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ロストプラネット(Lost Planet)  作者: 甘一田八
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第五章 天国の堺

「皆さん、私たちは宇宙に来ましたよ」


私が振り向くと、三人は顔に真白で席にぐったりと座り込んでいた。


「そ、それが……空を突き抜けるのって、こんな感じなのか……」


ライラは弱々しくそう言ったが、その瞳の中には喜びの色が宿っていた。


「心の準備はしていたが、もう二度とやりたくないな…」


サイバスはそう言いながら、ふらつきながらも体を起こし、窓のそばへと歩み寄った。


「ついに…天界へ近づいた…」


「では、ここからが肝心なところだ。サイバス、君が故郷を案内ことができるか?」


「それについてだが……さっきのせでまだ少し気分が悪い。少し回復させてくれ……」


仲間たちの様子を見渡すと、私とAI以外は明らかに状態が良くなさそうだった……


「仕方ないな。じゃあ、君たちの調子が少し良くなるまで待つとしよう」


ヤグナは何かに気づいたようだった。


「汝等…あちらになんが光でおるぞ。それがこちらに向かって来ているようだ…」


「AI、映像を表示し、通信要求を送ってくれ」


「了解しました」


そしで、正体不明物接近中の影像を表示されの途中、AIはこうしゃた。


「向こうからの応答はありません。どのように対応しますか?」


星間(ギャラクシー )識別信号を送り続け、向こうを対話に応じるか確認頼む」


しかし、光点は依然として真っ直ぐこちらに向かっており、国際識別コードにも反応しないようだった。


「仕方ない、攻撃信号弾を発射、防御型近接火砲を起動し、敵機の行動を牽制する準備を」


探査船だからといって武装がないど思うな。

星間(ギャラクシー)プロセスに従い警告を実施し、それが無効であれば、対象は攻撃意図を持つと判断し、自衛行動を取ることが許される。


やがて、目標物の正体は地球単位で約2キロメートルの距離に停まり、目視確認できる範囲となった。監視画面で映像を拡大すると——。


「またドラゴンか?宇宙までにドラゴンがいる?」


私たちの目前にそびえ立つドラゴンは、四枚の翼を持ち、全身が銀白色の鱗に覆われていた。上顎から鋭い牙が覗き、その邪気を帯びた紅い瞳でこちらをじっと見つめている。私が思わず不満を漏らしたその瞬間、サイバスが突然立ち上がり……私たちの目前にそびえ立つドラゴンは、四枚の翼を持ち、全身が銀白色の鱗に覆われていた。上顎から鋭い牙が覗き、その邪気を帯びた紅い瞳でこちらをじっと見つめている。私が思わず不満を漏らしたその瞬間、サイバスが突然立ち上がり……


「まさか…自らここに現れるとは…」


そう言いながら、彼はモニターに近づき、龍の頭にあるあの赤い石をじっくりと見つめた。


「サイバス?」


「ここの映像をもう少し拡大できる?」


彼は赤い石の位置を指さしたので、私は映像を拡大した。すると、中にはなん人がいた…


「こいつは…ラトディット第一序位の使徒、そして主神に最も近い男……」


「こんな大物がわざわざ前線に来るなんて?彼には部下がいるはずだろう?」


「俺の記憶では、奴の配下になった者の多くが脅迫されて従ったはずだが…これは一体?」


私たちが疑問に思い考えていると、頭の中に男の声が響いた。


「まさかお前が異界の者と手を組むとはな…元第九序位よ」


「俺もまさかお前が直々に出てくるとは思わなかった。他の連中はどうした?」


「私に質問尋ねるとうは、その口調をいいのが?タスト」


「では、もう一つ質問しよう。異界の者よ、我らの聖域へ何を目的に来た?」


男の声が私の脳内に響き渡る。


「それは私が聞きたいことだ!わざわざを招待しておいて、こんな態度とは、一体何をつもり!?」


「異界の者よ、今は我らの逃亡者を連れたお前たちは、この瞬間より我らの敵である」


「待て!お前たちが彼を連れて来てもいいと言ったのに、今さら敵だと言うのか?」


「問答無用」


四翼の銀竜が我々の方向へと眩い光のブレスを放った。


「待て!この宇宙空間でブレスが効くのか!?」


ただ、ブレスは一直線に迫ってきたが、船体は緊急回避を行い、表面にわずかな焼け跡を残すにとどまった。


こいつ、本気で俺たちを撃ち落とすつもりだ。


「サイバス、向こうはもう攻撃してきたんだ。反撃しても文句はないよな?」


「ああ、目の前の男こそが全ての元凶だ。奴を倒せば、全てが収まるはずだ」


「我々を隕石災害に遭わせた元凶のはあいつが?」


ライラはサイバスの発言を聞くと、画面の中の男性の姿を鋭く睨みつけた。


「まさか下界の者まで聖域に連れてくるとな。我は下界の者が足を踏み入れることを決して許さ!」


激昂した声とともに、四翼の銀龍の紅い瞳はさらに妖しく輝きを増し、その胸元からは血のように赤い紋様が光を放ち始めた。すると、四枚の翼と口元に、灼熱の紅い球体が次々と形成されていく。


