青オニの話。(『泣いた赤オニ』)
※勢いで書いた故に、童話『泣いた赤オニ』のストーリーの大筋しか合っていません。その他は大変曖昧で、もしかしなくても所々本編内容から違っているかもしれませんが、どうか生温かい目で見てください…。
俺は、青オニ。名前の通り、青い肌をした鬼だ。
俺は、右見ても左見ても岩山、しかも揃いも揃ってテッペンは刃物みたいにシュッと切り立った岩山達の中の一つ、それにある洞穴に所に住んでる。…とはいっても、実はここに越してきて、そんな時間が長い訳じゃあない。
それじゃあ何で、今俺がこんな所に住んでいるかってぇと…ちょっと昔話をすることになる。
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俺の友達に、赤オニってヤツが居るんだけどよ…その赤オニが、変わってるんだ。
何が変わってるかって言えば、俺ら鬼は人を襲ったり、困らせたりするのが仕事で、それが生き甲斐みたいなモノなのに、ヤツはなんと、人と仲良くなりたいんだそうだ。
人なんて、俺らを見たらキャーキャー怯えたり、一方的に捲し立てたり、中には俺らを払ったり、退治したりする、ある意味俺ら鬼よりおっかない存在なのに、ヤツは…赤オニは、それでも仲良くしたいって言うんだ。それも、俺ら鬼が出来るのかって不思議に思うくらい、優しい顔をしてさ。
嫌われるのを、怖がられるのを承知で、村が近い山の中に住んで…わざわざお茶や菓子なんて用意して…その時の楽しそうな赤オニ、俺は友達だけど、今まで見た事なくて、つられて俺も、柄にもなくワクワクした。
でも、そんな赤オニから手紙が来て、その内容が余りにも弱気だったんで、俺は居ても立っても居られず、赤オニの家に飛んでいった。
そしたら、赤オニのヤツ…泣いていたんだ。前会った時は、あんなニコニコ楽しそうにしていた赤オニが。
元々赤い顔を更に真っ赤にして、目からボトボト涙を流して、これ以上ないくらい悲しい顔をして、どんなに頑張っても、頑張っても、上手くいかないって。
そんな赤オニを見ちまったら、妙に胸の辺りがグゥッてなって、なんとか赤オニの役に立ちたいって思わずにはいられなかった訳よ。友達だしな。
俺は、ない頭を捻って捻って、そして妙案を思い付いた。でもそれは、俺にとってはツラい決断でもあった訳だけど、でも赤オニは、変わっていても良いヤツだから、これ以上悲しませたくなかったから、俺は赤オニにこう言ったんだ。
俺が村で暴れるから、それを赤オニ…お前が人を庇いながら止めるんだ。俺を止めたら、そしたらボッコボコになるまで俺を殴れ。俺はそのまま家に帰る。お前は今度こそ、きっと、人と仲良くなれる。
なぁに、俺は赤オニと違って、人に良いことをした事なかったから、嫌われるのには慣れてる。…でも、赤オニは、赤オニだけは人と仲良くさせてあげたかった。
きっと止められるだろうから、その案を言った瞬間に、俺は赤オニの家を、矢のように勢い良く飛び出した。
その後は、まぁ大方俺の予想通りの展開になった。
…でも、俺を殴る時の赤オニには堪えた。殴る力もそうだが、殴る時の赤オニの顔…必死に怒っている風を装ってたが、確かにとっても悲しそうな顔をしていたもんで、また胸の辺りがグゥッてなっちまった。
赤オニに殴られて、胸の辺りがグゥッてなったまま家に帰ってから、俺は引っ越しの準備をした。
赤オニが、やっとの思いで築いた人との関係を壊さないためにも、俺は赤オニから離れないといけない。赤オニが知らない土地で暮らし、金輪際赤オニと会わないように、手紙のやり取りもしないようにしなくてはいけない。
俺は鬼だ。赤オニとは違い、俺は人に優しくない鬼だ。今から赤オニに会えなくなって、あんな喧嘩別れみたいにお別れをするのは悲しいけど、赤オニが幸せになるなら安いモノだ。
そう自分を納得させて、俺は旅立った。
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まぁ、俺がここに来たのにも理由があったって訳よ。前住んでいた所より、周りはかなり厳ついが、それでも案外良い所だよ、ここは。
「そうは思わねぇか、赤オニ…。」
ああ、もう会うことはない友達は、今日も楽しく暮らしているだろうか。




