃじゃあ、願い事かなえてくれるわけですか?」
「まあわしが起きてることなんて珍しいからの。何かの縁じゃろうから貴様の願いをかなえてやってもいいぞ」
「(何かの縁ってこいつ本当に神様かよ)じゃあイイ男と結婚させてください」
「ふむ。縁組みは苦手じゃがのう」
「(やっぱりそうか)えー無理なんですか?」
「イイ男というのは身近にいるものじゃよ」
「身近ですか?」
「そうじゃ。たとえばわしとか・・・」
「(お前、身近とはほど遠い高位の存在だろうが)・・・・」
「冗談じゃよ。そうじゃな。ほら、そこの青年も素敵な彼女がほしいと願い事しておるわ。あいつなんかどうじゃ?」
「わあ、イケメンじゃない」
「声かけてみたらええ。」
そこで女は爺の声帯を切り取って粉末状にして青年にかけてみた。青年は当然目知らぬ女に何か得体の知れないものをかけられ当惑した。問題なのは神を名乗る声帯を切り取られ粉にされた爺のことである。神は死ぬことはないと聞くので分子になっても神は神として生きているのであろう。とーーーーてもとってもキューテクルである。