エピローグとプロローグ
ルブール王都の冒険者ギルドにある受付カウンターに、ミアは体を預けるようにもたれながら、友人であるサールと無駄話を続ける。ミアはサールの仕事が終わるのを待っているのだが、それは邪魔しているのと変わりない。
「まだ終わらねぇのかよ」ミアは退屈そうに言う。「早くラミーで飲もうぜ。もう日は暮れてんだからよぉ。書き物なんて明日やれば良いじゃねぇか」
「先に行ってていいわよ」
「もう直ぐ終わんだろ?」
「ミアが話しかけて邪魔をしなければ、今頃はもう終わっていたわね」
ミアは不貞腐れた顔を浮かべたが、あまりに退屈なので「そういえばよ」と再び話し掛けてしまう。サールは膨大な書類を仕分けして確認しながら、ミアの言葉に対して適当な相槌を送る。
「アークとはどうなんだ?」
「順調よ」
「結婚は約束したのか?」
サールは仕事の手を止めて、肩を上げながら肯定をした。顔に渋みを持たせるサールを見て、その仕草が否定的な肯定だとミアは受け取る。結婚の口約束を反故にするなんてよく聞く話だし、そこに期待して縋るように待つという意味が何かを、歳をとりすぎているサールとミアには解るのだ。
「まぁ、軍人だから誠実だろ」
「そうね」サールは溜息を吐く。「軍人は絶対に誠実よね。軍人は誠実で、冒険者は自由で、貴族は民に優しくて、王様は国を良くしくれる。自警団は悪い事をしないし、裁判はいつも公平で、教会は弱者を救済して、人間は平等で、人生は素晴らしい」
このルブール王国に長く住んでいる人間ならば、サールの嫌味ったらしく長ったらしい発言が、真逆の事を言っている皮肉なのだと直ぐに解るだろう。とはいえ、サールのネガティブな発言も、後の酒を美味くしてくれるスパイスだとミアは知っている。ポジティブなネガティブだ。
サールとミアが受付で雑談をしていると、急に「サールさん、ミアさん」と話し掛けられたので、声の発生源であるライアを見やる。誘いに行く手間が省けたと思っていたミアと、早く仕事を終わらせなければと焦るサールに対して、ライアは泣きそうな顔を作って見せた。
「大変な事になりました!」
ライアの歪んだ表情から察するに、本当に何かがあったのは明白だ。嫌な予感がしつつも、出来ることがあるなら何でもするつもりのミアと、妹のような存在である友人を助けてあげなければと使命感を抱くサールは、ライアの続く言葉を待つ。
「わたくしを助けてください!」
ミアが「神は助けてくれなかったのか?」と冗談を言ったが、サールはそれを咎めた。なぜなら、ライアには笑う余裕すらなさそうだったからだ。
まことで、おまっ!!
リギリギ十万字に届かないので
二巻目の一話まで投稿しまぁ
よろしこぉ( ͡° ͜ʖ ͡°)