「AI、弾道を予測し、緊急回避及び防御を実行せよ!」


「了解、データ分析を開始します」


AIは指示通りに、船首に防護シールドを展開し、同時に船の速度を上げて、敵の攻撃を撹乱し。


「くそっ!それでも当たるのか!AI、損傷状況を報告せよ!」


「はい、現在の損傷率は30%です」


「自動追尾弾を使用して敵を牽制し、同時に主砲で攻撃せよ」


すると、船体の両側にあるミサイル倉が開かれた。


「撃て!」


網のように密集したミサイルが両側から発射され、銀竜の方向へと真っ直ぐに向かっていく。その間、船首の主砲台が回転し狙えしだ。


銀竜はミサイルをまったく気にすることなく、多くの呪術陣を展開し、目の前でミサイルを防ぎ、大爆発の煙を巻き起こした。

主砲のビームがその瞬間、衝撃を共に煙を貫き、銀竜はビームの直撃を受けて煙の外へと押し出された。やがて、その胸には焼灼の痕が刻まれた。


「貴様らぁ!!」


男の怒号が俺たちの頭の中に響き渡った。少々うるさいが、どうやら直接的な脅威にはならないようだ。


「有效的な攻撃のようだ。AI、スピードで撹乱しつつ、現行の戦術を維持して攻撃を続行せよ」


「お前の速度を振り切れば、二度と当たることはないと思うな!」


銀竜は力強く翼を振るった。本来なら空気力学が存在しない無重力空間で、まるで大気圏内を飛んでいるかのように滑らかに舞っていた。


「目標をロックできません。武装を拡散型ビーム砲に変更することを推奨します。採用しますか?」


「採用。同時に追尾弾を煙幕弾に変更せ、敵の視界に妨害せよ」


銀竜は隕石を巧みに利用して拡散光線砲を回避し、隙を突いてその体で激しく体当たりしてきた。それによって我々の船体はわずかに揺らぎ、別の隕石に衝突してしまった。その瞬間、銀竜は四肢を使って船体をしっかりと掴んだ。


「ハハハ!こんなもの、この私をどうにかできると思うのか?私は主神に最も近い使徒だ!貴様ら異界の者どもを片付けさえすれば、主神様はさらに私を重用してくださるはずだ!」


「違う!お前のやっていることでは、主神様の覚えかもしれん!だが、そうれはただ、悪いいの覚えだ。今すぐその行いをやめれば、まだ間に合うかもしれない!」


サイバスは真面目の表情でそう言っで。


「間に合うだと?取るに足らない第九序位のくせに……ハハハハ、どうやら私はお前に侮られたようだな。いいだろう」


銀竜はすぐに口の中で暗く赤い色の球体を集め始め、私たちの操縦室を狙った。


「感知した位置からすると、害虫はそこにいるんだな?」


「くそっ!AI、緊急分離!」


「了解、艦船モードを解除、分離を実行します」


すると、銀竜が光球を発射する直前の際、宇宙船を変形分離した。

そして、私とサイバスたちは二機の戦闘機に分離され、機体を小型化することで、竜に絡みつかれた状態から脱出した。

同時に、宇宙空間に一直線に伸びる深紅の光が放たれ、未知の領域で驚異的な爆発を引き起こした。それは半分の月ほどの巨大な火球、しばらくすると消えた。


「なにこれ!?俺は操作できないぞ、てか、操作できそうな場所はどこだ!?」


サイバスたち三人は、分離した後部の戦闘機に乗っており、私は前方機体の中で操縦を担当していた。AIは遠隔で彼らの戦闘機をコントロールしている。


「船体モードには、戦闘向いてないなら。AI、合体変形モードを変更しで、参考のは...(ひと)形のロボットだ!」


この日はやっと来た、私は長い間に母星で閲覧した旧地球の文化記録のデータ、とっておきのロボット関連のアニメ資料を、今回の調査期間中に観覧できるため何時でも持ちました、今はこの願いついにできると。


「了解、プログラム修正を開始。液体金属(ヒュドラルメタル)配列プロセスを起動」


銀竜は私たちが二機の戦闘機に変形したのを見て、周囲に広範囲の呪術弾を狂ったように放ち始めた。


「あああああああ!!」


通信機からサイバスたちの叫び声が聞こえてきた。


「AI、2号機の損傷状況は?」


「現在の損傷は5%程度で問題ありません。データ更新を終了しました。変形の対応可能になります、合体を実行しますか?」


「実行!二機合体!」


「合体プログラム実行、機体連結開始」


「えええっ!!! 今度は何だ!?」


サイバスたちは通信機の向こうで困惑した声を上げた。


「喜べ、サイバス。これは男のロマンの瞬間だぞ」


「ロマンて何だ??」


「合体だ!!ロボット合体だぞ!!」


「は???」


一連の変形プロセスを経て、ついに私たちの二機の戦闘機は人型機械へと組み上がった。そして、サイバスたちの座席は再び私の背後へと戻った。


「これは何だ!?すごい感じがする!天使様の秘密兵器なのか?」


ライラはサイバスとは違い、目をキラキラしで、まったく異なる姿へと変貌したコントロールルームを周り見つめていた。


合体して構成されたロボットは、両肩に鋭いドリルを備え、人間の筋肉のようにたくましい両腕を持っていた。

そしで、下半身は重厚な腰甲で覆われ、たくましい両脚の膝には隠されたミサイルコンテナが備えられていた。つま先には機体の尾翼が変形した逆向きのフックが取り付けられている。

いわゆるスーパーロボットの威風堂々たる姿は、輝くイエロー、レッド、そしてシルバーホワイトのカラーで構成されていた。


「貴様ら、何の冗談だ…私を舐めているのか!?」


銀竜の中に宿る男は、呪術を通じて私たちに向かってそう言いた。


「ふん…宇宙の辺境だろうと、恐怖の深淵だろうと、その場所がある限り、必ず俺たちはそこにいる。超合体探査機械——恐れを知らぬ鋼鉄機人、ガンーヤ゙ーゴウーだ!」


こんなこと、一度はやってみたかったんだよな~。今まではただ黙々と探査員をやっていただけで、こんなことをする機会なんて全然なかった。でも、この高ぶる感情…やっぱり熱血って最高だな!


