表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうやら悪役令嬢はお疲れのようです。  作者: 蝶月
城内動乱編
29/56

22話 このタイミングですねわかりません。

ハッピーバレンタイン、なネタではありません。

お願いします。

「お願いします。この通り…!」

「ふぁ…」

「寝ないでよ!」


 ディーアに助けを求めてから早三日。私は興味が出るような事を交えて説得してるのだが未だ頷いてくれない。

 興味無いとばかりに突っ伏す彼に焦った声音で訴える。あれから三日、過激に攻撃されるようになってきた。やばいだろ…本当に助けてほしい。私は眠そうに欠伸をする彼が寝ないように必死に机を揺らした。


 そもそも私はディーアの事をあまり良く知らない。別にそこまで知りたくないのが半分。常に寝ているから知る事が無いのが半分。ディーアは私にとって未知の存在だ。……どうやって興味を引き出すの? てかこの人は何かに興味を持つ事があるの? 今気付いたんだけど説得なんて無理じゃない? あー…そんな気がしてきた。

 こっそり彼の目を見る。眠そうな目には何の感情も読み取れない。ただ焦った表情の私を写すばかりだ。これは…うん、まさかの正解だわ。予想通りで予想外な事態に思わず唸る。どうしたものかなぁ…。皺が寄った眉間を解して溜息を吐いた。


「お前さ、残念なんだが…」


 珍しくディーアが顔を上げる。気怠げな表情の彼が面倒そうに、それなのに重々しく口を開いた。口調といい言葉といい、嫌な予感しかしない。断るのか? 今までの苦労は水の泡か? 私は無意識に唾を飲み込んだ。


「多分…時間切れだと思うぞ?」


 それだけ言ってまた突っ伏す。あれ、考えていた内容よりもソフトだ。あー、よかった。断られるかと思った…って時間切れ? これ、タイム制だったの? え、そうなの?!

 衝撃の展開に一瞬頭が固まる。…が、んなわけあるか! いつもそう言って嵌められてきたんだ。今度は騙されるか!『ふざけんなよ』と抗議の意を込めて立ち上がる。だん、と音を鳴らして彼の頭をスレスレに手を着くと顔を顰めて頭を上げた。


「っ…五月蝿いな。その叫ぶ癖、治した方がいいと思うぞ?」

「君が寝ようとするからだよ! 私だって叫びたくないよ!」

「なら叫ばなきゃいいじゃねぇか」

「なら寝ようとしないでよ!」


 全力で叫ぶと彼が深く溜め息をついた。もうこいつ面倒臭いで一色の瞳にイラッとする。目潰ししたいわぁ…。


「落ち着け。耳が痛くなってきたから黙れ。…そろそろ来ると思うんだが」


 ちらりと掛け時計の時間を見てから扉を眺める。朝から何か予定があるのだろうか。痛くなってきた喉を擦りながら扉を見ると…不意に扉が開いた。


「おはよう二人共」

「……え?」


 艶やかな銀の髪がふわりと揺れる。優しげな声と美しすぎるご尊顔が扉の先から現れ、私は言葉を失った。

 呆然とする私を放置して彼が入ってくる。ディーアが立ち上がって背筋を伸ばし、恭しく彼に礼をした。それをくすりと笑って顔を上げるように手を振る。


 私はただ彼を見つめるしかなかった。初めに感じたのは純粋な驚き。しかしそれはすぐに頭に馴染み、次に湧くのは―――


 ―――何故このタイミングで合流するんですか殿下!


