1.ティータイムは大神研究室で
はじめまして柚木 怪です
のろのろと書きますが、
よろしくおねがいします。
『晃! 暇の時に茶菓子を作ってきて\(^0^)/』
「……今じゃね?」
先ほど寮の後輩から卵をもらった神田晃は友人のメールを見てそうつぶやいた。
国立二宮工業高等専門学校。
高校3年分と短大2年分に相当する工学系の勉強ができ、
就職率よいとされる学校。
工学系のため、女子の人数少なく
学科によっては男子校状態があるほど。
その中の5年電気電子工学科は45人中4人の女子がいる。
その中の一人はクラス内でこう思われてる。
『お菓子屋さん』
あるお昼休みのはなし。
「ねぇ、臭くない? この研修室」
「えー、臭くないよ。健太」
ここは機械製作を行う実習棟内。
本来、機械工学科が使用されているが
なぜか電気電子工学科の大神教授の研究室がある。
黒髪のたれ目の佐藤健太の問いに180㎝を超えるひょろりとした青年が答えた。
「犬飼、それはお前が臭い元凶のカップ麺を作ってるからだろ!」
「違うよー。これ俊樹のだよ! なぁ、俊樹」
「え、うん」
健太に怒られた犬飼平は隣でカップめんを出来上がるのを待っている竜崎俊樹に同意を求めた。
「健太ー。キムチ喰うから冷蔵庫から取ってー」
「加藤、またかよー」
「智岳、好きだねー。キムチ」
「おぅ、俺は韓国好きだ。可愛いし」
「理由不純だな!」
こげ茶の髪に黒縁メガネをした加藤智岳に健太と研究室で一番小柄な高石卓也が呆れて笑う。
犬飼は携帯のメールを覗き込んで唸っているの見た
竜崎は不思議そうに見た。
「犬飼、さっきからどうしたの?」
「うーん? 今日お菓子来るはずなんだけどなー」
「え、お菓子って?」
高石はそう聞いた瞬間に研究室のドアが開き
「じょじょー。ご注文のお菓子持ってきたよ」
肩ぐらいの長さ黒髪に、左耳のみピアスをした少女が入ってきた。
「おお! 晃ジャン! どうしたの?」
「じょじょに頼まれたからお菓子作ってきた」
「ありがとー。晃!」
「今、食べる?」
「たべるー。晃も食べようぜ」
「うん」
高石と『じょじょ』と呼ばれる犬飼、健太に誘われて神田晃は研究室の椅子に座り、箱を開けた。
神田晃。
5年電気電子工学科の数少ない女子である。
そして暇の時はお菓子をつくり、
クラスメイトともに作ったお菓子を頬張る。
そしてクラスメイトの彼女に対する認識は
『お菓子屋さん』