「か、カッコいい!」


「こうれは…本当に大丈夫か…?」


ライラとサイバスの反応は極端に分かれていた。一方で、ヤグナは何も言わず、ただ静かに私を見つめていた。

……なんだろう、この可哀想されているような感じ。


「あはははは…どうやら救いないの間抜けようだな。ならば、この手でお前を星の魂の根源へ送りしてやろう!」


そう言い放つと、銀竜はすぐに次の動きに移った。

まずは大きく口を開けて咆哮し、四枚の翼を力強く羽ばたかせ、太陽の前方に留まった。そして、いくつもの呪術陣を展開し、まるでもう一つの太陽のような巨大な炎火球を生み出した。


「その火球を甘く見るなよ。あれからとてつもないエネルギーを感じる」


サイバスは真剣な表情でそう言った。


「AI、目の前のあれをどうにかなるか?」


「どういう意味ですか?」


「その火球を消す」


「はい。空間砲を起動しますか?」


空間砲の使用原理は、実はブラックホール砲と少し似ている。

ただ、ブラックホール砲は巨大なブラックホールを生成し、不必要な破壊を引き起こす可能性があるため、もう一方、科学研究示す、長期間のブラックホール観察報告に言う、ブラックホールを体積おぎくと、空間破裂発生の狀況にやすくなる。

そのため、宇宙の各惑星間では、大規模なブラックホール生成兵器の使用を禁止する共同声明が出されており、空間の崩壊による避けられない災害を防ぐために、「空間砲」が生みされだ。


一方を、「空間砲」は一時的に小型の空間を切り開くことができ、船の空間跳躍や、探査中に予期せぬ事態に遭遇した際の緊急脱出に使用される。

もちろん、このような危険な遠距離攻撃に対しては、敵の近くに空間を固定し、攻撃をそのまま返すことができる。したがって、宇宙法では襲撃を受けた際にこの技術を自衛手段として使用することが認められている。結局のところ、敵の攻撃をそのまま返すだけであり、こちらからの積極的な攻撃とは見なされないのだ。


「使用する。出口の座標をここに設定しよ」


私は座標システムから、コントロール指定した。相手が呪術を使ってこちらの会話を聞き取れるなら、位置情報の装置画面を見せられたとしても、たとえ不正な手段を持っていたとしても、それを理解できなければ意味はないはずだ。


「了解しました」


AIの操作により、ロボットは背部の空間砲を砲管は、前方へと回転させた。

砲口で急速にエネルギーを蓄積した後、小さな空間の裂け目が形成され、続いてそれを勢いよく射出した。すると、小さな空間の裂け目は一瞬で広かれ、そして、敵が放った火球を、私が設定した空間へと入る込んだ。


「ありえん!?あれは領地一つを焼き尽くすほどの炎火術だぞ。なぜこんなにもあっさり消えた!?貴様、一体何をした!?」


「お前さ、自称“最強の使徒”じゃなかったのか?こんな簡単なことを、まさが、この凡人の私に聞くと?」


「貴様ごときに侮辱されるなど、絶対に許さん!!」


私が彼の注意を引きつけている間に、空間の出口が彼の背後で静かに開いた。先ほどの火球は「炎火術」と呼ばれているようだ。そして、彼が私の挑発に激怒したその瞬間――。


「うああああああ!!!」


男の悲鳴が半ばで途切れ、私たちの脳内に響いていた声が突然途絶えた。

宇宙の中で銀竜が燃え盛る巨大な炎に呑み込まれる光景は、正直言って本当に不思議だった。

宇宙空間で燃え続ける火球――太陽のような恒星を除けば、純粋な炎がこの無重力の空間に存在する光景など、到底想像できるものではなかった。

急に、それはまるで風船のように爆発し、火球は跡形もなく消え去った。残されたのは、傷だらけの銀竜だけだった。


「おお〜これはすごいな。まさか自分の攻撃に耐えられるとは思わなかったよ」


「これは、嘘だろう…まさか君があの攻撃を…」


「さすが天使様!早く!早くあの人殺しを倒してください!あいつさえ死ねば、地上の人々はもう苦しまなくて済むんです!」


ライラはこの瞬間を長く待ち望んでいたかのように、声の調子には目の前の存在への憎しみが溢れていた。まるで自らの手で仕留めたいかのように、強く促していた。


この時、男の声が再び脳内に響いた。


「お前は…一体何者だ!?」


「私は異星人だ。他の星から来た。ここに来たのは、お前たちが『下界の者』と呼ぶ人々のために頼みたいことがあるからだ。もう隕石を落とさないでくれ」


「異星人?我らには偉大なる試練がある。下界の者たちの命も数も、すべて我らの管理下にあるのだ。もし再び制御を失えば、星そのものが消滅するかもしれんのだ」


「消える…だと…?」


「これ後のことは、お前のような外部の者には関係ない。だが、我らに止めるとう――それは絶対に不可能だ」


「なにが貴様ら我々地上の人を命運に決めよと。何様だ!」


ライラは男の発言に我慢できず、怒りをあらわにして叫んだ。


「たとえ一本の草や一本の木であろうと、それらには必死に生きようとする意志があるのよ。それなのに、お前たちは神を名乗りながら、生命の生きる意志を無視するなんて、一体何の神だ!?私の大切な家族や友人は、お前が偉大な試練と呼ぶもののせいで命を奪われた!私たちの命は、お前たちの試練よりも価値がないというのか!?」