「セレス嬢、どうかした?」

「あ、え、いや。申し訳ありません。何もありませんわ」


 あははー、と明らかに乾いた笑みで両手を振る。怪訝な顔をする彼に、急いで立ち上がってディーアみたく礼をした。


「殿下、お久し振りです。先程は申し訳ありません」

「いいや、大丈夫。元気そうで何よりだ。ここにも慣れてきたかな?」

「はい、お陰様で。ディーア様に助けてもらいながら何とか。…今日からここで?」

「うん。やっと一区切り付いたから」


 上品に笑ってそう仰る。笑う顔がルークさんと重なって顔が歪みそうになった。いや、歪む理由はこんな時に来たからかな。ナイスにバッドなタイミングですよ殿下。

 殿下に引き攣っていそうな笑顔を向ける反面ディーアを思う。おいディーア、これを知ってて返事を渋ったな? 実は結構前から殿下が戻ってくるって知ってたんだろう?

 小さく舌打ちして彼を睨む。…と、驚いた表情の彼を見て私が驚いた。


「お前…」

「な、何?」


 何故か震える声に吃る。目を見開く彼に引きながら小さく聞くと彼が呟いた。


「お前…敬語使えるんだな」

「そこは驚かないでよ! 何故そこを驚くんだよ私だって敬語ぐらい使えるわ! てか君と初めて会った時は敬語だったでしょ!? …って」


 しまった…!


 ぎぎぎ、と油が切れたブリキのように鈍く隣を見る。そこにいるのは勿論殿下。oh…猫被りが吹き飛んじまったい。殿下が大きな目をぱちくりさせる。えと…と頬をかいて首を傾げた。


「セレス嬢は…」

「ああ、そうだアル。こいつはこんな奴だ。敬語なんて基本話さないぞ」

「へ、へぇ」

「違います殿下これはその…! ディーア、謀ったな!」

「相変わらず馬鹿だよな。わざとなのか?」


 うるさいディーア! 私は純粋なんだよ!

 引かないで殿下! 黙られるのが一番痛い!


 見た目と中身が合ってないのは重々理解している。だってあのルクシオが表情を変えたぐらいなのだ、相当酷いはずだ。だから猫被り頑張ってたのに!

 慌てたり睨んだりしている私と困ったように笑う殿下。驚いた表情だったディーアはいつも通りのやる気のない表情に戻っている。どうやら一演技を打ったらしい、くつくつ満足そうに笑った。


「ついでにお前がいない間にこいつが俺の仕事をしていたからな」

「え? 本当に?!」

「あ、はい」


 ディーアの言葉に殿下が何故か物凄い食いついた。初めて見る殿下の気迫にすぐさま頷く。それがいけなかったのか?


「本っ当にすまない! 」


 さらさらな銀髪を勢い良く下げて私に謝罪し始めた。ってええ?!


「殿下! 顔をお上げください!」


 お願いマジでやめて! 殿下に頭下げさせるとか首飛ぶから! てか何故急に謝る?!

 凄い勢いで下げられた頭。必死に顔を上げてもらうように言うのだがここはヒロイン様、最近見なかった誠意たっぷりの態度と謝意に満ち満ちた声音で更に頭を下げる。


「頭なんて上げられないよ! ディーアの世話をハイルロイドの御令嬢にさせるなんて…!」

「せ、世話なんて…しましたけど」

「彼は動かないから大変だったろう?! すまない、私が父の仕事なんて手伝わなければ…」

「…えと」


 殿下、ルークさんの手伝いしてたのか。…ルークさん、自分の仕事は自分でやろうよ。十歳ぐらいの子供にやらせるなよ。相変わらずくそか。仕事しろよ。

 あと、ディーア。お前殿下に使えない扱いされてるよ。奇遇ですね殿下、私も思ってました。


「本当に、本当にすまない…」

「殿下、顔をお上げください。私は大丈夫です」

「え、マジで?」

「お前は黙れ」


 ディーアてめぇ、んな所で反応するな…! お前も自分の仕事をしろよ。私にやらせようとするな!何故ここの住人は碌な奴しかいないんだ!

 凹んで謝罪しかしない殿下と兎に角頭を上げて欲しい私。そして期待に目を輝かせるディーア。

 数分前までまともだったのに何が悪かったんだ。真面目な雰囲気が瞬時に崩壊したよ! ディーアがぶっちゃけ始めたあたりで色々終わった。


 …ってもしかしてこれが狙いじゃないよね?


