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サスペンス?試し書き(※ちょっと注意)

※恐らく何番煎じか分からないネタかつ、ちょっと危ない?かもしれません。



『死にたい』と『消えたい』は、似ているようで対極に存在している言葉ではなかろうか。


『死にたい』は、つまり生きた証を、精神的にも物理的にもそこに残したいと言う意思の表れ。『逃げた』としても、何かしら『訴えたい』としても、『死ぬ事』は周りに多かれ少なかれ波を広げる。永遠に波打つ場合もあれば、すぐに新たな波に飲まれてしまう波もあるだろうが…正に、『一石を投ずる』力がある。


『消えたい』は、生きている事の否定だと思う。


自分自身が、あるいは他人が、現在過去、そして未来に至るまでの存在を無かったことにしたい。生まれなかった事に、最初からそこには誰も居なかった事にしたい…と言う事だ。生きて、死んでいないから…最初から何もないから、波を起こせない。周りは穏やかなままだ。…まぁ、そういう意味で現実で消えようとすると、結果として死ぬ事に繋がる訳だけど。行方不明者と、その家族や友人とか。


因みに私は、どちらかと言えば『消えたい』派である。私を生んで、ここまで育ててくれた親には大変申し訳ない話ではあるが…実際にそう思ってしまうのだから仕方ない。


「すみません、そこの貴方。」


スーツ姿の男性が二人、私に声をかける。若い男と、少し年を重ねた様な風貌の男…スーツも、やはり若い男より年を重ねた様な風貌の男の方が板についている。


「警察ですが…昨日ここら辺で殺人事件があったのですが、何か知りませんか?」


「昨日…ですか?すみません、私は今日こっちに帰ってきたので…。」


「そうですか…失礼ですが、どちらに行かれていたのですか?」


「○○です。…しがない独り身の、一人旅ですよ。何なら、電車の切符見ますか?」


「いえ、結構です。…ありがとうございました。」


まるで、ドラマや小説のワンシーンの様なやり取り…物語としたら、私は序盤に出会う、ハズレの聞き込み対象って所だろう。まぁ、人生なんてそう言う物だろう。物語の様に、きっちり起承転結がある訳でもなく、意味のある人生を歩んでいる事の方が珍しいだろう。


奥様方の井戸端会議からも、通りすがる人々からも、コソコソとその殺人事件を話題にする声が聞こえる。バカの一つ覚えの様にその話題を繰り返す人の声を聞いていたら、何か意味もなく笑いが込み上げてきた。


だって、可笑しいじゃないか。まるで自分達は安全だと、白昼堂々と殺人犯が出てこないと思い込み、バラエティー番組と同じ扱いで殺人事件を話題に出す人達が、こんなにたくさん居るのというのは。


――その話題の殺人犯が、今まさに目の前を、白昼堂々と歩いているとも知らずに。




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