「それの何が可笑しい?下界の種族は、この世界が創られて以来、我らが管理してきたからこそ生き延びてこられたのだ。それの何が間違いだと言うのか?」


「この野郎!...」


私は手を伸ばしてライラを止めだ、彼女の言葉を遮った。彼女は私の目に宿る怒りを感じ取ったのか、大人しく口を閉じた。


「既にお前の主張がそうであるなら、何を言っても無駄だ」


「よかろう、お前たちに最後の慈悲を与えよう…」


話し終ると、銀竜の周囲に黒い光をまとった呪術式が浮かび上がった。間もなく、AIが警告を発した。


「空間異常発生、ブラックホール形成」


術式の前方に、極小のブラックホールが出現し、ゆっくりと拡大し始めた。


「AI、ブラックホールの生成を無効化せよ!」


しかし、AIが現在知られている方法で空間圧縮現象の進行を解除しようと試みるも、徒労に終わった。


「まさか、理論のシステムが違うのか...」


「目標は依然として拡大中。どのように対処しますか?」


「くそっ、暗黒物質剣(ダークマターブレード)さえあれば、突破口を切り開けるかもしれないのに…!」


「天使様、まさか私たちはもう助からないのですか?」


「かもな、希望は薄いかもしれない。でも、このまま座して死を待つつもりはない」


「AI、次元(スペース)斬破剣(カッター)を使用。同時に操作モードを体感操作に変更」


「了解しました」


体感操作は一般的な操作モードとは異なり、私が着用している戦闘スーツの反応を利用し。それで、シンクロ通しで機体の動作を制御するモードである。これは格鬥を繰り出すのに最も適したモードだ。


「無駄だ!これは冥界の入口だ。生者が一度足を踏み入れれば、二度と戻ることはできないのだ」


ブラックホールの体積はほぼ大陸一つ分の質量に達していた。しかし、不思議なことに、ブラックホールに最も近いはずの銀竜はまったく影響を受けていなかった。


「せいぜい後悔するがいい!使徒に敵対したことをな!」


私は目の前のブラックホールを消すことはできないが、その重力範囲外かさえすれば、脅威にはならない。


「AI、噴射制御はお前に任せる。ブラックホールの引力圏に近づきすぎないよう維持してくれ」


「了解しました」


見せてやるよ、距離無視のアタック。この次元斬破刀はその名の通り、距離を無視し、私が斬撃の力と方向を正しく制御すれば、遠距離からでも敵を攻撃できるんだ。


「剣技、第三式ー流星閃(メテオスラッシュ)!」


この技は高速の突きを利用し、残像が剣身に反射する光によって、まるで流星群のように無数の軌跡を描くで、こうやで次元(スペース)斬破剣(カッター)と組み合わせれば、空間を突き破ることができる。もちろん、この武器は製造時に距離に制限が設けられているが、それでも現在の状況に対しては又々十分だ。


流星閃(メテオスラッシュ)」を繰り出した瞬間、男の苦痛に満ちた叫び声が響き渡った。同時に、銀竜が攻撃のたびに苦しみながら飛び退き、周囲を警戒する様子が目に映った。


「害虫め!こんな手段で攻撃したところで、この私を倒せると思うな!?」


彼の叫び声とともに、ブラックホールの領域はさらに拡大し、周囲のいくつかの隕石が引き寄せられて中へと吸い込まれていった。


「まさか、まだブラックホールを拡大できるなんて!やめろ!これ以上続けたら、ブラックホールが制御不能になるぞ!」


「私をお前らみたいな下等な異界人と一緒にするな!」


その時、はっきりとした青い光が銀の竜を横切り、まるで糸が切れた人形のように、突然その体から力が抜けた。

そして同時に、竜の体はゆっくりと光の粒子となって消えていき、宇宙にただ一人、男だけが漂うこととなった――。

その時、我々の機体よりもはるかに巨大な宇宙船が、突如として姿を現した。

そして男もすぐにその宇宙船に回収され…

その瞬間――私が操縦しているロボットの外側から、ものすごい衝撃音が響き渡った、中にいた全員が驚いて飛び上がるほどだった。

一方でAIは首をかしげながら不思議そうにしていると、彼女は口を開いた。


「現在、本機の外部から不明な人物による内部進入要求の信号が発せられています」


「映像を出せ」


AIは私の指示を聞くと、監視映像を出入口ゲート付近に立つ人影へと切り替えた。

その映像中には、全身纏うだの戦闘用強化スーツを着てはいるものの、目立つ金色と重厚な黒、そして胸元に刻まれた赤い龍の紋章――それを一目見ただけで、私はすぐに誰なのかを理解した。


「し、師匠!?」


「師匠?」


その時、私の背後で状況を見守っていた仲間たちが、一斉に声を上げた。

それで私は搭乗を許可するよう指示を出した。師匠が船に乗り込むと同時に、私たちは機体を再び船の形態に戻り。

師匠は私に簡単な事情を説明してくれた。そこで初めて分かったのは、私は母星に帰還する予定を大きく超えてしまい、すでに一週間以上に超えていたということだった。

それを心配したビスが宇宙警備隊に連絡し、隊に所属している師匠はその知らせを聞いて、手元の任務を一時中断し、仲間の隊員たちと共に救援に駆けつけてくれたのだった。


そして、元々暴走しかけていたブラックホールは、宇宙警備隊によってダークマターパルスバブルを使用され、破壊されて暗黒宇宙へと還元されたのだった。


私たちが戦艦の内部へと案内され、私が船を降りたその時、ドックに立っていたビスは最初こそ不安そうな表情をしていたが―私の姿を目にした瞬間、まるで安心したように大きく息を吐いた。


次の瞬間、彼女はすぐに私のところへ駆け寄り、小言を一通りぶつけてきたあと――

彼女は、ようやく私の背後にいたサイバスたちに気づき、今度は辺りをきょろきょろと見回し始めた。


「おかしい?バレットさんの姿が見えないけど…?」


「おじさんは……ここで新しい人生を歩むことにしたんだ…」


「えっ?それってどういうこと?彼に何があったの?」


それで、最初にこの地に不時着した時に起きた出来事を一通り話すと、彼女は深刻の表情でじっと考え込んだ。


「彼のこと、見に行かないと。故郷にはまだ家族がいるんだよ?このまま放っておくなんてできない」


「もちろんだ。この艦の設備なら、彼の記憶を取り戻せるはず」


宇宙警備隊専用の戦艦には、武装の火力十分ほか、救助活動に必要な治療設備も備えられている。


「あの…天使様、あの男は…生きているのでしょうか、それとも…?」


「ああ、あの男なら…おそらく宇宙刑務所に収監されることになるだろう。ブラックホール生成技術は、正式な訓練を受けて認証された者以外が無断で使用すれば、厳重に処罰されるんだ」