 未だ頭を上げてくれない殿下を尻目にディーアを見る。彼はただ笑うだけで何も話さない。


「…殿下」

「なに?」

「ディーアが真面目に仕事をするように」

「そうだね!」

「……」


 サポートしようって言おうとしたんだけどな。殿下はディーアを真面目にしたいらしい。

 無理だよ殿下。見てよ、いつの間にか勝手に突っ伏してるよ。自由人だよ。彼を真面目にするなら呪術的な何かが必要だよ。


「まあとりあえずだがな」


 ディーアが気怠く言う。


「こいつは中途半端猫被りだしアルは変に真面目、俺はこんなのだ。気を張らずにやっていこうぜ」

「お、おぉ…」

「そう…だね」

「という事で、だ」


 ディーアがだん、と書類の束を取り出す。それを私達に差し出して爽やかに言った。


「お前ら、俺の分まで頑張ってくれ」


 …殿下、ディーアが真面目に仕事をするようになる時はこないかもしれません。











「…で、どうしてこうなった」


 抵抗しきれず殿下と共に書類を捌いた午前。午後からは治癒師の仕事があるという事で彼らと別れて鍛錬場に来た、のだが…。

 気が付けば真っ暗暗闇。今私は倒れているらしく冷たい石が頬の熱を奪う。


 えぇっと…ここどこだろう? いつの間にここに…?何があったか思い出そうとするが霧がかかったかのように思い出せない。最後の記憶は…駄目だ、思い出せない。

 兎も角起き上がろうと手をつく。が、思ったように手が動かず縛られているのに気が付いた。足も縛られているようで自由が効かない。どうやら何処かに閉じ込められたようだ。


「…っはあ、マジですか。もう最悪だぁ。すっごい臭いし…」


 卵が腐ったような、魚が腐ったような、兎に角腐ったような臭いだ。気持ち悪い臭いに顔を顰めて咳をする。

 段々目が闇に慣れてきたのかぼんやり見えてくる。目を凝らして前を見ると鉄の格子が見えた。そして同時に手足に嵌められたモノが重い鎖だと気付く。


「わぁお…本格的だよ」


 場違いな声だと思うが思わず感嘆を漏らす。玩具の手錠ならともかく囚人みたいな手錠は初めて見た。ゴツイ重いすごい。重すぎて手足動かないや。

 間近で見たいなぁ…と身を捩っていると不意に扉が開く音がする。少し明るくなった空間に目を細めていると、硬質な足音が響き始めた。誰かが来たらしい。ただの見回りか犯人か。とりあえず目でも閉じて気絶したふりをしておこう。何かされるなら抵抗あるのみ。


 コツ、コツ、コツ。


 徐々に音が近付いてくる。鉄格子の扉っぽい所から少しだけ離れてぐったりと寝るふりをした。足音は私がいる牢の前で止まり、静寂が広がる。

 いつまで経っても動かない相手に少し興味が出てきた。じっくり舐めるように見てたら嫌だなぁ…。見てたらそいつの事を変態って呼ぼう。


 さあ誰だ、と内心盛り上がりながら薄く目を開ける。その姿を見た瞬間目を見開きそうになり咄嗟に目を閉じた。


 …この人、なんか背負ってるぅぅううう!!!


 予想外の事態に心臓がばくばくする。え、ちょ、誰それ何持ってるの?! 形的に人だよね? 人質なんて追加しなくていいでしょ!

 そいつは驚きで固まる私を見てまだ気絶していると判断したようだ。私の前の鉄格子を開く。背負っていたものを格子の中に捨てるように入れた後、格子を閉めた。そしてまた一定の間隔の足音を鳴らして来た道の方へ帰っていく。


 ―――ガシャン


 重々しい扉が閉まる音が聞こえる。それが出ていったのをこっそり確認して、漸く深く息を吐いた。

 目の前に転がる人質を見る。すっごい見知った顔の持ち主なんですが君も攫われたのか。まさかまさかの予想外だよ。殿下が攫われたのかと思ったけど…


「ディーアぁ…君なに捕まってんのぉぉ……」


 鉄格子越しに転がる私の同僚に小さく叫んだ。


 監禁舐めてたわ。心躍るイベントとかじゃなかったわ。協力プレイ系の、殺傷沙汰が起こる感じの血肉湧き踊るイベントだったわ。あー…乙女ゲームって脱獄ゲームなのか。仲間を集めて何かするんですね?

 疲れを帯びた笑いが小さく漏れる。ディーア、私の手伝い(強制)なんて運が悪いね。けど私の方がもっと運が悪いわ、荷物が増えた。…さあこれからどうしようか。


 私は重っ苦しい手錠を見る。指を滑らすと冷たくつるつるとした感触が伝わる。しかし内側はザラザラしていて手首が痛くなる。うん、まずこれを取ろうか。

 手に魔力を込める。炎で手錠を溶かし尽くすように包んで…包…んで……


「…包めない」


 魔力を込めようとした瞬間、手錠の内側が淡く光る。それが光ると魔法が発動しないようだ。込める度に点滅する。なるほど、内側のざらざらは魔法陣らしい。私の魔力に反応して光っている。

 これ…魔導具か。効果は魔力吸収かな。城のよりも効果は薄いがそれでも結構キツい。


「…まあいいか。無理矢理燃やしちゃえ」


 さっきよりも強く魔力を込める。その瞬間、炎が手と足に纏わりついて手錠が崩れ落ちた。音も無く灰になったそれは隙間風に吹かれて消えていく。

 急激な魔力放出で頭が痛くなる。呼吸が浅くなって、視界がぶれる。…まあ城でしたら髪結い紐一つ出すだけでぶっ倒れるからなぁ。そう考えたら立てるだけ素晴らしいね!

 痛む頭をゆるりと振って立ち上がる。どこも痛くないのを確認してから、前にいる騎士様に近づいた。


「ディーアー。ディーア様ー? 起きてるー?」


 小さく声をかける。が、反応無し。気絶してるのかな? それとも安眠中?


「……すぅ」

「よし、大丈夫だ」


 安眠中だった! 超元気! こりゃ安心だぜ!


「……起きろこの野郎ぉお!!」


 ディーアの上に大きな水球を作り出す。中身には丁寧に氷も混ぜている素敵使用だ。それを今までの溜まりに溜まった怨念をぶつけるが如く、頭と体と足の三部位に切り分けて同時に破裂させた。

 ぱんっと水が弾ける音と共に水滴が飛んでくる。彼はびくりと身を震わせて弾かれるように飛び起きた。


「っ…! なんだ?!」

「ディー坊おはよう」

「は? …は?!」


 軽く挨拶すると目を白黒させるディーア。目が慣れていないのか私じゃなくて後ろの壁を見ている。そっちじゃないと言うと忙しなく周囲を見始めた。

 こんなアクティブな彼は見た事がない。ものすごく新鮮だ。


「お前何処にいるんだよ? てかここはどこだ? 何故俺は濡れている?」

「まあまあ落ち着いてよ。私は君のちょうど後ろにいるよ。あと私も今起きた所だから何処かわからない。水は…あれだよ、水も滴るいい男ってヤツだよ」


 魔法バレてないよかった!