「つまり…あの男はまだ生きているってことなの!?」


そう言ったライラの瞳には、憎しみに満ちた怒りが宿っていで、それを見たビスが、彼女に静かに語りかけた。


「君の名前はライラだったね?彼との間にどんな因縁があるのか詳しくはわからないけど、宇宙法の下では、罪を犯した者には平等に裁きが下される。彼が罰を逃れることはないから、心配しなくていい」


「でも…あんなクズ、私の手で裁きたいの!全部あいつのせいで、私の人生はめちゃくちゃになったんだ…!」


「でも、そのおかげで私たちと出会えたんでしょ?私たちのこと、信じてくれる?」


「うん…」


「安心してください。現在この星に文明が存在することが確認された以上、私たちはあなたたちの証言に基づいて、この地を管理している存在を訪ねるつもりです。もしかすると今後、代表者が派遣され、星の管理が行われることになるでしょう。そうすれば、ここで起きたような出来事は二度と起こらないはずです」


その時、師匠がそっと口を開いた。


「グダス、あんな程度の相手で手こずるとは思わなかったぞ。やはりもう一度、俺の元で修行し直す必要がありそうだな」


師匠は見た目こそ地球人の二十歳前後にしか見えないほど若々しいが、実際の年齢はなんと270歳なのだ。

ダリット族にとって、平均寿命は600歳にも達するため、その基準で見れば、師匠はまさに人生の絶頂期にあると言える。

しかも、ダリット族の身体能力は私たちよりも遥かに優れている…


「し、師匠、今の私の実力でもう十分ですってば。そもそも私はただの調査員で、今回みたいに厄介な敵に遭遇するなんて偶然ですから…」


師匠は私の言葉を聞くと、黒褐色の三つの瞳でじっと私を見つめ、腕を伸ばして私の肩をがっしりと掴み、迫力に満ちた笑みを浮かべながらこう言った。


「おう……俺の判断に異を唱えるなら、まずは俺に勝ってからだって、前に言っただろう?」


「わ…わかりました……」


どうやら修行に連れて行かれるのは避けられそうにないな…


短い雑談の後、私たちはすぐに艦橋(ブリッジ)へと到着した。

そこでは、この艦の運行を管理している艦長が、席に座りながらモニターに映し出されている各種データを確認しつつ、指揮を執っていた。

やがて、私たちが入室したことに気づいた艦長は、こちらへと顔を向けた。


「よぉ〜、来たか。待ちくたびれたぜ〜。ここら辺に宇宙の中心ステーションとかあるって話、ほんとかね?」


男は気楽そうな口調でそう言うと、すぐに本題に切り込んで。そしで、私は口を開いた。男は気楽そうな口調でそう言うと、すぐに本題に切り込んで。そしで、私は口を開いた。


「はい、聞く限りではその可能性が高そうです。しかし、向くう側からもこちらに招きありましたので、状況を見ながら判断し、できれは、武力による鎮圧を前提としない対応を取ること考えしない(ほう)がいい」


「心配ない〜、ちょうどさっき上層部からの連絡を取る来てさ。どうやらこっちの管理者とビデオ通話でお話するつもりらしい」


そう言い終えると、今度は師匠が代わり聞かれだ。


「それで、案内してくれる人はいるのかい?」


師匠は静かに目をやり、私たち全員を一通り見回した。


「それなら、俺が案内する」


「サイバス?」


「そうか。じゃあ、どうやって俺たちを連れて行くんだ?」


サイバスはこの時、呪文を詠唱し始めた。すると、宇宙空間に光の鳥が現れ、私たちの前方を飛び始めた。


「あの鳥に従えば、私の生まれた場所──天界へと辿り着けます」


そして、サイバスが呪術を使うのを見た艦長と師匠は、興味津々に口をそろえて言った。


「お前の使ったその魔法みてぇな術…俺も、他の星の巡回でも見かけたことがある」


師匠は興味深そうな顔をして、艦長はあごひげを撫でながらこう言った。


「たしかあれだ、バードトリ理論ってやつの科学技術だったよな?それっはな…」


「皆さん、興味を持ってくれるのはありがたいですが、まずは任務を終えてからにしませんか?」


ビスが二人の会話を遮った。その様子を見て、艦長は軽く咳払いを整えた。


「そうだな、グダグダしてたらまた通信リクエストで埋まっちまう。そんな面倒ごとはごめんだぜ」


こうして私たちはパトロール隊の宇宙艦に乗り、光の鳥の導きに従って、ついにサイバスの言っていた「天界」へと到着した。そこにいたのは、非常に古めかしい外観の宇宙船で、円盤型の形状を今も保っていた。現在主流の高速性を重視した船とは大きく異なっていた。


「目標船に通信申請を送れ、すぐにだ」


「目標、応答なし」


「どういうこと?」


艦長が疑問に思っていたその時、ふと何かを思い出したようにサイバスの方へと向き直った。


「君、中の連絡取れたりできるか?」


「その必要はない」


男性の声が、私たちの頭の中に直接響いた。そしてその声は──地球で遭遇した第三序位の男のものだった。


「第一序位の仇を取りに来たっか?」


サイバスは静かにそう尋ねた。


「ああ〜、第一序位のことか?彼の力はあまりにも強大で、今の我々じゃ抑えきれない、しかも、彼の行動はますます過激になっていた。主神様を守りため、逆に傷つけられるのを本末倒置だ。だからこそ、異界人に任せてみたんだ。まさか本当に彼を制圧できるとは思わなかったよ。君たちには感謝している」


彼はそう言ったが、その言葉には一切の温もりも感じられなかった。


「そういうことだ。それじゃあ、俺たちはここで君たちの帰りを待ってるよ。それと...ビスさんはここに残ってくれ。今回の件では君が通報者だからな。だから、現場にいた本人と代表者が対応すれば十分だ」


「でも...」


「ビス、本当にありがとう。も心配しなくて大丈夫だよ。ここまで一緒にやってこれたんだから、きっと大丈夫さ。それに…」


私は視線を師匠へと移した。それを見たビスは、何かを察したようで、それ以上は何も言わなかった。


「それじゃ、行くぞお前ら」


我々一行は光で構成された通路を進み、あまり時間をかけずにサイバスの言っていた「天界」に辿り着いた。

外見こそ古びた宇宙船だったが、その老朽化のせいか、隕石の中に紛れて廃船のように見える錯覚を与えていたのかもしれない。


正門みたいの入口に到着すると、第三位階のメガネの男が、初めて出会った時と同じく無表情のまま、ただ静かに口を開いた。


「どうぞ、こちらへ」


普通の宇宙船の無機質で冷たい内装とはまるで違い、内部はまるで神殿のように神聖の光に包まれていた。そんな中、師匠は周囲を一瞥すると、何気なくこう言った。


「どうやら空間リンクを使っているようだな」


「え?」


師匠は窓の外を指差し、見てると...その暖かい日差しの正体は、ハイテクじゃないな。本物の太陽の光だ。……ただ、外の地面は荒れ果ててるな。


「まさか、ここって……月なのか?」


その荒れ果てた光景を見つめ、差し込む光に照らされて、一粒一粒の塵までもがはっきりと浮かび上がっていた。


「現在の位置情報を見る限り、どうやらここは月のようですね」


師匠は現在地を確認するために地図を開いまま。男の後を追って辿り着いたのは、真っ白な扉の前だった。すると突然、彼は扉の前で片膝をつき、頭を垂れてこう言った。


「主神様、第三序位ケンドット、客人をお連れいで前入りました」


「入りなさい」


その声も頭の中に直接響いた。その直後、扉が自動的に開き、内部には古風な装飾が施された荘厳な部屋が広がっていた。

茶色がかった赤の金糸装飾が施されたソファチェアと、大理石で彫刻されたテーブル。そのそばには、雪のように白い肌を持つ黒髪の女性が、無感情な瞳で私たちをじっと見つめていた。

同じく、頭の中に彼女の感情のこもっていない声が響いた。その時、師匠が口を開いた。


「お目にかかれて光栄です。私は宇宙巡回隊の代表、ラシン・シードリと申します。そしてこちらはソードフィッシュ星探査隊の隊員、グダス・ラシン、それから貴殿方が管理されている星の住民たち、それと……」


師匠はサイバスに目を向け、扉が開かれる前に彼が第三序位の男と同様に半跪の礼をとり、頭を垂れて待っていることに気づいた。

すると、サイバスも口を開いた。


「主神様、第九序位タスト、恩恵を賜り、拝謁に参上いたしました」


「愛しき我が子よ、理不尽な苦しみに遭ったと聞いている。されど、こうして無事に戻ってきてくれたこと…この上なく嬉しく思う」


「ご加護、誠に感謝いたします。その……こちらの異界の方々は、今回の旅路において私に多大なる助力をくださいました。彼らの来意については、私が責任を持って保証いたします。どうか、主神様の尊き御耳でお聞き届けいただけますよう、お願い申し上げます。」


目の前の女性は、ただ慈しみに満ちた微笑みを浮かべると、そのままを念話に続け。


「では、おかけなさい。タスト、ケンドット、お客様のためにお茶とお菓子をご用意してちょうだい」


「御聖命、謹んで拝命いたします」


二人はその場を一時的に離れ、部屋には私たちと女性だけが残された。私は師匠と共に一礼し、椅子に腰を下ろした。ヤグナはやや気ままな様子で座り、ライラはどうしていいか分からないような戸惑いを見せていた。


「ライラ、どうしたの?」


「そ、その…私は立っている方が慣れているので、大丈夫です!」


彼女はまるで同じ手と足を動かすようなぎこちない動きで、私たちの椅子の背後に隠れるように立っていた。それを見た師匠は気にも留めない様子で話し続けだ。


「それでは、失礼ですが、どのようにお呼びすればよろしいでしょうか?」


「異界より来た皆様、私は本来『ラティス・ラド・リス』と申します。どうぞ『リス』とお呼びください」


何と、サイバスたちが信仰する主神にも、きちんとした名前があるとは思わなかった。

そして彼女は、サイバスたちが部屋を離れたのを確認すると、どこか雰囲気がわずかに変わったように感じた。

それまで術式で声を届けていた彼女が、初めて口を開いて、言葉を紡ぎ始めた...


「今回、記録上ではすでに滅びたはずの星『地球』に再び文明が芽生えていたことに驚き以外には、リスさんにこの星の経緯についてぜひお話を伺いたくで、


「そ、その……皆さん、本当に宇宙パトロールの代表ですね?」


彼女の口から発せられた言葉は、もはや高貴で優雅なものではなく、どこか怯えたような様子を漂わせていた。


「うん、本当だ」


そう言いながら、師匠は宇宙パトロールの隊員証を取り出し、続けて言葉を紡いだ。


「今回、記録上ではすでに滅びたはずの星—地球—に再び文明が芽生えていたことに驚き、リスさんにこの星の経緯についてぜひお話を伺いたくで、それと、上層部の上官たちもこの件に興味深いを持っており、通信機を通じて話しに加わる予定です」


師匠はそう言うと、菱形の宝石を机の上に置き、すぐにその上から立体映像を投影させた。

やや卵型の尖った頭部を持つ異星人種族「バトロ族」の一人が、今回の正式な会談のために毛並みをきちんと整え、きっちりと上に梳かれたオールバック風の髪型をしていた。彼は、パトロール隊の指揮長官であることを示す階級章付きの制服を身にまとい、真剣な表情で落ち着いた口調で話し始めた。