 成功を噛み締めながら慌てる彼を眺める。なんていい眺めだ、今までのストレスが浄化されている気がする。くすくす笑っていると残念な事に彼はすぐに落ち着きを取り戻した。ちっ、私が余裕そうなのを見て正気に戻ったか。

 彼は目が見えてきたらしい、私の方をきちんと見る。若干睨んでるような気がするが暗くてよく見えない。知らない知らない。牢屋越しに手を振って元気なのを伝えると重くため息をつかれた。


「んなため息つかれましても…。だって私も捕まったんだもん、そりゃ牢屋越しですわ」

「それにしちゃ余裕じゃねぇか」

「慌てる君を見ていたら余裕が出てきました。ありがとう赤騎士様!」

「……」


 睨まないでよかっこいい顔が台無しだよ! 見えてないけど。

 彼の手足には私と同じような手錠が嵌められていた。十中八九さっきの魔力吸収型魔導具だ。けどディーア様は室内でも使えるもんね。私より魔力が多いだろうから一瞬でぱーんかな!

 それなのに彼は魔導具を壊そうとしない。壊さないのかと聞くとお前は何を言っているんだと眉を顰められた。


「こんなもん壊せるわけないだろ。どれだけの魔力がいると思ってんだよ」

「壊せないの?」

「こんなもん壊せるとか化物だ」

「え? だってディーアって城内でも魔法使えるじゃん!」

「んなのは赤だからだよ。陛下の下僕特権」

「Oh…下僕、わぉ」


 陛下の下僕とか洒落にならない。絶対なりたくない職業だぁ…。てか人外扱いされたんですが私大丈夫?

 あとさ、お前も治癒だけは軽減されているって聞こえたんだけどどういう事? 身体能力も上がるの?いや、それよか私も下僕って事かな? …あの糞野郎ただじゃおかねぇ。


「まあいい。とりあえずこれは着けたままにするか」

「ディーアって魔術師でしょ? 大丈夫なの?」

「俺は基本的に剣だ。魔法も使うがこっちでもいける」

「流石下僕何でも出来るね」

「うるせぇ」

「けど手錠着けたままじゃ歩けないでしょ?」

「鎖部分をノコギリで切るから」

「……赤様すげぇ」


 だからさっきからしゃこしゃこ鳴ってるのか。何処のスパイなんだ準備が万端過ぎる。


「あー…けどこれじゃあ鉄格子は切れねぇな。ノコギリが足りない」

「鉄格子…ねぇ?」


 私はまじまじと鉄格子を眺める。細いが折れなさそうな頑丈な牢屋。棒と棒の間から出るには細すぎて無理だ。

 どうしようかなぁ…。早く帰らないとルークさんに怒られるしなぁ…。殿下も心配だし…仕方が無いか。


「ディーア」

「なんだ?」

「内緒にしてね」

「は?」


 私は鉄格子に手を伸ばす。それが指先に触れた瞬間、白く光って崩れ落ちた。三本を燃やし尽くすと出れる大きさになったので牢屋から抜け出す。


「よし逃げるぞ!」

「お、おいお前…」

「ん? ああ、ディーアのも開けるからちょっと待って」


 目を丸くするディーアを置いて格子に触れる。三本か四本燃やしていると震えた声で質問された。


「お前…魔法使えたのか?!」

「いつも使ってるじゃん」

「違う! 攻撃魔法だよ! 治癒と破壊は両立出来ないだろ?! いや、それよりも何故唱えなくても使えるんだ?!」

「治癒と破壊を両立させようとしたやつが何言ってるんだか」


 やれやれと手を振って最後の一本を消し去る。足元が見えないので宙に火球を数個浮かせて明るくした。目の前には驚愕の表情を浮かべるディーア様。手から小さなノコギリを落として固まっている。

 私は彼の足元のノコギリを拾う。それを恭しく差し出してにっこり笑った。


「さあ行きますよ眠り姫。我々の逃走劇はこれからです」

殿下合流。色々終わったので漸く本職に戻りました。


ディーアは二人を気遣い…とかではなく、ただ自分の益を考えてぶっちゃけました。よそよそしいよりもギクシャクするよりも仕事効率が上がると思ったのでしょう。結果大惨事に。互いが互いをひきあって憐れみを持つようになりました。


主人公のディーアに対するヘイト値が順調に上がってます。最近はルーク殿下やエドウィンと同列ぐらいまで好感度が下がってきました。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