「ようやく接続できた。君が現在の地球の管理者か?」


「は、はじめまして。ラティス・ラド・リスと申します。リスと呼んでください。こうしてお話しできて光栄です」


映像の中の男性は、ほんの少し頷いて見せると、そのまま話を続けた。


「私の部下から、我々の来訪の目的については既にお伝えしているはずです。それでは、地球が滅亡してからわずか五百年で、現在のような文明を持つに至った理由について、ご説明いただけますか?」


その時、扉の外からサイバスたちによる「お茶とお菓子の準備が整いました」との連絡が届いた。


「あの、少々お待ちいただけますか」


そう言うと、彼女は元の態度に戻り、サイバスたちに茶菓子を並べさせた後、ドアの外で待機するよう指示した。

扉が閉まるのを待って、彼女は再び先ほどの状態を解いた。最初、サイバスは立体投影を見て驚きの表情を浮かべたが、主神の前では何も言えずに黙っていで、そのまま外で待機しました。


「み、見苦しいところをお見せしてしまって、す、すみません……」


そう言ったリスさんは、気まずそうに視線をあちこちさまよわせていた。


「気にするな。それじゃ、本題に戻ろうか」


上官に促されると、リスさんは説明を始めた。

リスさんは、もともとミンデラス星で宇宙生物に関する研究をしていた学者だったという。

ある時、すでに絶滅したとされる地球の近くに、正体不明の宇宙生物が現れたという噂を耳にし、

彼女は仲間たちとともに、その調査のために地球周辺へと向かった。

しかし、伝説の生物をいくら探しても見つからず、帰還するために宇宙船の操縦を始めようとしたその時――

突如、異常な重力現象が発生した。

宇宙船は圧倒的な力に引き寄せられ、なす術もなく、現在いるこの月面に激突してしまったのだった。

それ以来、宇宙船は機関の故障により動くことができず、何度も救難信号を発信したものの、助けは一向に現れなかった。

絶望と孤独の中、彼女は自らと同行していた仲間たちの命を少しでも繋ぎ止めるため、ある決断を下すことになった。


培養装置を用いて、自らの個体を複製・転移する技術を始めました。

そして、意識転移のたびに生じる不安を紛らわすため、凍りついた地球の改造作業にも着手するようになったのです。

しかし、三度目の転移を迎えた頃、彼女たちはある異変に気づき始めました。


仲間たちの記憶継承に欠損が見られるようになり、

このままでは人格そのものが崩壊してしまうのではないかという不安が彼女たちを襲いました。

そこで、彼女たちは次なる肉体に自らの記憶を完全に引き継ぐため、一連の実験を開始することにしたのです。

時の流れとともに、仲間たちは自身の種族特性である短命ゆえに、転移を繰り返しすぎた結果、

やがて人格や記憶に深刻な変質が現れ始めました。

最後には、種族的に寿命が長く、まだ転移回数も少なかった彼女──

リスだけが、かろうじて元の記憶を保つ存在となっていたのです。


そして、ここにいる使徒たちもまた、かつての船員たちが自らの遺伝子を用いて作り出した予備体に過ぎませんでした。

しかし今では、彼らはかつての記憶をすべて失い、

この殻ような場所に、ただ彼女ひとりだけが残されることとなった...


「つまり、この地球の文明は、あなたがこの期間に作り上げたものなのですか?」


師匠が口を開き、問いかけた。


「はい……生き物たちを生かすために、必死で環境を整えていただけなのに、気付けばこうなっていた…」


「生態研究者としての本能が引き起こした結果、というわけか」


その時、立体画像の中の男が、そう言葉をつなげた。


「それでは、私は宇宙法第3条に基づき、無許可で惑星を創造・育成した罪により、あなたを逮捕します。連行する前にこちらから星雲評議会に通達し、代理人を手配してこの星の管理を引き継がせます」


「わ、わかってはいましたが……でも、ここで私の子たちに、私がいなくなるって知られたら……本当に、どんな顔をして向き合えばいいのか…」


「この件に関しては、私たちに任せてもらおう。ここで元の体制が混乱すれば、管理する我々にとっても厄介な問題になるからな」


男は私たちの方を見やり、師匠は小さくため息をついた後。


「この件については、私が対応しましょう」


「よろしい、それでは君に任せよう、シドリー。」


そう言って、通信は切断された。


「これで、こちらの件はひと先ずたな」


私はほっと息をつきながらそう言った。その時、師匠が私の肩を掴み、こう言った。


「弟子よ〜、師として困っているのだ、まさか見捨てたりしないだろう?」


「えぇ〜、私はパトロール隊の隊員じゃないはずなのに、なんで……?」


「ん?今、何か言ったか?師匠は年寄りだから、よく聞こえなかったな」


そう言いながら、私の肩を掴む手にさらに力を込めた。


師匠は先に宇宙船へ戻って報告をことになり、空いた時間を使って、私は仲間たちと最後の別れをする準備が...


「ライラ、それにヤグナ、もう全てが終わったけど、これからどうするつもり?」


「私は、かつての故郷に戻って、あの頃の風景をもう一度再現しようと思っているの」


ライラはそう言って、その瞳はまるでその景色を見ているかのように揺るぎない光を宿していた。一方で、ヤグナはどこか寂しげな表情を浮かべていた──


「妾は……妾は未だに己が何者か分からぬ。そして、唯一の手掛かりと思われし場所へ赴いても、何も思い出せなんだ……」


ヤグナの話を聞いたライラは、そっと彼女の肩に手を置き、こう語りかけた。


「よかったら、私と一緒に故郷を再建しない? 記憶の奥底にその場所の思い出があるなら、作り直していく中で何か思い出すかもしれないよ」


「妾……怖いのじゃ。もし過去の自分が、今の妾が思っておる姿とは違っていたら……それに、今のこの身体、また制御を失えば、そなたたちに迷惑をかけてしまうやもしれぬ……」


「そういえば、前にの身体検査ついてだけど、まだ覚えてるか?」


「えっ?」


彼女は驚いたように、ぽかんと俺を見つめていた。


「とにかくだけどさ、AIの検査によると、君の竜化現象は治療可能らしいよ。…それとも、しばらく私と一緒に旅するか?」


「ほんとうに…いいのが?」


「君が自分で決めたことなら、私は決して拒まないよ。どうする?」


ヤグナはその言葉に期待を込めた表情を浮かべながらも、この星を離れることにはどこか不安を感じているようだった。


「大丈夫、ゆっくり考えればいい」


ヤグナは小さくうなずいて応えると、すると、私は帰るの途中で――そのとき、サイバスと出くわした。


「よっ、家に帰ってきた気分はどうだい?」


「まるで全部が夢みたいだったよ。最初は追われて…それなのに何事もなかったかのように戻ってきて、全部が現実じゃないみたいなんだ」


「そが。それと、出発する前に少し話しておきたいことがあるんだ」


そう言いながら、私はライラとヤグナの方に振り返った。


「ライラ、君たち先に行っててもらえるかな?彼と少し話したいことだ」


「わかりました、天使様」


「うん。それより、まだ私の名前を呼ぶつもりはないの?」


「はい、何度も私の前で奇跡を見せてくれたあなたは、私にとってまさに天使のような存在ですから」


「えっ…わかったよ。それじゃ、また後でね」


そう言って、私はサイバスの肩に手を置いた。


「じゃあ、ちょっとあっちで話そうか」


それから、私は彼と一緒に窓の外が見える場所へ向かった。差し込む太陽の光の温もりを感じながら、話し続けだ。


「仲間に会いに行ったのか?」


「まだだ。第三序位の話によると、今ちょうど彼らは下界で教育計画を実施しているらしい。だから、こっちの状況が落ち着いたら、下界に行って一緒に参加する予定なんだ」


「そうか……長くない時間だったけど、君と出会えて本当に良かった、サイバス」


そう言いながら私は手を差し出した。すると彼は少し苦笑いを浮かべて、こう返してきた。


「タストと呼んでくれ。ありがとう、友よ」


「じゃあ、またここに来ることがあったら、また会おうぜ、タスト」


そう言って握手を交わし、俺たちは顔を見合わせて笑った。


その後、私はパトロール隊の船に戻った。まずはおじさんを迎えに行ったんだけど、最初はあの辺鄙な村でちょっとした騒ぎになってしまった。おじさんはその場の衝撃で、なんと気を失ってしまったんだ。

おじさんの治療をしている間に、私たちは神父の助けに感謝して、いくつかのお礼の品を渡した。その後、休む間もなく商会へと向かい、この間お世話になった会長にも感謝の品を持参した。


さすが…叩き上げの商人というべきか、私の本当の身分を知った瞬間、すぐに別の取引の話を持ちかけてきた。私たちにとっては大したことではなかったが、この文明のレベルからすれば確かに大きな利益になる内容だった。もちろん私は、宇宙法に違反しない範囲で、このレベルの惑星が許容できる程度の提案で取引を行った。


その後、数日間の短い滞在の中で、暫定的に管理を引き継ぐ代表者が現れた。私たちが帰還の準備を進める中、私はもう一度ヤグナに話しかけた。


「ヤグナ、答えは出たかい?」


ヤグナは最初、不安そうな目で私を見つめたが、すぐにライラの方へ視線を向け、深く息を吸い込み、そして決意に満ちた表情を浮かべた。


「妾は……いいえ、私は! ここの人々に迷惑をかけたくないから、決めました。まずは自分の治療法を探しに行って、それからここに戻ってきます。だから――どうか、私も一緒に連れて行ってください!」


彼女は、自分にとって少しわがままとも言えるこの願いを、頭を下げて懇願した。


ヤグナ……


彼女の決意を目の当たりにして、私はもう何も言う必要はなかった。


「人と人との出会いは、すべて縁だって――師匠が昔、そう言ってた。だけど、君はただの縁じゃない。厳しいを共にした、大切な仲間だ。だから、許すとか許さないとかじゃない。君と一緒にいるのは、当然のことなんだ」


私はヤグナに手を差し伸べた。彼女は顔を上げて、その手をじっと見つめた。


「これからもよろしくね、ヤグナ」


彼女の目にはうっすらと涙が浮かび、嬉しそうに私の差し出した手をしっかりと握りしめた。


「ありがとう…助けてくれて、本当にありがとう」


「私たちは仲間だ。仲間を簡単に見捨てたりなんかしないよ。たとえ宇宙の果てに行くことになっても、私はかまわない」


「うん、」


「それじゃあ、出発の準備をしよう!」


ヤグナが船のタラップを上る途中、ふと振り返ってライラと目を合わせると、突然駆け寄って彼女を抱きしめた。


「ようやく思い出せたのに、こんな形でしばらく離れることになるなんて……ちょっと遠くに行ってくる。絶対に戻ってくるから」


「うん。あなたがまたここに帰ってくるその時までに、ここをちゃんと整えて待ってるぜ」


「約束だよ、ライラ」


「うん。気をつけてね、ヤグナ」


そして私は、ヤグナや他の仲間たちと共に船内へと入った。宇宙船がゆっくりと浮かび上の時。


「さあ、帰ろうか」


「おう!」


ビス、師匠、そして船の乗組員たちも声を揃えて応えた。

そして、エンジンが出力を上げると共に、私たちは宇宙へと飛び立ち、空間跳躍の光の中に消えていった。



地球編ー終わり

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